のぼるくんの世界

のぼる君の歯科知識

本の世界

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グローバルヘルスの現場から見えたこと

2023年11月12日(日)

  -ハルマッタンの風に運ばれて-
著者 池田憲昭
口腔保健協会
2023年9月30日
1800円
 若いときの出会いは大切。それを受け取れる素晴らしさに感動。
 池田憲昭氏講演会
 「開発途上国における保健システム強化支援について」2008年10月19日
kojima-dental-office.net/20081019-2742#more-2742
 格差社会において20年以上グローバルヘルスの現場で「派遣された国の人たちが公平に適切な保健サービスを受けることが可能になるような行政の強化や仕組み作り」を現地の人たちと共にしてきたと私は思っている。しかし、パンデミックの今は、経済的格差がむしろ拡大するという現実に直面している。 続きを読む

北里柴三郎

2022年08月16日(火)

よみがえる天才7
海棠 尊 著
ちくまプライマリー新書
2022年3月10日発行
920円
 座右の銘は「任人勿疑、疑勿任人」(人を疑うに任ずるなかれ、人を任じて疑うなかれ)
 あだ名は「ドンネル(雷)」
 医学は、誤解と誤謬を是正しながら築き挙げられていくもの。彼の人生を理解することは、現在の衛生行政の誤謬を理解する一助となる。北里が直面していた問題は、決して過去のことではない。 続きを読む

現代日本人の歯並びが最悪なワケ

2022年12月11日(日)

月刊保団連 2022年12月号
 特集「食べる」「話す」「息をする」が苦手な子どもたち
口腔機能の発達と育成支援
 現代日本人の歯並びが最悪なワケ
人類学から考える咀嚼期の発達と退縮
 国立科学博物館人類研究部名誉研究員 馬場悠男 著
 人類は、道具使用と肉食によって咀嚼器を退化させた。その過程で、喉頭が頸まで下降し、睡眠時無呼吸の究極要因が生まれた。ただし、その後でも、例えば縄文人は、歯列が広くて歯並びがよく、正常な口腔容量を保っていたので、睡眠時無呼吸を起こすことはなかった。ところが、現代日本人では、歯並びが極端に悪くなり、口腔容量が不足し、しばしば睡眠時無呼吸を起こす。 続きを読む

「サル化する」する人間社会

2025年01月26日(日)

山極寿一著 京都大学総長 理学博士
集英社
2014年7月30日発行
1100円
 人間社会のリーダーは、ボス化している。
 サル社会は、「上下関係」「優劣」「勝ち負け」がハッキリとしている。ボスザルを頂点としたピラミッド序列。自分の地位を脅かそうとする相手を徹底的に排除する。それも、力や地位を利用した方法を取る。食べる時は分散して、互いに目が合わないようにする。
 一方、ゴリラの社会には「優劣」がない。喧嘩に「勝ち」も「負け」もつけない。群れのリーダーがメスや子供と食物を分け合うのはごく「当たり前」のことで、しかも「向き合って食事をする」。
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モロッコの台所

2024年11月28日(木)

著者 エットハミ・ムライ・アメド/寺田なほ
KTC中央出版
2015年6月16日発行
1600円
 手間を惜しまず料理し、食べることを楽しむ暮らしを紹介するエッセイ集
 想像もしないような食材を組み合わせるモロッコ料理は、美味しいものを食べるのが好きな人たちをうならせる。皿の上には、長い歴史とベルベル民族の伝統、そして異民族がもたらした食材や文化の影を舌で味わう楽しみがある。
 たった数種類のスパイスが素材の味を引き出し、どの料理も優しい味わいに仕上がる。炭火で柔らかく煮込まれるタジン、もっちり蒸し上がったクスクス、新鮮な魚料理など、モロッコ料理の世界をのぞいてみて欲しい。この本で、楽しい料理と幻想的な街並みの国を旅して欲しい。 続きを読む

超・進化論

2024年09月29日(日)

