のぼるくんの世界

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本の世界

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「先送り」は生物学的に正しい

2015年03月13日(金)

「先送り」は生物学的に正しい究極の生き残る技術
進化生物学者 宮竹貴久著
2014年3月19日発行
講談社新書
840円

 一般的に「先送り」は、悪いことだというイメージがある。仕事も、勉強も、家事も、先送りにしたツケはたいてい後で自分に返ってくるとされる。しかし、先送りこそ、多くの生き物が進化の過程で身につけてきた賢い生き残り戦術なのだ続きを読む

ドクターハラスメント

2009年06月14日(日)

ドクターハラスメント許せない! 患者を傷つける医者のひと言
キャンサーフリートピア代表 土屋繁裕著
扶桑社
2002年9月30日発行
1400円

 ドクターハラスメントとは、医者という権威を傘にきた「言葉の暴力」、患者さんの弱みにつけ込んだ、実に残忍かつ、卑怯な言葉、そう脅迫である。日常生活であれば対人関係を切ってしまうが、医者と患者の間では、患者さんは、一方的に心の深いところで傷つき、治った後でも時々思い出しては腹を立てている。また、患者さんは、病気や治療に対する不安や恐怖を常に抱いている。そのため刺激に敏感で、感情のセンシティヴィティが高くなり、非常に傷つきやすい状態になっている。我々医者が、何気ない言葉でも患者さんが傷つくことがあることを自覚していなければならない。医者本人がドクハラであることに気づいていないことが多いのが問題である。そして、医療スタッフも一言一言よく考えながら話すように注意しなければならないと感じた。 続きを読む

バッタを倒しにアフリカへ

2018年06月20日(水)

バッタを倒しにアフリカへ前野ウルド浩太郎著
光文社新書
2017年5月20日発行
920円
A.バッタの研究
1.バッタとイナゴ
 幼虫には緑色や茶色、黄色がいる。カラーバリエーションはバッタの特殊能力のひとつで、彼らは自身が生活している背景の色に体色を似せることができる。緑の植物が多い所では緑色、枯れて茶色になった植物が多いところでは茶色になる。
 バッタのうち、孤独相(普段見かけるおとなしいバッタ)の幼虫は、この「忍者の隠れ身の術」を見せるが、群生相(仲間の数が増えた時に出現する凶悪モード)は、ほぼすべての個体がおそろいで黄色と黒のまだら模様になる。 続きを読む

脳の誕生

2018年01月20日(土)

img988発生・発達・進化の謎を解く
著者 大隈典子 東北大学大学院医学系研究科教授
    東京医科歯科大学歯学部卒業、専門は脊椎動物の神経発生
発行 筑摩書房
本体価格 860円
発行 2017年12月10日
 福岡伸一 阿川佐和子著  センス・オブ・ワンダーを捜して
kojima-dental-office.net/blog/20111208-1185#more-1185 続きを読む

赤ちゃんは世界をどう見ているのか

2008年08月11日(月)

山口真美著
平凡社新書
760円
2006年5月10日発行

 大人と赤ちゃんと決定的に違うところは、眼や耳という感覚器ではなく脳である。赤ちゃんの脳は、8ヶ月の間に劇的に発達する。見る能力は高度な脳の機能の発達と並行して進み、完成が早い。それに比べると言葉の発達は脳の完成のずっと後になる。 続きを読む

生物学的文明論

2012年01月15日(日)

本川達雄著
新潮新書
2011年6月20日発行
740円
 衝撃的な『ゾウの時間 ネズミの時間』から20年。再び、著者が現代社会の問題点を生物学者の視点から切り込む。生物多様性、地球温暖化、南北問題そして共生やリサイクルなどを考えるヒントもおもしろい。また、今まで見逃していた生物や自然の不思議さに気づかされる。そして、還暦を過ぎたこれからの生き方にも驚かされる。 続きを読む

世の中意外に科学的

2009年01月13日(火)

世の中意外に科学的櫻井よしこ著
集英社
2005年3月9日発行
1470円
 「読み書きそろばん」が日本の教育を世界最高水準に押し上げてきた要素だった。ゆとり教育がこれからの日本に何をもたらすのか。アメのみあふれている現代教育へのひとつの警鐘になる1冊である。科学のおもしろさ、楽しさ、科学への興味をしっかりと子どもたちに伝えてほしい。巻末のノーベル物理学者小柴昌俊氏との対談も見逃せない。
以下は真実を見る目をもつって、すばらしい」の要約である。 続きを読む

すべての疲労は脳が原因

2017年03月15日(水)

すべての疲労は脳が原因著者 梶本 修身
発行 集英社新書
本体価格 700円
発行 2016年4月20日
1.体の中で一番疲れやすいのは、「脳の自律神経の中枢」
 ヒトは、運動を始めると、数秒後には心拍数が上がり、呼吸が速く大きくなる。また、体温の上昇を抑えるために発汗する。それを1000分の1秒単位で制御しているのが「脳の自律神経の中枢(視床下部や前帯状回)」。運動が激しくなると、ここでの処理が増加する。その結果、脳の細胞で活性酸素が発生し、酸化ストレスの状態にさらされることでさびつき、本来の自律神経の機能が果たせなくなる。これが、「脳疲労」。その時に「体が疲れた」というシグナルを眼窩前頭野に送り「疲労感」として自覚する。
 疲労が起こるのは主に自律神経の中枢、その疲労を自覚するのは眼窩前頭野、それぞれ部位が異なる。脳の老化を防ぎ、高齢になっても認知機能を保っておくには、毎日の生活で脳疲労を溜めない工夫が必要である。 続きを読む

法律を知ると患者の権利がみえてきた

2004年08月06日(金)

法律家と開業医の新しい提言
著者
 伊藤 真  弁護士業務を休業、法学館館長
 川端 一永 ペインクリニック 川端クリニック院長
2003年10月1日発行
メディカ出版  1800円

 患者と医療従事者の対等な人間関係を考えさせる面白い本見つけました。憲法を通して、患者の権利やインフォームドコンセントの問題を考えてください。
以下、箇条書きにて、内容を紹介します。 続きを読む

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