歯周炎による上顎前歯の唇側傾斜
1989年06月03日(土)
唇側に比べて口蓋側のprobing depthが著しく深い場合には、フラップ手術と咬合調整などにより速やかに改善することが望ましい。時を経ると、一定の状態を保とうとする「ホメオステータス」が働く。唇側と口蓋側のprobing depthを近づけようとするため、口蓋側を挺出させ、唇側へ傾斜する。
参考に
歯周炎による歯間離開を改善
kojima-dental-office.net/20081223-3531
症例
患者 34歳女性
初診 昭和62年8月27日
主訴 右上6番が動揺、咬合痛
現症 全歯牙に動揺
左上1番口蓋側に不良肉芽
上顎前歯口蓋側歯肉発赤腫脹
上顎前歯唇側歯肉にスティップリング
上顎正中離開
下顎前歯舌側に歯石
治療計画 プラークコントロールの安定
左上1番部口蓋側フラップ手術
経過
8/27 パノラマ撮影 左上1・2番部と臼歯部に骨吸収
適応検査 唇側・頬側の歯肉は健康
左上1番部口蓋側中央部のにprobing depth6mm
歯根露出も
8/28~9/24 赤染めによるブラッシング指導
プラークコントロールにムラがある
ハブラシ圧が強い
10/16 左上1番口蓋側に不良肉芽は消失
精密検査
左上1番部口蓋側にprobing depth6mm
歯根露出4mm
左上1番部口蓋側のフラップ手術を勧めるが、決心付かず
歯石除去で経過観察
10/23を最後に来院中断
1年7ヶ月ブランクあり
平成元年
5/8 左上1・2番が唇側傾斜
口蓋側歯根部に歯石
左上1番部probing depth6mmが口蓋側全体と唇側近心側に拡大
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