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眼科と歯科が糖尿病を介して連携できないか

2010年11月18日(木)


第14回よろず勉強会
日常診療における眼科疾患の見方
講師 うしむら眼科クリニック 院長 牛村繁先生
とき 2010年11月18日(木)午後7時半~9時
ところ 金沢都ホテル
前回の牛村先生の講演
kojima-dental-office.net/20030301-2152#more-2152
 糖尿病網膜症は、糖尿病の3大合併症の一つ。糖代謝異常に伴う眼の網膜などに各種変化をきたし、視力低下を認め、日本の中途失明の第2位を占めている(平成17年までは最多であった)。内科にて糖尿病が診断された時点で眼科へ紹介される(2型糖尿病では、診断時に20%は網膜症が存在する。 発症後20年で、1型の100%、2型の60%の患者に網膜症が発症する。)。定期的な眼底検査を勧めている。また、眼科にて糖尿病を疑い、内科へ紹介することもある。連携時には福田の分類が使用されている。

福田分類(糖尿病網膜症の病期分類)
 糖尿病手帳に記載され、内科、眼科の医療連携に広く用いられている。網膜症が良性網膜症(A)と悪性網膜症(B)に分類され、悪性網膜症は汎網膜光凝固を考慮すべき段階である。また、治療後に増殖が停止した場合は良性網膜症に戻る。

感想
 歯科では、歯周病と糖尿病が注目を浴び、医科歯科連携を模索し、各地で色々な試みがされている。今回の話を聞いて、眼科と歯科が糖尿病を介して連携することも、ひとつの試みであり、患者さんにとっても朗報になる。歯周治療に通っている糖尿病患者さんに福田の分類を聞き、眼底検査を勧める。できれば、眼科でも歯周検査を勧めてもらいたい。そこで、以下のような歯周病の分かりやすく簡単な分類を提案したい。
歯周病の分類(案)
(A)定期検診で経過観察
 ①歯肉に発赤や腫脹がみられるが、プロービング・デプスが5mm以下
 ②部分的にプロービング・デプスが5mm以上あるが、急性発作もなく安定した状態

(B)抜歯を含めて歯周外科等が必要なもの
 ③部分的にプロービング・デプスが5mm以上あり、歯周ポケットから排膿や出血
 ④口腔内全体にプロービング・デプスが5mm以上あり、歯牙の動揺も著しい
kojima-dental-office.net/20100916-688

福田分類
 糖尿病網膜症の病気分類法で、スコット分類というものを参考にして1983年に福田雅俊が行った福田分類というものがあり、視覚障害の危険度の低いものと高いものをA、Bに分けているもので、幾度か再考されて1989年に発表された。スコット分類より改善が図られており、網膜無灌流域の所見や新生血管出現と増殖網膜症への進展の概念を明確にしている。

A 単純型網膜症
A-Ⅰ:毛細血管瘤、点状出血
A-Ⅱ:しみ状出血(少数の硬性白斑を認めるものも含む)
A-Ⅲ:陳旧狭細化した新生血管
A-Ⅳ:古い硝子体出血(半年以上再出血がないもの)
A-Ⅴ:古い増殖性病変(半年以上再増殖を起こさないもの)
 
B 増殖型網膜症 
B-Ⅰ:静脈内細小血管異常、検眼鏡的に認められる静脈拡張、びまん性網膜浮腫、軟性白斑、線状出血(確定診断は蛍光眼底造影による)の多発
B-Ⅱ:乳頭(視床下部内。以下同様)に直接連絡しない新生血管
B-Ⅲ:乳頭に直接連絡する新生血管、乳頭及び周囲網膜の広範な浮腫
B-Ⅳ:新生血管からの硝子体出血(最終出血後半年以内のもの)
B-Ⅴ:進行性の増殖組織 
C 合併症 
Ⅵ:網膜の分離または剥離
M:黄班部に浮腫、出血、硬性白斑が特に集中したもので、A、Bいずれの型にも合併しうる。視力低下が著しい。(黄班症)
G:虹彩ルベオーシス(血管新生)、血管新生緑内障N:虚血性視神経症 

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