のぼるくんの世界

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本の世界

自然科学の不思議さ

センス・オブ・ワンダーを捜して

2011年12月08日(木)

センス・オブ・ワンダーを捜して生命のささやきに耳を澄ます
福岡伸一 阿川佐和子著
大和書房
2011年11月1日発行
1400円
 人間にとって子ども時代とは、生きるとは何なのかを深く考えさせられる1冊である。そして、機械論的にこだわらず動的平衡も視野に入れて患者さんと向き合いたいと思う。
 また、2人の対談からインタビューの秘訣も学んだ。質問をひとつだけ用意する。その答えをじっくり聞き、答えの中に次の質問を見つける。
 生物と無生物のあいだ
kojima-dental-office.net/blog/20200914-14306#more-14306
 動的平衡
kojima-dental-office.net/blog/20180814-10323#more-10323 続きを読む

植物という不思議な生き方

2008年08月14日(木)

植物という不思議な生き方蓮実香佑 著
PHP研究所
1300円
2005年11月9日発行
 植物とは不思議な生き物である。人間とは姿も形もまったく違う。もっと根本的に考えも及ばない何かがあるのだと思う。手足も、目や耳も、脳もない。しかし、戦略家である。
また、余計なことを考えない植物のまっすぐな生き方に、私たちは「生きる」ことの意味を問い正されるかもしれない。
 植物の不思議な世界へようこそ。 続きを読む

世界史は化学でできている

2021年09月15日(水)

絶対に面白い化学入門
左巻建男著
2021年2月16日発行
ダイヤモンド社
1700円
 1億3千年前、果実をつける種子植物が登場した。そこに、サッカロミセス・セレピシエという果実を好む「酵母」が現れた。それは、効率は良くないが果実の果糖やブドウ糖などからエネルギーを得ていた。副産物としてつくられるアルコールには、他の微生物を寄せ付けない効果があった。
 果実を食べる哺乳類は、果実が成熟したかどうかをアルコールの匂いで知ることができる種が有利になった。私たちの祖先は、アルコール好きの性質を持つことで進化してきた。 続きを読む

図解 宇宙の話

2018年11月21日(水)

img111眠れなくなるほど面白い
渡部潤一著
2018年3月30日発行
日本文芸社
680円
宇宙全体の謎を解く方程式
 アインシュタインが提唱した相対性原理「物体が同じ速度で動いているならば、止まっている時と同じ物理現象が起きる」を理論化したもの。現在の宇宙論はこの上に成り立っている。 続きを読む

ざんねんないきもの事典

2020年02月16日(日)

ざんねんないきもの事典www.takahashishoten.co.jp/zannen/#home
おもしろい! 進化のふしぎ
今泉忠明監修
高橋書店発行
900円
 ざんねんな生き物とは一生懸命なのに、どこか残念な生き物たちのこと。
 「進化」とは、体のつくりや能力が長い時間をかけて変わっていくこと。進化に正解はない。生き残れるかどうかは運次第。今まで地球に登場した生き物は、99.9%は滅んでしまった。環境がガラリと変われば、絶滅してしまう。 続きを読む

炭素はすごい

2021年03月18日(木)

炭素はすごいなぜ炭素は「元素の王様」といわれるのか
齋藤勝裕著
2019年2月25日発行
サイエンス・アイ新書
1000円
 炭素原子は水素原子の核融合によって恒星で誕生した。地球だけではなく、全宇宙に広く存在している。構成元素を調べると、炭素は宇宙全体では4位だが、地球全体では15位にも入らずランキング圏外。地殻では15位に姿を現す。地球上で炭素が多いのは地表。野山を覆う緑、そこで暮らす動物、舞い飛ぶ昆虫など、ありとあらゆる生物を作る主要元素として君臨している。 続きを読む

露の身ながら

2008年12月25日(木)

露の身ながら往復書簡
いのちへの対話
多田富雄 免疫学者
    2001年 5月、脳梗塞で倒れ声を失い右半身不随となる
    抑制T細胞を発見   
柳澤桂子 遺伝学者
        T遺伝子の研究
        1969年原因不明の難病
集英社
2004年4月発行
四六判 269頁
1,470円(税込み)
 障害者一年目と、病床三〇年の往復書簡である。不自由な体でワープロを打ちながら書かれた一字一句に感動を覚える。気持ちの整理が付いて、次第に自分のことから、違った立場から生命科学を学んだもの同士でお互いに意見を述べあうようになり、生物学の解説を超えて、現代の科学、人間の生死や文明についての深い哲学的洞察が見られるようになる。このエネルギーはどこから来るのだろうか。 続きを読む

ペットは人間をどう見ているのか

2018年01月08日(月)

img985イヌは?ネコは?小鳥は?
支倉槇人著
2010年4月5日発行
技術評論社
1580円

1.人間と動物の関係の始まり
 古くは、人間と動物は対立するか無関係かのどちらかの関係でしかなかった。こうした関係に大きな変化をもたらしたのがイヌだった。イヌが数万年前から人間と暮らしていたのに対し、ネコと人間の歴史はわずか数千年東アジアのオオカミを祖先とするイヌは、最初に家畜化された動物。ネコ(イエネコ)は、全てアフリカのリビアヤマネコを祖先としている。 続きを読む

バッタを倒しにアフリカへ

2018年06月20日(水)

バッタを倒しにアフリカへ前野ウルド浩太郎著
光文社新書
2017年5月20日発行
920円
A.バッタの研究
1.バッタとイナゴ
 幼虫には緑色や茶色、黄色がいる。カラーバリエーションはバッタの特殊能力のひとつで、彼らは自身が生活している背景の色に体色を似せることができる。緑の植物が多い所では緑色、枯れて茶色になった植物が多いところでは茶色になる。
 バッタのうち、孤独相(普段見かけるおとなしいバッタ)の幼虫は、この「忍者の隠れ身の術」を見せるが、群生相(仲間の数が増えた時に出現する凶悪モード)は、ほぼすべての個体がおそろいで黄色と黒のまだら模様になる。 続きを読む

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