2024年歯科新点数検討会
2024年09月26日(木)
参加者は152名。
開催日時:2024年3月23日 (土)午後6:30~8:30
開催場所:地場産 本館第1研修室
■講 師 石川県保険医協会講師団
■テキスト 『歯科診療報酬 2024年改定の要点と解説』
主催 石川県保険医協会
TEL:076-222-5373
FAX:076-231-5156
Email:ishikawa-hok@doc-net.or.jp
参考に
2022年歯科新点数検討会
kojima-dental-office.net/20221020-6199#more-6199
2021年介護報酬改定のポイント
kojima-dental-office.net/20210521-5558
2018年歯科新点数検討会
kojima-dental-office.net/20180321-4111
2020年歯科診療報酬改定のまとめ 検討会は新型コロナウイルス感染症のため中止
kojima-dental-office.net/20200321-4824
最新情報
能登半島地震の一部負担免除が今年12月末までに延長
www.pref.ishikawa.lg.jp/iryou/tsuchi/documents/jimuren.pdf
1.日本歯科医学会のガイドライン「基本的な考え方」等について
www.jads.jp/basic/index_2024.html
①「歯科におけるオンライン診療に関する基本的な考え方」
②「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」
③「口腔機能低下症に関する基本的な考え方」
④「初期根面う蝕の管理に関する基本的な考え方」
⑤「歯科遠隔連携診療に関する基本的な考え方」
⑥「口腔バイオフィルム感染症に関する基本的な考え方」
日本補綴歯科学会発信の基本的な考え方等
保険診療におけるCAD/CAM 冠の診療指針2024(令和6年3月)
接着カンチレバー装置の基本的な考え方(令和6年3月)
2.令和6年度診療報酬改定について
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html
①省令・告示(それらに関連する通知・事務連絡を含む。)
・「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(通知)
令和6年3月27日
www.mhlw.go.jp/content/12404000/001237229.pdf
歯科は159~173/368ページ
・長期収載品の処方等又は調剤について(通知) 令和6年3月27日
www.mhlw.go.jp/content/12404000/001235901.pdf
「変更不可」欄に「(医療上必要)」を追加し、処方を行う保険医(以下「処
方医」という。)が、処方箋に記載した医薬品(長期収載品)について、医療上
の必要性があるため、後発医薬品に変更することに差し支えがあると判断した
場合に、「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」又は「×」を医薬品ごとに記載
し、かつ、「保険医署名」欄に署名又は記名・押印することとしたこと。
②通知
・歯科の診療録及び診療報酬明細書に使用できる略称について 令和6年3月27日
www.mhlw.go.jp/content/12404000/001235904.pdf
③事務連絡
・疑義解釈(その1)2024年3月28日
www.mhlw.go.jp/content/12404000/001237675.pdf
歯科は111~123ページ/139ページ
・疑義解釈(その2)2024年4月12日
www.mhlw.go.jp/content/12404000/001245041.pdf
歯科は13~16ページ/21ページ
・疑義解釈(その3)2024年4月26日
www.mhlw.go.jp/content/12404000/001250866.pdf
歯科は15~19ページ/20ページ
・令和6年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について
令和6年3月29日
www.mhlw.go.jp/content/12404000/001238848.pdf
歯科は8~16ページ/106ページ
施設基準は28ページ~
3.「令和6年度診療報酬改定における賃上げ」に係る特設ページを開設
(ベースアップ評価料等について)2024.4.16.
