「食べる機能」の発達に応じた食事提供
2018年07月16日(月)
昭和大学 名誉教授 向井美恵
kojima-dental-office.net/20060723-1429#more-1429
ぜんほきょう 2018年6月号
全国保育協議会
保育の視点
A.乳児期
①乳児期の「食べる機能」の発達に順序性がある
②「食べる機能」が発達するために
・発達に適した離乳食の食形態の提供
・適切な介助用具(スプーンなど)
・介助の仕方
特に、スプーンからの捕食介助
(上下口唇でスプーン上の食物を擦り取るのを待つ)
幼児期以降の噛む動きを促すために
B.1歳以上3歳未満児 食べる機能獲得後
①手づかみ食べ
・歯を使う感覚
食べ物の一部を上下の前歯でかじり取る
硬さの感覚と咀嚼の力の程度との協調を学ぶ
臼歯が噛み合っていないために繊維の強い食物や硬い食物は処理できない
・適切な一口量を覚える
こぼすことも多く見られるが、発達に必要な過程なのでおおらかに見守る
窒息事故の予防
子どもと保育者が一緒に食事する→事故を予防しつつ機能発達を促す
②食具食べ
・食具操作と口の働きの協調の学習期
手指の発達
フォークよりもスプーンを優先させる
こぼさないではなく、動きを促す食具
口の中にポンと置くのではなく、口唇を閉じて一連の動きを引き出す
③歯の萌出と噛み合う状況によって処理できる食物が変わる
・日本人の平均的な歯の生える時期
下の前歯は男児8ヶ月、女児9ヶ月
上下の前歯8本は1歳前後
乳歯20本が噛み合うのは3歳過ぎ
C.3歳以上児
①大人より噛む力は弱い
・噛む回数を多くする、一口量を少なくする等の工夫が必要
②五感で味わう
・噛んで食べると美味しさと香りが引き出せる
視覚、味覚、触覚、嗅覚、聴覚
③集団の場で周囲の人との協調
・食事の楽しさ
・多くの食物の美味しさを経験
・思いやる心や自制心
大きな皿から自分の皿に取り分ける→量を加減する、好きな食物でも譲る
小児口腔機能管理加算
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