のぼるくんの世界

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本の世界

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もしも義経にケータイがあったなら

2008年11月11日(火)

鈴木輝一郎著
新潮新書
2005年6月20日発行
680円
 歴史を裏返していろんな角度から検証するのは必要であろう。義経を現代の経営・人事理論で読み解くところがおもしろい。現代のわれわれにも、学ぶところが大きいと思う。果たして自分は転換期に気づけるだろうか
 人事とは常に不公平なものだということを忘れてはならない。窓際族は、無能だから窓際にいるわけではない。運に恵まれなかっただけだ。自分の評価は直属の上司がするものであって、これは功績や実績よりも、こまめな「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」による場合が多い。それでも自負心を持ち続け、いつまでも、多方面にチャレンジしていきたい。
 明治以前は日本も夫婦別姓の国
 北条政子 政子は嫁いだ先の源とは違う苗字を名乗っている
kojima-dental-office.net/blog/20210627-14782 続きを読む

進化の法則は北極のサメが知っていた

2019年07月10日(水)

進化の法則は北極のサメが知っていた渡辺佑基著
2019年2月28日発行
河出書房新社
920円
 国立極地研究所に所属する生物学者。専門分野は、海洋動物(魚、海鳥、海生哺乳類)の生態。生態を研究するためツールとして、動物の身体に小型の計測機器を取り付ける「バイオロギング」の手法を使っている。10年ほど前の大学院生の頃、バイオロギング機器をタイマーで動物の体から切り離し、電波を頼りに回収するという独自のデータ回収システムを開発した。動物を捕獲する必要がなくなり、応用範囲が飛躍的に広がった。
 本書では、体温という物理量が生物の姿かたちや生き方をどのように規定しているのかを明らかにしたい。昆虫にも、魚にも哺乳類にも当てはまる統一理論「生物の法則」にもチャレンジしてみたい。 続きを読む

子どもの脳を傷つける親たち

2017年12月18日(月)

子どもの脳を傷つける親たちマルトリートメント(不適切な養育)が子どもの脳を変形させる
著者 友田明美

   福井大学子どものこころの発達研究センター教授
www.med.u-fukui.ac.jp/CDRC/

発行 NHK出版新書
本体価格 780円
発行 2017年8月10日

 私たちの研究では、強者である大人から、弱者である子どもへの不適切な関わり方を、「虐待」とは呼ばずに「マルトリートメント」と呼んでいる。子どものためだと思ってした行為であろうとなかろうが、傷つける意思があろうとなかろうが、子どもが傷つく行為は、すべて「マルトリートメント」。
 診療の現場で親たちの話に耳を傾けてみると、わが子を憎くてやっているばかりでもないことは事実。親が子どものふるまいを正すことに必死になりすぎるあまり、自分の行為を冷静に見られなくなっている。それに「虐待」というレッテルを貼り、親の人格を強く否定してしまったら、彼らが子どもを育て直すチャンスまで奪ってしまうことにもなる。まずはどのような行為が不適切な養育にあたるのかを知り、子どもを傷つける言動を繰り返さない。これが大きなポイント。 続きを読む

パンデミックを生きる指針ー歴史研究のアプローチ

2020年05月03日(日)

 新型コロナウイルスの危機に直面する人たちに向けて、インターネット上で発表
  藤原辰史氏 京都大人文科学研究所准教授
www.iwanamishinsho80.com/post/pandemic
 人間は楽観主義にすがり現実から逃避してしまう癖があり、甚大な危機に接して、為政者の楽観と空威張りをも信じてしまう。新型コロナウイルスは、国家や家族、そして未来への信頼を打ち砕き始めている。後世に残す文章を尊重し、歴史を重視する組織であり、国のリーダーが情報を隠すことなく提示してきたならば、そのデータに基づいて国民は行動を選択できる。異論に対して寛容なリーダーであれば、より創造的な解決策を提案できる。 続きを読む

「他者」の起源

2019年09月25日(水)