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
①令和6年6月診療分からの算定する場合は、
令和6年5月2日から6月3日までに届け出
(混雑が予想されるので、可能な限り令和6年5月17日(金)までに)
②入力用の専用Excelファイル(準備中、4/18以降にアップ予定)を使い、
地方厚生(支)局都道府県事務所専用メールアドレスに提出
改正の要点
A.診療報酬改定実施日が6月1日に後ろ倒し
介護報酬改定は4月1日施行だが、居宅療養管理指導は医療保険に合わせて6月1日施行
B.改定率
賃上げ対応分を除くと引き上げ分は、前回のプラス0.29%を下回る。基礎的技術料は抑えられている。
1.診療報酬 +0.88%
医科 +0.52%
歯科 +0.57%
調剤 +0.16%
別途
・初再診料(+0.28%程度)賃上げに資する措置分
40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・
薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者
・ベースアップ評価料(+0.61%)
看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種の
令和6年度にベア+2.5%、令和7年度にベア+2.0%を実施
C.歯科外来・在宅ベースアップ評価料
歯科医療とは無縁の摩訶不思議な評価料が導入された。本来、全従業員の給与は基本診療料の引き上げによって充てられるべきであり、煩雑な施設基準で縛るものではない。各医療機関の賃金を厚労省が把握され、不気味である。医療明細書にも明記され患者からのレーム対応にもあたらねばならない。
従業員の給料は、この評価料を前提に決めるのではなく、個々の歯科医院がそれぞれの考えで決める。その結果として、この制度の利点欠点を考慮した上で使えるようであれば使うというスタンスが望ましい。細かな規定はあるが、ベースアップが1.2%未満では届けできなく、1.2%以上で届け出ができる。3%上げても1.2%しか賄えない。
D.フッ化物洗口加算
今回の改定で、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所のエナメル質初期う蝕管理加算260点が削除された。名称変更となった小児口腔機能管理料の注3に規定する施設基準では、これまで包括されていたフッ化物歯面塗布処置(F局)や機械的歯面清掃(歯清)が独立し算定できるようになったが、フッ化物洗口加算のみが復活せず、闇に葬られた。さらに、施設基準の届け出のない診療所にも拡大する絶好のチャンスも失った。フッ化物洗口加算の対象者がう蝕多発傾向者のみに逆戻りし、う蝕予防効果の高い方法を保険診療から遠ざけることになった。
E.クラウン・ブリッジ維持管理料の範囲縮小
金パラの単冠が補管の対象外となり、チタン冠は残った。金パラからチタンへの誘導、患者さんを第1に考えるのではなく、経済を優先させた。将来の金パラ保険外しに道を付けた。
改定のポイント
A.療養担当規則
1.書面掲示する事項をウェブサイトに掲載しなければならなくなった
(経過措置 2025年5月31日)
・施設基準など地方厚生局にに届けた事項
・明細書の発行状況
・物品の販売等で患者から支払いを受けるもの
・金属床による総義歯に係わる費用
・う蝕指導管理に係わる費用
・金属歯冠修復指導管理に係わる費用
B.施設基準の取り扱いについて
a.新設された主な施設基準
*6月1日から算定する場合は、2024年5月2日から6月3日までに届け出
1.光学印象
・届出は、様式 50 の2
・デジタル印象採得装置は保険適用に係る通知で示される予定
流れは、薬事承認され、保険適用申請、保険適用となる
早ければ4月30日に公表される。
今のところ、薬事承認された物は医薬品医療機器総合機構
デジタル印象採得装置 「一般的名称」で検索をかけると分かる
www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiSearch/
保険適用となると、「令和6年度診療報酬改定について」
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html
下の方の【通知】の欄の(8)「医療機器の保険適用」の載る
現在は令和6年3月29日が最新のもの、今後、ここに毎月・月末最後の平日付けで新しいものが追加される。
2.歯科技工士連携加算1及び光学印象歯科技工士連携加算、歯科技工士連携加算2
・届出は、様式 50 の2の2
・1が対面での加算(50 点)、2が情報通信機器を用いた加算(70 点)
※光学印象歯科技工士連携加算は対面のみ
3.歯科外来・在宅ベースアップ評価料Ⅰ・Ⅱ
①ベースアップ評価料Ⅰ
・新規届出は様式 95
・「賃金改善計画書」も提出が必要
・「賃金改善実績報告書」も毎年8月に提出が必要
