本の世界
本の世界
2008年09月03日(水)
戦場ジャーナリストの夫と生きた日々
橋田幸子著
中央公論社
1300円
「戦場」という現代日本に無縁な場と四半世紀にわたって向かい合った日々をあますところなく綴った手記である。
事件のことごとくが“迷宮入り”し、曖昧にしたまま、手をこまねいているだけの政府、その姿勢を正面から批判、追求しようとしない新聞やテレビ。
2003年十一月、ほとんど同じ場所でスペイン国家情報局の職員が襲われ死亡した時、スペイン政府はなぜ犯人及び資金提供した武装勢力リーダーなど41人を拘束できたのか。 続きを読む
2009年12月16日(水)
「加賀藩御算用者」の幕末維新
磯田道史著
新潮新書
2003年4月10日発行
680円
著者が平成13年夏に神田神保町の古書店で「金沢藩士猪山家文書」に出会った。その日から古文書との格闘が始まった。
猪山家の家計簿には収入金額が記入されているし、買い物の内容もこまかく載っている。さらには借金の金額や借りた先までわかるから、武士の暮らしぶりが復元できる。 続きを読む
2017年08月10日(木)
〈逃げ切れ! 日本の医療〉
堤 未果著
集英社新書
740円
2015年5月20日発行
参考に
堤 未果 講演会
kojima-dental-office.net/blog/20160729-2321#more-2321
アメリカには国家に危機的状況をもたらすような外国企業の参入に対しては、大統領権限で阻止できるルール(エクソン・フロリオ条項)がある。日本にはこうした歯止めがない。アメリカは絶対に不利な交渉はしない。
アメリカが喉から手が出るほど欲しい最大のターゲットは日本の医療分野だろう。以下の規制を取っ払いたい。 続きを読む
2019年12月25日(水)
小室直樹著
ワック株式会社
2008年2月3日発行
920円
多民族からなる欧米社会にとって、民族的、個人的感情を超越した明確な社会的規範の存在は不可欠であり、その根底にあるのは「数学の論理」である。契約社会・欧米の「契約の精神」は、数学の「集合論」そのものだ。 続きを読む
2016年04月03日(日)
60分で分かる『21世紀の資本』のポイント
池田信夫著
東洋経済新報社
800円
話題のピケティ。入門に挑戦。それでもストックとフローそして数式に悩む。何度も読み返す。格差メカニズムの必然性と日本にて進む別次元の格差を理解するまでに至る。混乱と無秩序が差し迫る前に異なる価値観の国々が協調してピケティの提案を受け入れられるか。 続きを読む
2018年03月10日(土)
松原仁 著
集英社
2018年2月12日発行
700円
AIは、すべてが個別の“既知”の状況に対応する知能。
人間が持つ知能の本質は、未知の状況に直面した際に、生き延びるために身につけてきた適応能力。「何となく」による意思決定が、人間とAIの知能を分かつ、ひとつの大きな特徴。人間はある程度のミスをすることを容認し、この世界の莫大な情報を部分的に取り込んで処理し、大部分の場合に“なんとなくうまくいく”解を出すことができる。ミスを犯し得るという代償を支払って、知能の柔軟性を獲得している。 続きを読む
2012年12月22日(土)
著者 池谷 裕二
発行 扶桑社
本体価格 1600円
発行 2012年8月2日
様々な研究者の実験から発見された脳の妙なクセを楽しもう。
笑顔は周りだけでなく、本人も楽しくさせることや、入力よりも出力のほうが10倍記憶に残ることが、印象深い。 続きを読む
2021年03月11日(木)
neuro-educator.com/rongotosoroban/
渋沢栄一著
守屋淳訳
筑摩書房
820円
2010年2月10日発行
本書は「論語と算盤」の中から重要な部分を選び、現代語に訳したもの。この原著は、渋沢栄一が書いたわけではなく、講演の口述筆記をまとめたもの。編集者である梶山淋が90項目を選んでテーマ別に編集してものを、「論語と算盤」として大正5(1916)年に東亜堂書房から発刊した。
日本実業界の父が生涯を通じて貫いた経営哲学は、「利潤と道徳を調和させる」こと。 国の富をなす根源は、社会の基本的な道徳を基礎とした正しい素性の富。そうでなければ、その富は完全に永続することができない。 続きを読む
2010年04月15日(木)
鎌田實著
集英社
2010年2月28日発行
952円
医療や福祉の現場だけでなく、様々な分野に見られる空気を取り上げ、考えさせられる内容になっている。涙や感動の場面も登場する。日本人は空気に感染しやすく、極端に右に左にぶれやすい。自分を振り返り、これからを見つめ直す時、新しい生き方、一本の信念が見えてくる。ぜひご一読を。 続きを読む
2021年01月22日(金)
マイケル・ブース著
寺西のぶ子訳
角川文庫
800円
2018年2月25日発行
英国一家、日本を食べる 下
kojima-dental-office.net/blog/20210223-14637#more-14637
英国グルメライターが、3ヶ月間の食べ歩き家族旅行。実際に行って、この目で見て、自分の舌で味わってみるしかない。今の日本の食べ物を調査し、料理技術や食材についてできる限り学び、辻の悲観的な予想が当たっているかどうかを自分で見極めたい。
僕の知識は間違いだらけ。これまで料理に関して教わってきたことは、何もかもやりすぎで、手を加えすぎで、こだわりすぎで、無駄ばかりだった。 続きを読む