小島歯科医院 名誉院長ブログ

歯周治療の基本

歯周病に対する当院の考え方

2008年07月28日(月)

無題 歯周炎の原因は一定量以上の細菌繁殖(バイオフィルム)です。しかし現時点で、歯周疾患の鑑別診断や進行の予見に耐えうる細菌検査は確立されていません。また、たとえ原因菌がわかったとしてもそれに対する適切な治療法も確立されていません。それゆえ細菌と宿主の免疫応答のバランスの崩れを原因と考え、診断は歯肉炎であり、出血しなくなったとき治癒とします。プラ-クコントロ-ルするかどうかは患者自身の選択であり、当院ではハブラシを持ってくるかどうかで判断しています。 続きを読む

どうして歯周病になるのか

2009年02月11日(水)

歯牙組織016 歯肉表層には、角化層があり、どんなに細菌が繁殖しても傷がない限り絶対に侵入することはない。だから歯ブラシなどで傷を付けないように注意する必要がある。 これに対して歯に接している歯肉(上皮付着)部には、角化層がなく、生きた細胞が並んでいる。一般的には、細胞と細胞は、お互いのデスモゾームと言われる吸盤のようなもので接着している。しかし、この部位では、エナメル質は死んだ細胞だからデスモゾームはなく、この生きた細胞のデスモゾームで吸着した状態になっている。つまり、ガラス板に吸盤を半接着した状態であり、ここに出入り口があるため、傷を付けなくても血が出たり、細菌の出すアミノ酸も歯肉内に入ってくる。 歯周病は細菌の出すアミノ酸の歯肉内への侵入から始まる。

 

 

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プロービングはなぜ必要なのでしょうか

2010年08月12日(木)

プロービング プロービングは、歯と歯肉の境目の隙間に探針(プローブ)を挿入して、歯周炎の進行度合い(臨床的な歯周ポケットの深さや歯周組織の抵抗力)を調べる重要な検査です。プロービング・デプスは、解剖学的な歯周ポケットの深さと区別し、治療方針や予後の予想に役立ち、良くなっているか悪くなってきたかの目安になります。また、年齢も考慮しなければなりません。 続きを読む

歯周病チェックシート

2008年08月21日(木)

□ 前より歯が長くなった気がする
□ 歯ぐきがプヨプヨして、しまりが悪い
□ 食後のつまようじが気持ちよくなってきた
□ 堅せんべいを、思い切り噛み砕く勇気はない
□ 歯磨きをしてゆすいだら、血が混じっていた。
□ 年のせいか、口が臭ってきたような気がする
□ 最後に歯医者さんへ行った日を思い出せない
□ 歯ぐきの色が、妙に赤っぽかったり、紫がかっている
□ 口を開けて寝ていることがある
□ ぐらぐらする歯がある 続きを読む

歯周炎による上顎前歯の唇側傾斜

1989年06月03日(土)

62.8.27.A 62.8.27.B

 唇側に比べて口蓋側のprobing depthが著しく深い場合には、フラップ手術と咬合調整などにより速やかに改善することが望ましい。時を経ると、一定の状態を保とうとする「ホメオステータス」が働く。唇側と口蓋側のprobing depthを近づけようとするため、口蓋側を挺出させ、唇側へ傾斜する。 続きを読む

定期検診の大切さ

1990年11月15日(木)

61.6.4.A 61.6.4.D 61.6.4.E

 痛みなどの主訴がある時には、患者さんは病状とその原因に気づき、治療計画に基づいて来院を続ける。そして、満足した状態になる。その後、多くの病態をかかえた方や具合の悪い時にだけ歯科医院に通っている人にとっては、プラークコントロールや定期検診を続けることは難しい。しかし、なぜそのような口の状態になったかを理解していないと、再び同じ状態になってしまう。定期的に来院することによって、小さな問題点の発見やその解決ができ、重症になることを未然に防ぐことができる。 続きを読む

患者さんの世界に立つヘルスカウンセリング

1995年06月28日(水)

H14.5.20.A 口の中や歯肉の変化に関心を持ち、患者さん本人によるプラークコントロールの大切さを理解できるまで待つ。いつか分かってくれるだろう。患者さんの健康観も変わるだろう。それまでは、月1回のプロフェッショナルケアによって補っていきたい。そして、赤染めによるプラークの確認を繰り返し、それにハブラシが当たる感覚を身につけられるようにヘルスカウンセリングを根気よく続けていく。また、間食や飲み物の糖分摂取の在り方や食生活の改善を患者の世界に立ち考える。食姿勢の見直しやよく噛んで食べる習慣もうながしていく。
 ヘルスカウンセリング
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