②ベースアップ評価料Ⅱ(ほとんどの歯科医院はこれはない)
・届出は、様式 96
・「賃金改善計画書」も提出が必要
・「賃金改善実績報告書」も毎年8月に提出が必要
・毎年3,6,9,12月に算出し、区分変更があった場合は届け出を行う
b.経過措置2025年5月31日が設けられた施設基準
*新たに届け出る場合は
6月1日から算定する場合は、2024年5月2日から6月3日までに届け出
*2025 年 6 月以降に当該点数を引き続き算定する場合には再度の届出が必要
1. 歯科外来診療医療安全対策加算1・2
・外来環の廃止に伴い新設
・加算1(診療所)の届出は様式4
2.歯科外来診療感染対策加算1・2・3・4
・外来環の廃止に伴い新設
・加算1・2(診療所)の届出は様式4
3.小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算
・か強診の廃止に伴い新設
・届出は様式 17 の2
c.要件が変更された施設基準
*既に届け出ている場合、再度の届出は不要
1.在宅療養支援歯科診療所(歯援診)1・2
① 歯援診1
・過去1年間の算定実績 各区分の算定回数を合計して差し支えない
歯科訪問診療料1・2を合計18回→1・2・3を合計18回
② 歯援診2
・過去1年間の、他の医療機関・薬局等からの依頼による歯科訪問診療料
の算定回数実績が「5回以上」から「3回以上」に緩和
2.外来後発医薬品使用体制加算
・医薬品供給不足に関する対応整備等が施設基準に追加
3.一般名処方加算
・医薬品の供給体制をふまえて一般名処方の趣旨を患者に説明すること等
・長期収載品に係る取り扱いも踏まえて院内掲示
d.名称変更され、院内掲示の修正が必要な施設基準
1.医療情報取得加算
・「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」から名称が変更
C.歯科診療報酬点数表
第1章 基本診療料
第1部 初・再診料
1.歯科診療特別対応加算が再編
歯科診療特別対応加算 175点→
①歯科診療特別対応加算1 175点
・対象患者の注6の「著しく歯科診療が困難な者」に医療的ケア児等を追加
ホ 人工呼吸器を使用している状態
又は気管切開等を行っており歯科治療に際して管理が必要な状態
・強度行動障害の患者等を追加
ヘ 強度行動障害の状態であって、日常生活に支障を来すような症状・行動
が頻繁に見られ、歯科治療に協力が得られない状態
・算定した日の患者の状態を診療録にイ~ヘを記載
・標準予防策に加え、感染経路別感染対策が必要な感染症患者 病名をカルテ記載
空気感染対策、飛沫感染対策、接触感染対策
②歯科診療特別対応加算2 250点
・従来の初診時歯科診療導入加算が加算2に再編され、再診時も算定可になった
歯科治療環境に円滑に適応できるような技法の名称をカルテ記載
・新興感染症患者への歯科治療に個室若しくは陰圧室が必要 病名をカルテ記載
③歯科診療特別対応加算3 500点
・新型インフルエンザ等感染症等の患者 病名をカルテ記載
同条第8項に規定する指定感染症又は同条第9項に規定する新感染症
*診療時間が1時間を超えた場合は、30分又はその端数を増すごとに、100点を更に所定点数に加算する。
2.外来環から歯科外来診療医療安全対策加算+歯科外来診療感染対策加算に変更
①歯科外来診療環境体制加算1 初診時23点、再診時3点 →
・歯科外来診療医療安全対策加算1 初診時12点 再診時2点
・歯科外来診療感染対策加算1 初診時12点 再診時2点
若しくは歯科外来診療感染対策加算2 初診時14点 再診時4点
② 【施設基準】
・外安全 医療安全管理者の配置
歯科ヒヤリ・ハット事例珠洲等事業の登録または
医療事故、インシデントの改善策を実施する体制
院内掲示及びウェブ掲載
・外感染1 院内感染管理者の配置
・外感染2 ゾーニングができるなど新型インフルエンザ等感染症等に対応可能
③【経過措置】
・外来環の届出をしている場合は2025年5月末まで該当するとみなす
第2章 特掲診療料
第1部 医学管理等
1.歯科疾患管理料
①かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の廃止
→口腔管理体制強化加算(口管強)施設基準届け出へ改変
【口腔管理体制強化加算の施設基準】
・研修要件の追加 常勤歯科医師の研修内容に
「小児の心身の特性」、エナメル質初期う蝕管理、根面う蝕管理
・診療体制の変更 補管の届け出を除外し、在宅専門ではないことの届け出追加
・算定実績の追加
口腔機能管理に関連する項目
小児口腔機能管理料、口腔機能管理料、歯科口腔リハビリテーション3
実地指の口腔機能指導加算を併せて過去1年間に12回以上算定
継続管理
エナメル質初期う蝕管理料または根面う蝕管理料を併せて
過去1年間に12回以上算定
・算定実績の緩和
訪問診療料の実績が無くても在宅歯科医療の連携体制の確保があれば可
②総合医療管理加算
