訪問診療について
2009年01月18日(日)
昭和大学歯学部向井美恵教授の調査によると、2003年に食べ物などを喉に詰まらせて亡くなった人の数は8、570人であり、65才以上の高齢者の占める割合は、84.1%と高く(この中で80才以上の割合が53.6%)、また朝食の一口目が多いです。 続きを読む
2018年10月28日(日)
25日(木)午後、保険医協会歯科理事4人で公立能登総合病院歯科口腔外科を訪問。診療部長の長谷先生に歯科衛生士と言語聴覚士による患者さんの事前評価と今回の目的を解説してもらい、2人の病室へ向かう。それぞれの担当看護師、管理栄養士を加えた5職種による摂食嚥下機能評価とVEの実際を見学した。病態から予想されることを頭に描きながら検査を進める。食形態やトロミ調整と姿勢や頸部回旋などによる嚥下機能の変化を確認する。煎餅やトロミ無しのお茶が飲めるのに、粥やペースト食を食べたがらない患者を嗜好との関連も考慮した上でつぶさに評価し、プロセスリードを用いて咀嚼や舌による押しつぶし機能を判断していた。現場からの要望に対しても即座に対応していた。トラブルのため服薬中止となった錠剤の飲み込みをVEで観察し、服薬ゼリーを提案していた。チームで考えられる問題点や対応策が導き出され、長谷先生が摂食嚥下担当医として報告書を作成していた。 続きを読む
2009年10月08日(木)
津幡保健所保健師より引きこもりの方を訪問診療して欲しいとの依頼がある。対人恐怖症のため約10年引きこもりが続いている。時々歯肉が腫れ抗生剤を内服している。数人の歯科医にお願いしたが、誰一人家の中に入れてもらえなかった。ただ心療内科の先生が一人訪問したことがあり、投薬を受けていることが分かった。早速その先生と連絡を取り、電話にて声を覚えてもらうことと仰向けの姿勢にさせないことや後ろに立たないこと、目を合わさないことが大切とのアドバイスを受ける。まず、電話をかけて患者本人から口の中の様子などを数回に分けて聞く。声だけでは恐怖心は起きないようである。 続きを読む
2013年07月20日(土)
これまで歯科医療は無歯顎の模型から若い人でも、左側麻痺の人でも同じ総義歯を作ってきた。義歯を作るだけで、食べるところまで診て帰える生活支援の歯科医療をしてこなかった。目に見える範囲の対応だけで、もっと深い人間性に触れてこなかった。 続きを読む
2008年09月07日(日)
9月7日(日)午前10時に食べにくくなってきたALS患者宅をケアマネージャー同席のもとにリハビリテーション科医師、歯科医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士の5人が訪問しました。それぞれが、担当分野について現時点での評価をしました。 続きを読む
2012年10月31日(水)
昨年8月から口腔ケアを続けている、特別養護老人ホームに入居されている91才の女性が、2、3か月毎に左頬部から頸部までの腫脹と熱発を繰り返していました。その度に抗生剤の投与していました。通院していた平成20年に撮影したパノラマX線写真にて左下8番の水平埋伏を確認し、原因歯と診断しました。認知症が進んでいるため、家族や施設の方、県立中央病院口腔外科とも相談し、入院前に1度外来を受診しました。 続きを読む
2013年02月02日(土)
1月28日内灘温泉保養館事務より歯が痛い入居者がいるので診て欲しいとの連絡が入る。歯に大きな穴があいているなどの情報と全身疾患や内服薬、心身やADLの状況などを記入した調査票を入手する。河北歯科医師会から、ポータブルX線装置とポータブルユニットを借りる。 30日に訪問し、主訴と全身状態の確認後、口腔内診査と持参したポータブルX線装置による左上3,4番の撮影を行う。そして、治療計画の概要を本人、家族、担当看護師に説明する。電源と手洗いの位置を含めた、提供される診療場所の下見と実際に使用するリクライニング車椅子での治療体勢のシミュレーションを行う。帰院後、90分の治療時間を確保するために予約変更を行い、必要な機材、器具と薬剤の準備を整える。 続きを読む
2022年04月23日(土)
施設から義歯を飲み込んだとの報告があり、それに対する相談があった。義歯が声門を超えて気管に侵入する誤嚥の報告例はなく、総義歯の誤飲も非常に少ないことと、さらに珍しい症例を報告する傾向にあるため,自然排泄例が少なないことも伝えた。そして、体調を観察し異常があれば、高齢医学科へ受診するようにアドバイスした。
22日後に自然排泄したとの報告があり、今後の対応ついて相談があった。3日後に訪問して全身状態や口腔内を診察した。少し難聴はあるが、意思疎通は可能であった。食事もしっかりとれて元気だった。義歯が口腔内に比べて上下顎ともかなり小さかった。訴えを聞き入れて昔通っていた歯科医師がかなり削ったと思われる。再度飲み込むリスクがあるので、使用していた義歯は使わないこととした。今まで使っていた義歯よりも大きな、口腔内に適応した新しい義歯を作製するのか、このまま義歯を装着せずに過ごすのか考えてもらうことになった。また、今後、全ての入居者に定期的な歯科健診を勧めた。 続きを読む
2017年06月29日(木)
care-net.biz/17/aioikai/index.php
29日(木)午後2時から3時半まで保険医協会医療福祉部と歯科部が、かほく市白尾の特別養護老人ホームアカシア荘を取材。施設長、事務長と介護部・看護部・栄養部の代表が対応。
施設長が設立からの歴史と熱い思いを語り、介護部長が現場の取り組みと結果を報告。看護師が補足。 続きを読む
2008年08月01日(金)
これまで歯科医師は、いかに無痛治療をするか、どうしたら歯が残せるか、いかによい義歯を入れるかを目標にしてきた。義歯を作るだけで、食べられるか確認をしてこなかった。 食べるところまで診て帰える生活支援の在宅往診が見落としていた食の重要性を気づかせてくれた。口から食べられるようになったときのあの目の輝きは医療人としての心の原点ではないだろうか。口から食べることにより、目を見張るほど元気になっていく。人間の感覚のすばらしさに感動する。 続きを読む