本の世界
本の世界
2022年11月16日(水)
ドナルド・キーン著
東京新聞
2019年9月26日発行
1600円
日米開戦直後、ラジオで「日本語ができる米国人は50人」と聞いた。実際には米本土に日系人が数万人いて、間違っていたが、私は信じてしまった。海軍語学校の面接を経て1942年2月に入学した。同期生は30人ほど。日系人はおらず、語学の習熟能力で選ばれた有名大学の上位5%の学生ばかりだった。クラスはレベル別に6人以下の少人数制。教師陣はほとんどが日系人で授業は1日4時間。休みは日曜日だけ。予習、復習で1日4,5時間はかかる猛特訓だった。
欧州戦線で活躍した日系部隊まであった陸軍とは違い、海軍は日系人を信用せず、入隊を許さなかった。しかし、日本語が分かる人材が必要なので、日系人ではない日本語の通訳を養成していた。 続きを読む
2009年07月09日(木)
一般には「ウソをつくことは悪いこと」と考えられています。しかし、ウソの本質や肯定的な見方も必要かもしれないと思います。ウソを見破る能力や見逃してあげる智恵についても学び、自分や周りの人の心理も理解したいです。
おもしろい本ですよ。ウソではありません。 続きを読む
2011年03月23日(水)
“日本発世界へ”を実現したトヨタの組織能力
So It’s TOYOTA
高木晴夫著
ダイヤモンド社
2007年9月28日発行
1800円
本書は、トヨタと関係会社の方々に対し直接インタビューし調査した情報を基に、「日本発世界」を可能にした組織とリーダーシップについて書かれている。世界一の規模になろうとする日本一のトヨタが、バブルが弾け、国内シェア40%を割り込んだ2000年の時点で、危機の予兆を嗅ぎ取り、その10年後を見据えた課題を見つけ、その課題に対する解決策を練り、ブランドの再構築に挑んだ。そして、日本の価値、日本の文化、日本のよさを世界へ発信した。 続きを読む
2009年09月02日(水)
李 御寧(イー・オリョン)著
新潮新書
2005年4月20日発行
720円
民主党が大勝した。4年前は自民党が大勝した。小選挙区制では、僅差でも裏表がはっきりし、振り子の振り幅が著しく現れる。そして、政権交代が起きた。それぞれに、ぬるま湯から目を覚ますいい機会になった。初体験に不安や戸惑いはあるが、実体験が今後に役立つであろう。
しかし、日本に果たしてこの激変を起こす制度が定着していくだろうか。今一度考えるためこの本を読んで頂きたい。また、イデオロギーや宗教の争いやテロの解決の糸口になるかもしれない。 続きを読む
2016年01月18日(月)
ニッポン放送アナウンサー 吉田尚記著
太田出版
2015年2月6日発行
定価1111円+税
本書は、8回にわたりニコニコ生放送でコミュ障のアナウンサー吉田尚記が話した内容を構成したもの。20年かけて編み出した実践的な会話の技術を惜しみなく披露。相手を楽にさせる会話力!話すことが苦手な全ての人を救済する、コミュニケーションの極意!! 続きを読む
2018年01月02日(火)
伊東大介著
慶應義塾大学医学部 神経内科・メモリークリニック専任講師
講談社
2011年11月20日発行
定価 840円+税
参考に
認知症と歯科疾患
kojima-dental-office.net/20171211-4060
1.認知症
認知症は年齢とともに増加する。わが国では、75~79歳では10人にひとり、80~84歳では4人にひとり、85歳以上ともなると半分以上が認知症。記憶力や判断力などの知的能力が何らかの原因で低下し、次第に悪化して仕事や社会生活に支障をきたした状態。認知症の中で最も多いのがアルツハイマー病で、ほぼ6割。次に多いが脳血管性認知症、2割を占める。3番目がレビー小体型認知症で、この3種類で8割半ば近くになり、これらを3大認知症と呼んでいる。
認知症の診断は、ある程度の期間、観察してからでないと診断できないものがある。 続きを読む
2019年12月25日(水)
小室直樹著
ワック株式会社
2008年2月3日発行
920円
多民族からなる欧米社会にとって、民族的、個人的感情を超越した明確な社会的規範の存在は不可欠であり、その根底にあるのは「数学の論理」である。契約社会・欧米の「契約の精神」は、数学の「集合論」そのものだ。 続きを読む
2019年11月11日(月)
mishimasha.com/books/taijinohanashi.html
誰も知らない「赤ん坊になる前」のこと
著者 増﨑英明 最相葉月
発行所 ミシマ社
2019年2月4日発行
1900円
先生と生徒の対談集だから、すらすらと読めて楽しい。 続きを読む
2022年11月23日(水)
著者 読売新聞社会部「あれから」取材班
新潮新書
2022年8月20日 発行
820円
新聞の視点は「今」であることが多いが、物事には「その後」がある。ニュースの当事者たちのその後をたどってみよう、という発想で始まったのが、読売新聞の人物企画「あれから」。2020年2月から原則月1回のペースで朝刊に掲載。徹底的に人選にこだわり、「ぜひこの人に話を聞いてみたい」という人物を捜す。取材期間は短くても3ヶ月、長い場合は1年近くをかけた。取材を始めてみて、特異な体験をくぐり抜けた人が語る言葉というのは、何ともいえない奥行きや心を揺さぶる切実さがある。 続きを読む
2021年11月14日(日)
原発事故とコロナ・パンデミックから見直す
山本義隆著
みすず書房
2011年4月9日発行
1800円
私がJR東海によるリニア中央新幹線計画の「問題性」に注目したのは、福島の原発事故直後に国土交通省が、原発事故に対するなんの反省もなくリニア計画にお墨付きを与えたことを知った時から。以前の「科学技術ジャーナリズムの役割」は「啓蒙」だったが、現在は「批判」でなければならなくなった。
2020年、水問題をめぐるJR東海と静岡県の対立が報道された時、「10・8山崎博昭プロジェクト」のホームページにリニア計画について思うところを表明した。それを大幅に加筆・改稿して書籍化した。 続きを読む