・対象患者に認知症の患者や新興感染症等が追加された
2.小児口腔機能管理料 100→60点
①小機能の計画に基づく口腔機能の管理と、療養上必要な指導及び訓練に分けられた
②指導及び訓練は、歯科口腔リハビリテーション3(50点、月2回)を算定
③歯科衛生士が指導する場合は、実地指の口腔機能指導加算(10点)を算定
*歯リハ3との指導・訓練内容と重複する日は算定不可
異なる内容の時は疑義解釈待ち
④口腔管理体制強化加算 50点
*【経過措置】2025年5月末までに要件を満たし再提出が必要
3.口腔機能管理料 100→60点
小機能と同じ
①口機能の計画に基づく口腔機能の管理と、療養上必要な指導及び訓練に分けられた
②指導及び訓練は、歯科口腔リハビリテーション3(50点、月2回)を算定
③歯科衛生士が指導する場合は、実地指の口腔機能指導加算(10点)を算定
*歯リハ3との指導・訓練内容と重複する日は算定不可
異なる内容の時は疑義解釈待ち
④口腔管理体制強化加算 50点
*【経過措置】2025年5月末までに要件を満たし再提出が必要
⑤歯の喪失や加齢等により口腔機能の低下を来している患者であれば、
口腔細菌定量検査2(65点)、咀嚼能力検査1(140点)、咬合圧検査1(130点)
が3月に1回に限り算定できる。
4.根面う蝕管理料 30点 (新設)
①初期の根面う蝕とは、露出した歯の根面に生じた、変色を認めるがう窩はなく(う窩はあってもごく小さい)、表面が硬く、滑沢で光沢がある初期のう蝕であることが明記された
②対象患者は、65歳以上の歯管を算定した患者、歯科訪問診療料を算定した患者
*独立した管理料だけど歯管は必要。
加算点数ではないので、歯管と同日でなくても可
③説明した内容の要点をカルテに記載
④口腔管理体制強化加算 48点
⑤算定した日に歯清(2ヶ月に1回)、F局(3ヶ月に1回)が算定できる
口管強の届け出医療機関は、多剤服用患者や唾液分泌量の低下が認められる患者に歯清を毎月算定できるが、F局は3ヶ月に1回のまま
⑥「初期の根面う蝕の管理に関する基本的な考え方 2024年3月 日本歯科医学会」を参考とする
5.エナメル質初期う蝕管理料 30点 (新設)
①エナメル質初期う蝕とは、エナメル質に限局した表面が粗造な白濁等の脱灰病変であることが明記された
②歯管を算定した患者
*独立した管理料だけど歯管は必要。
加算点数ではないので、歯管と同日でなくても可
③説明した内容の要点をカルテに記載
④口腔管理体制強化加算 48点
⑤算定した日に歯清(2ヶ月に1回)、F局(3ヶ月に1回)が算定できる
口管強の届け出医療機関は、歯清もF局も毎月算定できる
*ここが根Cと大きく違う
6.歯科衛生実地指導料
①指導内容の情報提供を行う場合に「指導による改善が認められないとき」が追加
②情報提供を行う間隔が「3ヶ月に1回」から「6ヶ月に1回」に変更
③ 口腔機能指導加算10点
・対象患者 口腔機能の発達不全を有する患者又は口腔機能の低下を認める患者
*小機能や口機能管理料を算定しなくても、病名があれば算定できる
チェックリストの3項目以下でも歯管対象であれば可
・衛生士への指示内容の要点をカルテに記載、提供文書に指導内容を追記
・指導内容が歯リハ3と重複する日は算定不可
異なる内容の時は疑義解釈待ち
7.診療情報提供料(Ⅰ) 250点
①情報提供先に学校歯科医などが追加
・診療状況示す文書を添えて、学校生活等を送るにあたり必要な情報を提供
・対象患者
小児慢性特定疾患(がん、慢性呼吸器疾患など)
医療的ケア児(恒常的に医療行為を受けることが不可欠な児童)
・主治医と学校歯科医などが同一の場合は算定できない
8.診療情報等連携共有料 3月に1回に限り算定
①双方向になる
・診療情報等連携共有料2 120点 (新設)
・医科からの診療情報を求められた場合の返書(文書に限る)が算定可になった
②情報提供を求める際、文書だけではなく、電話、FAX、電子メールも可になった
・文書以外の場合は、検査の結果や投薬等の求める内容をカルテに記載
③保険薬局への照会時にも算定可能
9.新製有床義歯管理料(義管)
①再算定間隔の短縮
・義管の算定月から起算して1年超から6ヶ月超に短縮
10.周術期等口腔機能管理料
①がんに係わる手術(周ⅠとⅡ)
・対象患者が歯科疾患にかかる手術の場合は3日以上の入院患者に限定された
②放射線治療、化学療法、緩和ケア
・入院外のⅢと入院中Ⅳに分けられた
・周Ⅳの新設
集中治療室で治療の場合
③回復期等口腔機能管理料の新設
・対象患者 医科点数表でいずれかの算定患者
療養病棟入院基本料、回復期リハビリテーション病棟入院料
地域包括ケア病棟入院料
④回復期等専門的口腔衛生処置の新設
⑤がん末期の訪衛指、術口衛の回数制限緩和
・月4回から8回までに
*在宅の介護保険は6回まで
第2部 在宅医療
1.歯科訪問診療料
①歯科訪問診療料1の時間制限撤廃
・20分未満の点数が廃止され、1100点が算定できるようになる