生命40億年 地球のルールに迫る
著者 NHKスペシャル取材班+緑慎也
講談社
2023年3月6日発行
1800円
 [NHKスペシャル] 植物たちには「おしゃべり」をする能力
www.youtube.com/watch?v=94OKuOrqalg&list=PLcynJ47QaWNsHJRVIupWyZEljIsGqhUGL&index=14
 植物という不思議な生き方
kojima-dental-office.net/blog/20080814-1149#more-1149
 NHKスペシャル「超・進化論」のきっかけは、植物が、他の植物や昆虫たちと、まるで“会話”をするように、離れた相手にメッセージを送っている、コミュニケーションをとっているという研究だった。ディレクター・制作統括 白川裕之は、多様な生命の共存を支える“地球のルール”と“生物多様性の本当の姿”に迫る大型プロジェクトの取材をスタートさせた。 続きを読む

これからの「正義」の話をしよう

2010年11月23日(火)

これからの「正義」の話をしよういまを生き延びるための哲学
マイケル・サンデル著
鬼澤忍訳
早川書房
2300円
2010年5月25日発行

 正義とは何なのか、自由に限界があるのか、自由市場は公平なのか、市場介入は許されるか、等々を具体的な事例を基に歴代の哲学者と共に考えていく。2、3頁読み進んでも10頁ほど戻り、なかなか理解困難な大物である。じっくり挑戦してみよう。
 参考に 藤原 正彦著「国家の品格」
kojima-dental-office.net/blog/20090306-1364#more-1364
「まず公平に戦いましょう」は、「武士道精神」によれば「卑怯」に抵触します。強い者が弱い者をやっつけることは卑怯である。論理的に正しいことと善悪は別次元のことです。 続きを読む

臓器たちは語り合う

2019年08月29日(木)

臓器たちは語り合う人体 神秘の巨大ネットワーク
 丸山優二著
 NHKスペシャル「人体」取材班
www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20171001
NHK出版新書
2019年5月10日発行
900円

 本書は、NHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」シリーズで放送された内容をおさらいしつつ、さらに掘り下げたもの。 続きを読む

栗山ノート

2023年06月24日(土)

栗山英樹著
光文社
2019年10月30日発行
1300円
 参考に
 歯科関連ニュース 5.4.14.【7】WBC優勝 栗山英樹監督に学ぶ
kojima-dental-office.net/20230414-6934
野球ノートをつける習慣
 小学校1年から野球を始めた。小学校当時は、その日の練習メニューを書き出したり、気になったプレーを図解したりしていた。中学から高校、高校から大学と野球を続けていく中で、ノートと向き合う気持ちは変わっていく。チームが勝つためにどうすればいいのか、という考えが織り込まれていく。テスト生でヤクルトスワローズに入団してからも、練習後や試合後にノートを開くことは習慣化されていたが、自分のプレーを整理できず、書けない日もあった。
 学生時代から本には親しんできた。本を読んでいくうちに、成功を収めたと言われる人たちの共通点は、古典に当たっていること、『四書五経』、『論語』、『易経』、『韓非子』といったものの教えが時代を超えて模範的で普遍的な価値を持つこと、に気づいた。2012年に北海道日本ハムファイターズの監督になってからは、リーダー論や組織論などのビジネス書にヒントを求めることが多くなった気がする。野球ノートをつけることと、古今東西の古典を中心とした読書の旅を並行していくと、野球を野球の常識だけで読み解くべきではないという思いに辿り着く。 続きを読む

Chat GPTは神か悪魔か

2025年04月04日(金)

 著者 メディアアーティストの落合陽一
   著作家・パブリックスピーカーの山口周
   経済学者の野口悠紀雄
   経済学者・駒澤大学経済学部準教授の井上智洋
   インタラクション・デザイナーの深津貴之
   精神科医・立命館大学生命科学部特認教授の和田秀樹
   生命学者・早稲田大学名誉教授の池田清彦
 宝島新書
 1100円
 2023年10月11日発行
 本書では、各分野を代表する7名の識者が徹底検証する。
 ChatGPTの操作はとても簡単で、誰でも直感的に使うことができる。時代に取り残されないためには「新しいものに触れる」という興味関心と行動力が大切。使い方はアプリをダウンロードして、質問を打ち込むだけ。できれば有料版で試してみよう。質問の仕方を工夫することで、より具体的かつ望ましい回答に近づけることができる。 続きを読む

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