エッセイ
医心凡語
2006年04月15日(土)
4月から新保険業法や電気用品安全法が施行されたが、国民の生活を良くするためになっているのだろうか。仲間の助け合いを長年続けていた共済を、無理矢理に営利目的の保険と同じ取り扱いにして、存続できないように規制した。そのため、国民は、将来設計の変更を余儀なくされ、不安が増すばかりである。また、メーカーが古い製品の責任が持てないとのことで、学生街にあるリサイクルショップでの、卒業生と新入生の中古家電製品の売買を規制した。そのため、学生の利便性が失われ、粗大ゴミも増えていく。 続きを読む
2024年11月05日(火)
現行、「マイナンバー」は強制、「マイナンバーカード」の取得は任意だ。マイナンバーは、国民の情報を一元的に管理することができない仕組みで、それぞれの行政機関が個人情報を分散して管理している。また、役所での業務や、電子申告時の国税庁への申請といった、限られた場所でしか使われない。しかも、政府が全力を挙げてがっちりガードしているので、もし情報漏れが起きたら、政府が全責任を負う。
しかし、マイナンバーカードは、ハンコに例えるなら実印と認印を混在させた摩訶不思議な物になっている。いろんな用途に拡大しやすくするためにセキュリティをゆるく設計されている。マイナンバーカードは、リスクも分かった上で、自己責任で取得したのだから、情報漏れなどのトラブルについて政府は責任を負わない。 続きを読む
2014年01月19日(日)
パンの耳を食べない子供がいる。食べさせない保護者もいる。しっかり咬める子供は2割ほどしかいない。食べ物を喉につまらせたり、窒息する子供や高齢者も増えている。 続きを読む
2025年08月08日(金)
新しいことを始めることに不安が大きいから、歯科訪問診療に踏み出せない。どう始めればよいのか、何を準備すればよいか、予期せぬことにどう対処対すればよいのかなど、分からないことが多岐にわたる。また、カルテ記載や保険請求、文書作成、他職種との連携も複雑である。
さらに、施設には訪問するが、グループホームやケアハウス、小規模多機能などの居宅を敬遠する歯科診療所も多い。1件でも訪問すれば介護のオンライン請求が必要となり、レセコンの追加料金(介護は別料金)が毎月発生する。いつあるか分からない少ない件数の介護報酬では、採算が合わない。年に1,2人の介護報酬を特例として紙で請求できるようになればハードルはかなり下がり、居宅などへの訪問歯科診療も増えるだろう。
いずれにしても、訪問歯科診療をしていなければ医院経営が成り立たない時代はもうすぐ来ると思う。それまでに準備・連携を整えておく必要がある。 続きを読む
2020年12月25日(金)
2月3日にダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に着岸し、検疫を実施した。翌日、乗客にSARS-CoV-2 RNAが検出され、乗客、乗員全員が船内隔離された。乗員1,068人, 乗客2,645人の計3,713人が搭乗していた。その後4月15日までに確定症例712例が確認され, 少なくとも14例の死亡が、また, その他に検疫官や船会社の医師ら外部から対策に入った9人の感染も確認された。乗員の中では食事担当スタッフ(5.7%)は他スタッフ(0.7%)に比べ累積罹患率が有意に高かった。3月1日にすべての乗客、乗員の下船が完了した。新型コロナウイルスが国民的な関心事となったのは3月からだった。4月7日に緊急事態宣言が出された。 続きを読む
2023年07月26日(水)
国が今年10月から始める「適格請求書保存方式(インボイス制度)」では、免税事業者が発行する請求書は消費税の仕入税額控除の要件を満たさなくなる。但し、2026年9月までの3年間は免税事業者からの仕入れにつき仕入税額相当額の80%を控除可能、2029年9月までの3年間は50%控除可能とする経過措置があり、2029年10月からは控除不可となる。
歯科医院で問題となるのは歯科技工所との関係だろう。他にも金属回収業者等がある。保険治療中心の「免税事業者」又は自費診療等が5千万円以下の「簡易課税事業者」の歯科医院は適格請求書=インボイスの収集は不要で、歯科技工所が免税事業者でも問題はない。多くの歯科医院はこれに該当する。 続きを読む
2022年04月30日(土)
4歳の男の子が急患で来院する。号泣していてよく分からないが、どこか歯が痛いらしい。付き添ってきた両親に話を聞こうとしたら、二人とも聴覚障害者だった。筆談で経過や様子を把握することになり、診断、治療、痛みからの解放にはかなりの時間を要した。手話通訳者が同行してくれたら良いのになあと思う。また、こんな話も聞く。「救急車で筆談を求められた。大量出血で意識がもうろうとしてできなかった。でも、手話通訳者が駆けつけてくれて、手話で会話ができて安心した」。 続きを読む
2018年11月08日(木)
我が国の年次有給休暇の取得率は、欧米諸国ではほぼ完全取得されている状況と比較して、近年5割を下回る水準で低迷している。働き方改革関連法が順次施行されるのに伴い、今年4月1日、年次有給休暇の取得義務化が始まる。現行法では労働者の申し出による取得のみだったが、5日分については本人の希望を踏まえ、事前に時季を指定して与えられる。違反した企業は30万円以下の罰金の対象になる。義務化で大幅改善が期待される一方、人手不足に悩む医療業界や介護業界は対応に追われそうだ。どちらも、ぎりぎりの人員でやりくりしている。スタッフにも職場への配慮やためらいなどがある。 続きを読む
2017年09月02日(土)
財務省主導で行なわれてきた予算編成などを政治主導型に移行するため、2001年1月、政府は、内閣府に「経済財政諮問会議」という組織を誕生させ、国家予算や規模、医療費など経済全般に関わる政策決定機関とした。年末に決定されていた予算編成方針を、6月ごろに同会議が「骨太の方針」という予算編成の基本的な考え方を提示し、それに基づいて、「予算編成の基本方針」を閣議が決定するようになった。メンバーは、内閣官房長官、日銀総裁、経済財政担当相と関係閣僚、それに経済学者と財界人2名ずつ、計4名の民間人である。例えば、医療費抑制について話し合う経済諮問会議に医師は一人もいないという恐るべきことになっている。 続きを読む
2019年10月02日(水)
国際放射線防護委員会(ICRP)が、原発事故後の放射線被曝防護基準見直しに対するパブコメ(英文)をひっそりと募集した。これまでのICRP勧告では、原発事故後の緊急時には、年間100から20ミリシーベルト、回復期には20ミリから1ミリシーベルトの間に参考レベルを置き、被曝の低減に努めることを求めていた。しかし、これを、緊急時は100ミリ、回復期は10ミリシーベルトとし、下限を取っ払い実質の許容量を引き上げる方針である。 続きを読む