・20分未満でも、歯科訪問診療移行加算や在宅歯科医療推進加算が算定可能
②かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所
→口腔管理体制強化加算の施設基準
③歯科訪問診療料が人数に応じて3区分から5区分に細分化
・歯科訪問診療2 361→410点 同一日に3人以下の患者
・歯科訪問診療3 185→310点 4人以上9人以下
・歯科訪問診療4 160点 (新設) 10人以上19人以下
・歯科訪問診療5 95点 (新設) 20人以上
④ 緊急歯科訪問診療加算
・歯科訪問診療2を算定する場合 140→159点
・歯科訪問診療3を算定する場合 70→120点
・歯科訪問診療4を算定する場合 60点 (新設)
・歯科訪問診療5を算定する場合 36点 (新設)
2.訪問歯科衛生指導料
①介護保険の居宅療養管理指導費の単位数と同じになった
・単一建物診療患者が1人の場合 360→362点
・単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合 328→326点
・単一建物診療患者が10人以上の場合 300→295点
②終末期の悪性腫瘍などで緩和ケアを受けている患者の場合は月8回になった
・介護保険の居宅療養管理指導費は月6回
③複数名訪問歯科衛生指導加算150点(新設)
・対象患者が決められている
・必要性は前回の訪問時の状況から判断(初回は算定できない)
・歯科訪問診療料と同日には算定できない
・施設はの場合は算定できない
・必要とする理由や患者の状態の要点をカルテ記載
3.歯科疾患在宅療養管理料
①在宅歯科医療連携加算1 100点
・退院した保険医療機関の歯科医師から情報提供を受ける
・管理計画を作成または変更時に1回に限り算定
②在宅歯科医療連携加算2 100点
・歯科医師以外の関係職種から情報提供を受ける
・対象患者
保険医療機関を退院した
介護保険施設などに入所している
訪問介護・訪問看護などを利用している
4.在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料
①栄養サポートチーム等連携加算80点が削除され、新設・増点
・在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料1 100点 月1回 入院
・在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料2 100点 月1回 介護系施設
②対象が増えた
・在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料3 100点 月1回
障害児入所施設等に入所している患者
施設で行われる食事観察等に参加し、
その結果を踏まえて口腔機能評価に基づく管理を行った場合
小児在宅者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定している
参加した日から2ヶ月以内に算定
③食事観察、会議等の開催日、時間、内容の要点をカルテに記載
5.介護保険
①居宅療養管理指導費
・歯科医師が行う場合 <現行> <改定後>
単一建物居住者が1人 516単位 517単位
単一建物居住者が2~9人 486単位 487単位
単一建物居住者が10人以上 440単位 441単位
・歯科衛生士が行う場合 <現行> <改定後>
単一建物居住者が1人 361単位 362単位
単一建物居住者が2~9人 325単位 326単位
単一建物居住者が10人以上 294単位 295単位
*終末期のがん患者に対して歯科衛生士が行う場合は月6回になった
医療保険の訪問歯科衛生指導料は8回
②高齢者虐待防止に向けた取組強化、業務継続計画策定義務化3年間延長
・利用者負担または他の利用者などの生命または身体を保護するため
緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束などを行わない
・その際の様態及び時間、ならびにやむを得ない理由を記録する
居宅療養管理指導・介護予防居宅療養管理指導運営規程
kojima-dental-office.net/news/2021/05/13/4203
業務継続計画
kojima-dental-office.net/20210420-5687#more-5687
ハラスメント防止対策に関する基本方針
kojima-dental-office.net/20210420-5680
③歯科関連介護サービス(歯科医院以外が算定するもの)
・通院時情報連携加算 50単位/月 ケアマネジャーが算定 4月から
利用者が歯科医師の診察を受ける際に同席した場合
必要な情報交換しケアプランに記載
対象は在宅患者など
訪問診療の場合は算定できない
・口腔連携強化加算 50単位 別紙様式6-口腔連携強化加算(在宅)
訪問系サービス及び短期入所系サービスが1月に1回に限り算定
