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内科医に聞く 医科への診療情報提供依頼で気を付けること

2016年10月22日(土)


講師: 大川 義弘氏 城北クリニック院長 (内科)
          石川県保険医協会副会長
とき: 10月22日 [土]午後6:30 ~ 8:30
ところ: 近江町交流プラザ 4階 研修室2
    (金沢市青草町88 近江町いちば館内)
対象: 会員、会員医療機関のスタッフ(参加費は無料です)
主催: 石川県保険医協会    チラシ 内科医に聞く 医科への診療情報提供依頼で気を付けること
 ※お申込みのうえご参加ください。
参考に 前回の講演
 老年医学的観点から見た高齢者疾病の特徴
kojima-dental-office.net/20151031-2237

メモ
1.これからの歯科医療の在り方
 ①地域包括ケアでの歯科の立ち位置
     植木鉢スタイル
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 ②今後の歯科需要
    ・歯科診療所の受診患者の1/3が65歳以上に
          65~75歳が多くなる
          全身的な疾患や自立度の低下が増える
 ③全身疾患
  A.糖尿病
    ・これまでHbA1cの上限値を目安にしてきたが
          高齢者では下限値7%を切るな(低血糖の方が怖い)
  B.高血圧                                             
    ・60歳を超えると60%以上の有病率
  C.心房細動
    ・予防のために抗凝固療法を受ける人が増えている
2.照会状に何を求めるか
 ①局所麻酔の可否(ショックが起きるかどうか)を内科医に聞かれても分からない
  ・それよりも問診(過去に倒れたことはないか)と万が一の救急態勢が重要
 ②抜歯やう蝕治療の可否は内科医に聞かれても全く分からない
    ③投薬
  ・薬物禁忌
  ・抗血小板剤・抗凝固療法
        ・薬物アレルギーの既往

3.科学的根拠に基づく全身疾患と歯科治療
 ①抗血栓療法患者の抜歯
 ・原疾患が安定し、INRが治療域にコントロールされている患者では
                      (成人2~3、高齢者1.6~2.6)
  ワルファリンを継続投与のまま抜歯を行っても重篤な出血性合併症は起こらない
 なお、肝疾患等の止血機能に影響を与えるような異常が存在する患者では注意が必要
 ・ワルファリンを抜歯時中断した場合、約1%の患者において
   重篤な血栓・塞栓症が発症し、そのほとんどが死亡している
      緊急的な血栓溶解療法とともに発症臓器の障害に対する治療が行われる
 ・ワルファリンおよび抗血小板薬の併用患者において、両薬剤を継続して抜歯する
   ワルファリンのみ継続した場合とでも術後出血に差がみられない
 ・朝に抜歯をしてから薬を飲む

参考に
抗血小板薬は動脈にできる血小板血栓を予防する(心筋梗塞や脳梗塞の再発予防)
  バイアスピリン、パナルジンなど
抗凝固薬は静脈にできる赤色血栓(肺塞栓症や心房細動による血栓塞栓症)を予防する
  定番は、ワーファリン ビタミンK作用に拮抗 納豆が食べられない
       INRを治療域(成人2~3、高齢者1.6~2.6)にコントロール
  新薬(NOAC) モニタリングができない 術後出血を予測できる検査がない
   直接トロンビンを阻害するプラザキサ  中和薬が最近見つかった
   直接Xa因子を阻害するイグザレルト、リクシアナ、エリキュース

 ②抜歯前に骨粗鬆症患者のBP製剤休薬は必要か
  ・休薬した173人中 骨折10人、顎骨壊死1人
  ・抜歯前の休薬依頼に対して
    応じる45%、薬剤変更13%、ケースバイケース32%
    応じない2%
    ・BP製剤使用前に歯科医に口腔ケアを依頼
        常にする5%、ケースバイケース16%
        全くしていない75%
      「ちょっと待て処方の前に歯科受診」
    ・閉経後女性551人を3年間調査した結果、骨粗鬆症患者は抜歯リスクが高い

 ③高血圧症患者の歯科治療
        ・問題点 出血しやすい、高血圧緊急症(220/130mmHg)
  ・リラックスできる環境、排尿をすませる、午前中が望ましい
        ・筋緊張性頭痛 力が入って起きる
   
 ④その他
    ・慢性心不全  夜中に苦しくならないか

<ご案内>
 日頃、有病者の歯科治療においては、内科の主治医との対診が必要となる場合が多くあります。その折には皆さんも、「抜歯の可否と治療上の注意点についてご教示ください。」などと書いたりしているのではないでしょうか。それに対し、送られてくる返書にはいつも大いに助けられ、私などはその丁寧さに恐縮し、頭の下がる思いがしています。しかしながらごく稀に、こちらの問いには答えてもらえず、処方内容もなく、血液検査のデータだけというものもあり、これには頭を抱えてしまうことになるのですが。今後も増えるであろう有病者の歯科治療ですが、医科歯科連携を進めた、より安全な医療システムが求められています。今回は当会副会長の内科医、大川義弘先生に講師を依頼しました。スムーズな医科歯科連携に基づいた、より安全な歯科医療の構築について、ご一緒に考えてまいりましょう。

<抄録>
大川 義弘
 私が外来や在宅で診ている患者さんが歯科に受診されると、歯科の先生から「抜歯が必要なのですが内科的な問題がありませんでしょうか」と、診療情報提供が依頼されます。たとえば、抗血小板剤や抗凝固薬、ビスフォスホネートなどの抜歯に影響を与えうる薬剤投与の有無、抗生剤などのアレルギーの有無、などです。これらは答えやすいのですが、「抜歯に当たっての注意点は」と問われると「ウーン」となります。血圧コントロールが良好で特に出血傾向がなく、易感染性の状態でもなければ大丈夫でしょうと答えています。がしかし、医科の歯科に関する知識は貧弱なので歯科の医療行為が,内科的に問題ないと答える根拠や、逆にこれはだめだという根拠については曖昧なのが現実と思います。歯科と医科が膝を交えてこの問題に対して双方向に情報を交換し、より安全な医療提供ができるようになればと思っています。類似のことは、眼科から「白内障の手術をするのだが内科的にはどうか」という診療情報提供依頼や、介護施設での入浴時に血圧と発熱で中止基準を決めていることの妥当性、リハビリテーション提供時の中止基準など色々ありますのでそれらにも触れたいと思います。

【講師プロフィール】
1978年金沢大学医学部卒業
1981年から1989年まで東京都老人医療センター(現:東京都健康長寿医
療センター)
1989年から1997年まで城北病院
1997年から現在まで城北クリニック
日本内科学会認定内科医、日本老年医学会認定老年病専門医、日本神経学会専門
医、認知症サポート医、北陸がんプロフェッショナルエキスパート医

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