「他者」の起源                                   2019.9.25.
ハーバード連続講義録
トニ・モリスン著 
解説 森元あんり 訳者 荒このみ
東洋経済新報社
20019年7月22日発行
920円
 トニ・モリスンは、1993年にノーベル文学賞を授与された最初のアフリカン・アメリカンの作家。2016年春、ハーヴァード大学で「帰属の文学」について行った連続講演の原稿を元にした単行本。アメリカ合衆国とはいかなる社会であるか、書籍文字を通して、またさまざまな遭遇を通して「他者」とは何かを問い、その関係性を分析し、アメリカ社会の理解を深めようとしている。トニ・モリスンの発想と主張を抜きにして、今日のアメリカ社会を理解することはできない。アメリカ社会における「アフリカ」について知ることこそ、今日のアメリカ社会を知ることに繋がる。 続きを読む

生物多様性とはなにか

2010年09月06日(月)

井田徹治著
岩波新書
720円
2010年6月18日発行
 第6の大絶滅、生命史上最大の危機を迎えている。これまでの過去5回と質的に異なり、人間の活動が原因である。また、絶滅後に新たな種が生み出されてきた現場だった湿地や熱帯雨林も、今回は破壊が急速に進んでいる。
 「生物多様性のホットスポット」を取材してきた環境問題を専門とする記者が、問題点とこれからの糸口を紹介している。ぜひ、この機会に当たり前が当たり前でなくなっていくことに気づき、考え行動したい。 続きを読む

炭素はすごい

2021年03月18日(木)

炭素はすごいなぜ炭素は「元素の王様」といわれるのか
齋藤勝裕著
2019年2月25日発行
サイエンス・アイ新書
1000円
 炭素原子は水素原子の核融合によって恒星で誕生した。地球だけではなく、全宇宙に広く存在している。構成元素を調べると、炭素は宇宙全体では4位だが、地球全体では15位にも入らずランキング圏外。地殻では15位に姿を現す。地球上で炭素が多いのは地表。野山を覆う緑、そこで暮らす動物、舞い飛ぶ昆虫など、ありとあらゆる生物を作る主要元素として君臨している。 続きを読む

絶滅の人類史

2018年11月10日(土)

絶滅の人類史なぜ「私たち」が生き延びたのか
更科功著
2018年1月10日発行
NHK出版
820円
 ネアンデルタール人の脳はヒトの脳より大きい。1700ccを超えることさえ珍しくなかった。言語がないか未発達な時に、多くの物事を記憶するのに脳の容量を大きくしなければならなかったのかもしれない。
 1万年ぐらい前までのホモ・サピエンスの脳は約1450cc。ちなみに現在のホモ・サピエンスは約1350cc。文字が発明されたおかげで、脳の外に情報を出すことができるようになり、脳の中に記憶しなければならない量が減ったのだろう。また、高度な言語が発達して、高度な社会を発展させることができた。 続きを読む

科学的に正しい子育て

2020年08月10日(月)

科学的に正しい子育て森田麻里子著 
光文社
2020年1月30日発行
900円
 医学部教育では、子供の育て方を教わることはなかった。東大医学部卒ママ医師が医学論文約170本を徹底リサーチし、できる限り科学的な根拠のある情報から、疑問に具体的に答えている。議論の分かれているトピックについては、研究そのものの結果をできるだけ正確に、かつ、分かり易く解説している。育児に迷わない!、育児が楽になるを目指して。 続きを読む

決断力

2008年11月02日(日)

羽生善治
角川書店
2005年7月10日発行
686円
 最先端プロ棋士のきびしい世界から“自分の頭で考える”ことの大切さを改めて学んだ。好きなこと、興味を持てること、打ち込めるものを見つけられることが、いつまでも第一線で生きていくコツではないかと思う。どの世界においても、進歩している。今はこれがいいという勉強法でも、時間とともに通じなくなる。変えていかなければならない。
  これからは、「忘れれば、脳のその部分に空いたスペースができる。そこから新しい発想が生まれるのではないか、むしろ忘れることはいい傾向ではないか」と考えていきたい。 続きを読む

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