事業所の従業者が、歯科医療機関及び介護支援専門員に対し、
口腔の健康状態の評価の結果を情報提供した場合
歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関と
相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること
実施時期
4月:訪問介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護、
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
6月:訪問看護、訪問リハ
・介護保険施設における口腔衛生管理の強化
基本サービスとして
定期的な口腔衛生状態・口腔機能評価の実施が義務づけられた
介護職員に対する口腔衛生の管理に係る技術的助言及び指導を
歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が年2回以上行うこと
第3部 検査
第1節 検査料
1.口腔細菌定量検査
2つの区分された
①口腔細菌定量検査1 130点 (新設)
・口腔バイオフィルム感染症の診断が目的
・対象患者の追加
人工呼吸器を使用している状態
気管支切開などを行っていて歯科治療に際し管理が必要な状態
・「口腔バイオフィルム感染症に関する基本的な考え方2024年3月 日本歯科医学会」を参考とする
②口腔細菌定量検査2 65点 (新設)
・何故かこれだけ半額
・口腔機能低下症の診断が目的
・「口腔機能低下症に関する基本的な考え方2024年3月 日本歯科医学会」を参考とする
2.咀嚼能力検査 (1回につき)
2つに分かれた
①咀嚼能力検査1 140点 (新設)
・対象患者は、歯の喪失や加齢等により口腔機能の低下を来している患者
・6月に1回→3月に1回に限り算定に変更
②咀嚼能力検査2 140点 (新設)
・対象患者は、顎変形症に係る手術を実施する患者
・目的は、咀嚼機能の管理
・手術前は1回に限り、手術後は6月に1回に限り算定
3.咬合圧検査(1回につき)
2つに分かれた
①咬合圧検査1 130点 (新設)
・対象患者は、歯の喪失や加齢等により口腔機能の低下を来している患者
・6月に1回→3月に1回に限り算定に変更
②咬合圧検査2 130点 (新設)
・対象患者は、顎変形症に係る手術を実施する患者
・目的は、咬合圧の管理
・手術前は1回に限り、手術後は6月に1回に限り算定
4.舌圧検査
①口腔機能低下症
・口腔機能の低下が疑われる患者に対し、口腔機能低下症の診断を目的として実施
・舌接触補助床の対象患者に、舌圧検査によって診断された口腔機能低下症を追加
②口腔機能発達不全症
・疑われる患者に診断を目的として算定できる
第5部 投薬
第2節 処方料
1.外来後発医薬品使用体制加算
①施設基準
・医薬品の供給が不足した場合に適切な対応ができる体制が整備されている
・院内掲示が必要
第5節 処方箋料
2.ジェネリックと先発品との差額徴収
・2024年10月から長期収載品が、一定条件に当てはまる場合は選定療養の対象
・価格差の4分の1を患者負担
・「後発品への変更不可」とした場合は選定療養にならない
第7部 リハビリテーション
第1節 リハビリテーション料
1.歯科口腔リハビリテーション料3(1口腔につき)
①口腔機能の発達不全を有する18歳未満の患者の場合 50点 月2回
・小児口腔機能管理料または歯科疾患在宅療養管理料を算定する患者
・口腔機能の獲得を目的として、
管理計画に基づき療養上必要な指導及び訓練を行った場合
②口腔機能の低下を来している患者の場合 50点 月2回
・口腔機能管理料または歯科疾患在宅療養管理料を算定する患者
・口腔機能の回復又は維持を目的として、
管理計画に基づき療養上必要な指導及び訓練を行った場合
第8部 処置
1.処置の部に薬剤料の節が新設
①生活歯髄切断と抜髄を行う際に使用した麻酔の薬剤料が算定できるようになった
2.加圧根充Ni-Tiロータリーファイル加算150点の要件緩和
・歯科用3次元エックス線断層撮影装置を用いて根管治療を行った場合
・必須だった手術用顕微鏡が不要になった
・施設基準が外れ、届け出も不要
・他院で撮影した歯CTの画像診断結果を用いた場合も算定できる
他院に対価を支払い、歯CTも算定できる
3.同一初診内の再度のシーラント
・歯管または特疾管を算定している患者
・6月を経過した日以降に咬耗や歯ぎしり等で再度必要になった場合に算定できる
4.糖尿病患者に対するSPTに歯周病ハイリスク患者加算80点の新設
・医科の主治医からの文書提供が必要
・糖尿病患者に歯周病の診断と治療のための歯科受診を流す要件が医科に追加された
・SPTが毎月算定できる
5.P重防への移行
・口管強の届け出医療機関は、SPT後の歯周検査の結果(4mm未満に改善)により、P重防を開始する場合はSPT実施月の翌月からでもP重防を毎月算定できるようになった。
