クレフト
2009年12月10日(木)
歯肉にできた垂直型のV又はU字型をした裂け目のことであり、過度の力を加えた縦磨きと、それに伴い停滞するプラーク(歯垢)が原因と考えられます。ただし、咬み合わせの異常によって起こる場合もあります。
今回の症例もクレフトの改善傾向が見られるまでに2年半ほど要しました。ハブラシ圧会得には非常に時間がかかることを体験しました。また、下顎の片側遊離端の義歯を使いこなす難しさと、それによる咬合バランス異常もクレフトの要因となることを学びました。
フェストゥーン
kojima-dental-office.net/20100518-3297#more-3297
症例
患者 50歳女性
初診 昭和61年10月28日
主訴 左下5番が痛い
現症 左下5番に大きな穴が開いている
歯石が見られる、歯根露出が見られる
左上2番の歯肉に切れ込み(クレフト)が見られる
経過
10/28 左下5番の抜髄を行う
11/4 赤染めによるブラッシング指導を行う
・ローリング法、歯磨剤たっぷり→毛先磨き
・ハブラシが1週間ほどで開くので
力を抜いて、ストロークを小さくする練習
11/26 歯間ブラシの使用開始
12/8 左上2番遠心部を歯間ブラシを通すと痛い
12/17 左上2番遠心部に充填
歯肉を痛めないように自分で工夫
2/26 歯魔剤を中止
ハブラシ1ヶ月以内に広がる
ストロークがまだ大きいので、腕を動かさない指導
5/6 左手で磨く工夫もしているが、ストロークはまだ大きい
歯肉の回復はまだ見られない
右下に義歯を作るがなかなか使用できない
昭和63年
6/30 ようやく毛先磨きを体得
義歯に少し慣れてきた
平成元年
2/9 左上2番のクレフト少し改善
義歯が使えるようになる
平成3年
1/22 左上2番のクレフトが良くなる
平成16年
2/26 経過良好
歯間部の歯石が多い
定期検診を継続
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