儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇
2017年08月17日(木)
ケント・ギルバート著
講談社新書
2017年2月20日発行
840円
中国と韓国、そして北朝鮮の言動や行動に違和感を感じていたが、この本を読むと何となく腑に落ちるところも出てくる。ケント・ギルバート氏が指摘する考え方や捉え方の違いとその原因を理解し、儒教国家に対応する「作法」も学ばなければならない。
「儒教の呪い」に支配された国々からの言われなき誹謗中傷に臆することない。日本は世界に誇るべき歴史を持ち、そして、日本人は誰からも尊敬され、愛される国民性を持った民族である。
1.「儒教の呪い」とは何か
大半の日本人は、儒教に対して悪いイメージを持っていない。
ところが、儒教の中心となる「仁・義・礼・智・信」などの優れた部分が、中国人からは文化大革命後にすっかり抜け落ちてしまった。そして、「公」よりも「私」を重んじる方向へ向かう。「私」や「一族」の利益のためなら、法律を犯すこともよしとする風潮へと変化していった。国際法という公のルールをも守るよりも、「自国だけの利益」を、「自分とその一族だけ」を守ることの方が重要と考えるようになってしまった。
中国の役人には、「公」という意識はなく、もちろん国家のため、国民のために働くという意識は皆無。中国の人民が国家を信用していないから、公の心がなくなるのは当然のことかもしれない。この歪んだ儒教の伝統が、世界的に大迷惑な政治体制と、多くの現代中国人の傍若無人な国民性の基礎となってしまった。
儒教は「中華思想」とも密接につながっている。中華思想では、中国の皇帝が世界の中心であり、そこから離れた地域は未開の地、そして、そこに住む人々は禽獣にも等しいと考える。中心に近ければ先進的で優れており、遠ければ遠いほど未開で野蛮だと、何の根拠もなく無条件に決めつける。このような身勝手な妄想が中国共産党幹部の頭の中に残っている。
2.日本は儒教国家ではない
日本人には、もともと話し合いで物事を決める和の精神があり、儒教や仏教を受け入れる柔軟性があった。儒教の教えの良い部分だけを選んで、武士道に上手く採り入れた。江戸時代以降の武士道は、自らを律する道徳的規範として成立。庶民はそんな武士を尊敬し、やがて日本人全体の精神として生活の中に浸透した。日本人の中に、「自分よりも他人を優先させる」という精神として、「相手を慮る」「空気を読む」「寛容さを示す」といった美徳として残っている。日本以外の国で、高額の紙幣しかない時に、お客さんが店員さんに謝る習慣がある国を私は知らない。店員とお客が対等だという潜在意識も働いている。
3.儒教の死生観と日本の死生観
日本人の死生観に大きな影響を与えた仏教では、死後の世界は生前の世界から完全に解放されると解釈している。日本ではたとえ罪人であっても死んでしまえばその罪から解放されると考える。1953(昭和28)年8月3日、衆議院本会議で「戦争犯罪による受刑者の罷免に関する決議」が与野党全会一致で可決された。全ての戦犯に恩赦が認められ、全ての戦争犯罪が許された。
日本人の宗教観では、罪人や敵として戦った相手でも、死んでしまえば遺体は丁重に葬る。遺体への礼節を常に持っている。
しかし、中国人は「人間は精神と肉体から成り立ち、死とはこの二つが分離することである。死によって肉体から離れた魂は消えることなく、いずれ肉体と共存するようになれば再びよみがえることができる。」と考えている。中国人や韓国人は、もし魂が戻ってきても決して復活できないように、遺体をバラバラにしたりもする。儒教の教えに従えば、罪人は例え死んでも永遠に罪人であり、犯した罪を許すという概念すら存在しない。
アメリカ人は、たとえ戦の最中であっても、冷静でありさえすれば、敵兵の亡骸に敬意を表する。騎士道精神の名残、加えて、キリスト教の最も重要な教えは「汝の敵を愛せよ」。敵と味方を分け隔てなく祀ることなど、おそらく中国人や韓国人には、全く理解できないと思う。
4.中国人や韓国人は自らの非を認めない。
日本人同士の場合なら、謝ればお互い水に流すというケースでも、中韓の人間は、謝った方は自分から罪を認めた「罪人」であり、謝罪した相手を格下に半永久的に隷属すると認識する。だからこそ、彼らは容易に謝ったりしない半面、どのような手段を使ってでも相手を謝らせようとする。
5.韓国が中華思想を受け入れたわけ
日本やベトナムそしてモンゴルなどは中華思想に反発し、対等外交を求める傾向が強かった。
韓国人も上下の秩序を重んじる国民性を持っている。加えて朝鮮民族の先人は、中華思想を受け入れる道を選んだ。朝鮮民族は中国にすり寄ることで、他の周辺国に対して優位性を保とうとした。何の努力をしなくても、永遠にナンバー2のポジションを得られると考えた。朝鮮半島よりも距離が遠い日本は一段低い国と決めつけた。朝鮮戦争で大被害を受けた韓国は、中国に「謝罪と賠償」求めていない。韓国は日本には強く出るが、中国に対しては強くでられない。
韓国人は自分が努力してのし上がることよりも、ライバルの足を引っ張って上に行こうとする傾向が強い。韓国は国際社会では、貶める対象として、日本をターゲットにしている。その原点は、コンプレックスであり、嫉妬心であり、嘘に対する罪悪感のなさである。韓国では論文の捏造や盗用は日常茶飯事。
独立後、韓国の大統領11名中9名が不幸な末路を迎えている。残る2名は軍事クーデターで政権を追われている。韓国の裁判所や検察は、法律よりも国民の感情を重視して行動する。
6.日本のODAに感謝しない理由
中国は定期的に貢ぎ物を収めるのであれば、そのものを世界の中心である皇帝の臣下として認め、同時に、その地域の支配者としても認めてやるというシステム。
日本は、統治時代の朝鮮半島にインフラ整備として多額の投資を行った。現在の価値で総額60兆円を超えると言われている。1965年の日韓基本条約で、国際法上堂々と請求できる権利(資産)を全て放棄した。それだけでなく「独立祝い金」として韓国の当時の国家予算2年分以上の資金援助を行っている。この援助金の中から、韓国政府は、終戦までは日本国籍で戦後に韓国籍となった元帝国軍人や軍属、あるいは官吏などの未払い給与その他の個人補償分を支払う約束をした。しかし、当時の朴大統領は個人補償に充てられるべき金銭も経済基盤整備のために使用し、約束を反故にした。
7.贈賄とは
中国人にとって贈賄とは、いずれ収賄側に回るための初期投資。大和総研が発表したデータによると、2008年に中国全体で受け渡された賄賂の合計は116兆円近くにも上る。中国のGDP(国内総生産。あくまで公式発表)の30%を占める。1990年代中期以降に海外に逃亡した政権幹部の人数は、実に1万8千人。持ち出した金額は8千億元(約10兆3千億円)にも上る。1980年代に鄧小平の息子と娘だけで、10兆円もの不正蓄財を海外に持ち出したと報じられた。これこそが「チャイニーズドリーム」。
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