*ご注意 ポケットの深さだけではなくアタッチメントロスを考慮する
6.歯周病処置
・「歯周ポケット内に特定薬剤を注入する場合」から「使用する場合」に変更
テトラサイクリン・プレステロン歯科用軟膏やヒノポロン口腔用軟膏など使用可能
7.口腔内装置の適応拡大
・外傷歯の保護を目的とした口腔内装置が追加された
・受傷から1年以内であり、暫間固定を行った18歳未満の患者
・受傷日を記載。
他院で処置が行われた場合は、その時の状況を聞き取り、カルテに記載する
・印象採得42点、口腔内装置2 800点、装着料30点を算定
8.舌接触補助床
・舌接触補助床の対象に「口腔機能低下症の患者」が追加
・対象疾患による「発音・構音障害を有するもの」が追加
9.口腔バイオフィルム除去処置110点月2回の新設と口菌検後のSC廃止
・口腔バイオフィルム感染症と診断された患者に対して口腔バイオフィルム除去処置
・口腔バイオフィルム感染症と診断された患者であれば無歯顎者であっても算定できる
・口菌検の結果に基づくスケーリングができなくなった
第12部 歯冠修復及び欠損補綴
1.クラウン・ブリッジ維持管理料の範囲縮小
・3/4冠、4/5冠、FMC、前装MCの単冠が補管の対象外となった
・全てのブリッジ、非金属冠、チタン冠、前装チタン冠、CAD/CAM冠は対象
*金パラからチタンへの誘導、患者さんを第1に考えるのではなく、経済を優先させた。
2.ブリッジ支台の5番に前装MCが適応拡大
・レジン前装金属冠の臼歯部の歯冠形成加算が、
生PZは490→340点、失PZは470→300点に引き下げられた
3.CAD/CAM冠用材料(Ⅲ)の適応拡大
①CAD/CAM冠・インレーが6番のみだったが、7番にも適用になった。
【対象となる条件】対側に大臼歯の咬合支持がある
かつ、どちらか
・装着部位と同側に大臼歯の咬合支持
・装着部位と同側に小臼歯まで咬合支持あり、対合歯67に部分床義歯
*咬合支持は固定性ブリッジ、乳歯(永久歯代行)も可
②エンドクラウン1,450点 (新設)
・歯CADⅢの場合は大臼歯に適応となった
・支台築造及び支台築造印象は、所定点数に含まれ別に算定できない
・参考に ショルダークラウンとエンドクラウン
大臼歯・小臼歯用の CEREC ショルダークラウンとエンドクラウン全体の推定生存率は12年後で94.9%、大臼歯用エンドクラウンでは90.45%、小臼歯用エンドクラウンでは75%。大臼歯に比べ小臼歯は高リスク。
www.zahnarztpraxis-aarau.ch/wp-content/uploads/2017/06/zahnarztpraxis-aarau-quintessenz-japan.pdf
③上顎分割抜歯後
・3根のうち2根を残した場合は歯CADⅢに限り大臼歯として算定
・下顎大臼歯は適応されない
4.インレー(金属)除去
・う蝕歯インレー修復に伴うインレー(金属)除去に限って
「簡単なもの」20点で算定できるようになる
5.CAD/CAMインレーに対する形成加算新設と光学印象の導入
①CAD/CAMインレーのための窩洞形成は、(1歯につき) 120点+150点
②光学印象(1歯につき) 100点 (新設)
・施設基準
・CAD/CAMインレーを製作する場合にデジタル印象採得装置を用いる
・印象採得及び咬合採得に代えて算定
・光学印象技工士連携加算50点 施設加算
同日に2歯あっても1回限り
6.小児保隙装置が6番に適応拡大
・装着部位がD、Eだけではなく6番に装着した場合でも算定できる
7.接着ブリッジの延長ブリッジへの適応
・上下2番と下顎1番の1歯欠損の場合
・支台歯1歯(生活歯に限る)のみの延長ブリッジが適応
8.下顎大臼歯の歯根分割掻爬後の歯冠修復にチタン冠を適応
9.高強度硬質レジンブリッジの歯根分割歯への適応
・歯科用金属アレルギーの患者
・高強度硬質レジンブリッジ(1装置につき) 2,600→2,800点
10.歯科技工士連携加算 施設基準
・対面の場合は歯科技工士連携加算150点
歯科医師が歯科技工士とともに対面で色調採得及び口腔内の確認等
・ICTを用いた場合は歯科技工士連携加算270点
歯科医師が歯科技工士とともにICTを用いて色調採得及び口腔内の確認等
・制作物に1回に限る 印象、BT、仮床試適
【対象補綴物】
・前歯部の前装MC・前装チタン冠・歯CAD
・前歯部の前装MCが支台歯のブリッジ
・6歯以上のブリッジ
・9歯以上のPDまたはFD
11.フレンジテクニック
・下顎総義歯の試適の際に272点を算定
12.有床義歯修理
・鉤の切断または除去後義歯を再利用できる場合は、有床義歯修理の算定だったが、
除去「簡単なもの」20点を算定することになった
第13部 歯科矯正
1.歯科矯正相談料 (新設)420 点
歯科矯正相談料1 420 点 年度に1回
・歯科矯正診断料または顎口腔機能診断料の届け出を行っている医療機関
歯科矯正相談料2 420 点 年度に1回
