小島歯科医院 名誉院長ブログ

歯周治療について

歯周病と関節リウマチ

2023年04月15日(土)

 「歯周病があると関節リウマチの炎症が引かない」と医科の先生に言われて患者が来院した。歯周病と関節リウマチは双方向性の関連がある。歯周病菌が作り出す毒素(炎症性物質)によって、関節リウマチが発症・進行することや、歯周病の治療によって、関節リウマチの症状が改善することが分かってきている。しかし、何故そうなるのかに対する決定的なエビデンスは、まだ得られていない。 続きを読む

歯肉腫脹が前歯部に際立つ方は治りにくい

2004年11月08日(月)

61.1.18.A初診 61.1.18.D 61.1.18.E

 奥の方が磨きにくく汚れてはいるが、それほど腫れていない。前歯部の歯肉腫脹はプラークコントロールだけでは説明が付きにくい。ハブラシによる繰り返される傷や口呼吸なのか、原因が分からない。それ故にスッキリと治らないし、再発や悪化もする。 続きを読む

患者さんの世界に立つヘルスカウンセリング

1995年06月28日(水)

H14.5.20.A 口の中や歯肉の変化に関心を持ち、患者さん本人によるプラークコントロールの大切さを理解できるまで待つ。いつか分かってくれるだろう。患者さんの健康観も変わるだろう。それまでは、月1回のプロフェッショナルケアによって補っていきたい。そして、赤染めによるプラークの確認を繰り返し、それにハブラシが当たる感覚を身につけられるようにヘルスカウンセリングを根気よく続けていく。また、間食や飲み物の糖分摂取の在り方や食生活の改善を患者の世界に立ち考える。食姿勢の見直しやよく噛んで食べる習慣もうながしていく。
 ヘルスカウンセリング
kojima-dental-office.net/19990516-2823#more-2823 続きを読む

ヘミセクション(歯根切除)

2010年09月22日(水)

 根分岐部病変は予後への不安もあり、あまり手をつけたくないところである。また、根分岐部病変を観察していると、ほとんど変化のないものも多い。根尖方向への波及がなければ、長期間機能的に歯は使用できる。一般的な根分岐部病変分類の観点である水平的ではなく、垂直的な歯周ポケットの進行が病変の増悪を決定していると思う。 基本的な処置は、プラークコントロール等の初期治療の徹底に始まり、できるだけ侵襲の少ない処置から経過を見ながら進めていく。ほとんどの歯周炎は、ルートプレーニングがきちんとできれば治ると思う。しかし、急性発作を繰り返す場合や局在した垂直的プロービング値の著しい場合は、ヘミセクションを含めた外科処置が必要である。 続きを読む

クレフト

2009年12月10日(木)

62-1-14-%e3%82%af%e3%83%ac%e3%83%95%e3%83%88-2 歯肉にできた垂直型のV又はU字型をした裂け目のことであり、過度の力を加えた縦磨きと、それに伴い停滞するプラーク(歯垢)が原因と考えられます。ただし、咬み合わせの異常によって起こる場合もあります。
 今回の症例もクレフトの改善傾向が見られるまでに2年半ほど要しました。ハブラシ圧会得には非常に時間がかかることを体験しました。また、下顎の片側遊離端の義歯を使いこなす難しさと、それによる咬合バランス異常もクレフトの要因となることを学びました。 続きを読む

歯肉を見る目

2009年07月14日(火)

初診時よくなる経験をさせる
どこが変化するか
どこが患者によく分かるか
部位を選択する
どんな変化が起きるか
どのくらいの日数がかかるか
信頼された後に磨き方を聞かれたら教える
なるべく教えない
自分で工夫する
宝物は少しずつ
この続きはまた来週 続きを読む

喫煙と口の中の変化

2008年09月27日(土)

  たばこを吸っていると、口の中に次の変化が見られる
      1.歯牙の着色  
      2.頬側付着歯肉部のメラニン沈着    
      3.口蓋や頬粘膜の白斑  
      4.重度の歯周炎 歯肉の線維化、炎症反応低下     
      5.舌の影響  白板症 舌苔量の増加と黄色味 続きを読む

「ペリオドンタル・メディシン」出版記念祝賀会

2002年05月18日(土)

  5月18日、金沢都ホテルにおいて、保険医協会歯科部が医科との共同により発行した「ペリオドンタル・メディシン」の出版記念祝賀会が医科講師、歯科コーディネーターを迎えて11人で開かれた。
 「歯周病が全身疾患の軽快・増悪に関与する」という歯科からのユニークな発想に医科が協力してエビデンスを追求していく・・・、従来から疾患と臓器相関に関心がありましたが、保険医協会として取り組む医科歯科連携にぴったりの提案でありました。
 「2年前に企画を聞いたときは果たして歯科部にできるかと心配しましたが、保険医協会からこのような立派な本ができたことを嬉しく思います」と、書評を書いていただいた井沢宏夫副会長のあいさつに始まり、これまでに携わった方々の労をねぎらい、執筆者の一人、朝本明弘先生が乾杯の音頭をとられました。
 「産婦人科では歯周病と早産についての研究がこれまでほとんどなく、よい機会を与えていただきました。とにかくバイオフィルムが問題です」というご意見や、事務局より「全国の歯科個人会員からの注文が殺到していて郵送に追われています」という反響について報告もありました。 続きを読む

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