・歯科矯正診断料または顎口腔機能診断料の届け出を行っていない医療機関
①学校歯科健診等で咬合異常や顎変形症の疑いがあると判断された患者に対し、
歯科矯正の可否を判断するために必要な検査を行い、
診断結果等を文書提供した場合に算定する
②健康診断の実施日、結果、学校名、診断結果の要点をカルテ記載
第15部 その他 (新設)
第2節 ベースアップ評価料
1.歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(1日につき)
初診時 10点
再診時等 2点
歯科訪問診療時
イ 同一建物居住者以外の場合 41点
ロ 同一建物居住者の場合 10点
①賃金改善を対象職員の給与総額×1.2%(2年間で2.4%)しなければならない
②歯科外来・在宅ベースアップ評価料による見込額を賃金改善以外に使ってはいけない。
③診療明細書のその他に「歯科外来・在宅ベースアップ評価料」として明記される
【施設基準】
a.「賃金改善計画書」を新規届け出時と毎年6月に地方厚生局に届け出る
b.「賃金改善実績報告書」を毎年8月に地方厚生局に報告する
c.全対象職員の2年間のベースアップは、評価料ⅠおよびⅡの見込額を越えること
・1.2%のベースアップに必要となる額(対象職員の給与総額×0.012)が、
評価料Ⅰの算定見込み額より多い場合は、評価料Ⅰのみとなり、
評価料Ⅰの算定見込み額より少ない場合は、評価料IIも算定する。
・ベースアップ評価料計算支援ツールを用いて3ステップで計算する
view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Fcontent%2F12404000%2F001211656.xlsx&wdOrigin=BROWSELINK
【注意すべきこと】
a.対象職員とは、勤務する歯科衛生士、歯科技工士その他の医療関係職種
受付のみの事務職員は含まない
b.評価料の対象は、ベア及びそれに伴う賞与、時間外手当、
福利厚生費(事業主負担分を含む)。
・定期昇給は除く
・業務に連動するものは含まれない
c.対象職員に対して、「賃金改善計画書」の内容を周知すること。
また、照会を受けた場合には分かりやすく回答すること。
d.患者数の変動により評価料による収入が増加した場合、
賞与による改善または翌年度の賃金改善による繰り越しも可
e.歯科外来・在宅ベースアップ評価料IIの施設基準
・常勤換算2人以上の対象職員が勤務していること。
・社会保険診療等に係る収入金額の合計額が、総収入の80%を超えること。
参考に
1.賃上げ等に関する診療報酬改定に関するオンラインセミナー
(厚労省 令和6年2月15日)
www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00248.html
2..厚労省の解説動画 令和6年度診療報酬改定の概要 歯科 令和6年3月5日
www.youtube.com/watch?v=xNAHp3iYuv0&list=PLMG33RKISnWhCI3jkGORR92NJw8fQDYJy&index=22
3.令和6年度診療報酬改定の概要 歯科解説資料
www.mhlw.go.jp/content/12400000/001224810.pdf
4.令和6年度診療報酬改定説明資料等について
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00012.html
5.令和6年度診療報酬改定について
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html
6.歯科診療報酬点数表 告示の新旧対照表
(総-2別紙1-2)
www.mhlw.go.jp/content/12404000/001209397.pdf
第584回中央社会保険医療協議会 総会(令和6年2月14日)
www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00247.html
7.算定要件、施設基準の改定内容
(総 - 5)個別改定項目(その1)について
www.mhlw.go.jp/content/12404000/001197890.pdf
第581回中央社会保険医療協議会 総会 令和6年1月26日
www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00243.html
2024年歯科新点数検討会
参加者は152名。
開催日時:2024年3月23日 (土)午後6:30~8:30
開催場所:地場産 本館第1研修室
■講 師 石川県保険医協会講師団
■テキスト 『歯科診療報酬 2024年改定の要点と解説』
主催 石川県保険医協会
TEL:076-222-5373
FAX:076-231-5156
Email:ishikawa-hok@doc-net.or.jp
- カテゴリー: 保険診療