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まんがで変わる 仕事は楽しいかね?

2022年01月21日(金)


原作  デイル・ドーテン
編 「仕事は楽しいかね?」研究会
きこ書房
2016年3月7日発行
1300円
 本書は、デイル・ドーテン著「仕事は楽しいかね」のまんが版。オリジナル版は、大雪のために空港のロビーに足止めされたビジネスマンの「私」と老人・マックスとの一昼夜の物語だったが、本書の主人公はカフェのアルバイト店員・奈津。オリジナル版のエッセンスを、まんが版独自のストーリーに載せて再構成した。著者の素晴らしい言葉に触れ、「仕事は楽しい!」と感じてもらいたい。
 山中伸弥、藤井聡太著「挑戦 常識のブレーキをはずせ」
kojima-dental-office.net/blog/20220115-15293#more-15293
1.明日は今日と違う自分になる
 多くの人が、「計画通りにはいかない」ことを知っている。にもかかわらず、未だに大勢の人が計画を立てることを崇め奉っている。「分かっている」以上、その計画を重要視する必要はない。
 子どもの頃から憧れた職業に就いたとしても、幸せになれるとは限らない。そういう人に対して、マックス・エルモアは、「計画を立てることに依存しすぎている」と指摘している。『目標の弊害』と呼んでいる。たいていの人はマンネリから抜け出すために目標を設定する。今日の目標は明日のマンネリ。目標を目的にしてはいけない。
 成功者の多くは、目標設定者でも計画立案者でもなく、冒険者だった。人生のある時点で仕事に対する目標を変えている。昔の夢に固執しなかったからこそ、偉大な功績を残せた。子どもの頃に憧れた職業に就くことが無理だと分かっても、失望することはない。
 大切な目標は“明日は今日と違う自分になる”こと。試行錯誤を繰り返し、日々新しい自分へとなっていく。変わっていくことは、大変かもしれないが、同時にとても「楽しい」ことでもある。未来を正確に予測することはできない。だからこそ、人生は素晴らしい。

2.“退屈”と“不安”という双子
 「仕事が楽しい」とは自信を持って答えられない。「特別な不満はない」けれど「希望も見えない」。何がいけなかったのか?今の仕事を「辞めたい」「辞めづらい」という消極的な理由には待遇面が大きく影響するが、「楽しい」「ずっと続けたい」という積極的理由には「給与が高いから、定時に帰れるから」はさほど影響しない。
 したくもない仕事をし、同時にそれを失うことを恐れている。矛盾しているが、実際にはよく見受けられる。退屈と不安の両方を抱えたまま時間だけが過ぎていく。しかも歳をとればとるほど、不安は増し、退屈から逃れることは難しくなる。

3.試してみることに失敗はない
 「何をするか」を考えるよりも、「何かをする」ことが重要。いろいろなことを試すことで「偶然=素晴らしいアイデア」に遭遇する機会が増える。起きている偶然に気がつき、新しいことを始めるか、さして気にもとめずに目の前をスーッと通り過ぎさせてしまうかによって、その後の人生は大きく変わってしまう。人は『違うもの』になって初めて『より良く』なれる。『変わる』には、何度も『試す』しかない。
 注意さえ払い始めたら、あらゆるところに偶然が転がっている。それに気がつくと仕事は「楽しく」なる。「試すこと」は繰り返すたびに「不安」よりも「楽しみ」の方が大きくなっていく。何かを試してみる限り、試す前と同じ場所に戻ることは絶対ない。試す過程で、必ず何かを学ぶ。仮に新しいアイデアに対して「学ぶことが何もなかった」と思った場合には、その前にしていたことに高い価値があったと学ぶことができる。

4.仕事は楽しいかね?
 人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない、一つのくだらないことが『何度も』繰り返されていく(詩人エドナ・ミレイの言葉)。
 仕事に対して一番欲しいものは、成功と同時に「楽しさ」。多くの人は自分がどんな仕事が好きか分からない。たいていの人は自分には夢中になれるものがないということをなかなか認めない。小説を研究しても小説家になれないように、成功を研究しても成功は手に入らない。成功するというのは、右に倣えをしないこと。
 かつて想像した明るい未来や身近な人たちと比べて「つらい」と感じた時に絶望する。「ハッとさせられる」時に、多くの人は、明確な目標を立て、一歩ずつ進んでいなかったことを「後悔」する。「あの時にこうしていれば、今は違ったはず」と元の退屈な時の流れに戻る。それはもっともらしく聞こえるが、違う。もし時の流れに飲み込まれそうになった時には、「仕事は楽しいかね?」と問いかけてみる。

5.必要は発明の母かもしれないが、偶然は発明の父
 同じように見えている風景は、実は違うもので、単に自分が「同じように」見ているにすぎない。「変化に富んだ風景」に気づき「関係なさそうなもの」同士をつなげてみる。意外なものを組み合わせるほど、革新的な商品が生まれやすくなる。革新的なものは論理的思考では行き着けない。
 発明に「偶然」は、つきもの。なぜなら偶然こそ、それまで考えもしなかったことを教えてくれる。発見した偶然に、ワクワクする。それを仕事に取り入れることであっと驚くアイディアや新商品が生まれる。新しいアイデアというのは、新しい場所におかれた古いアイデア。
 いろいろなことを同時にすることで「相乗効果」が生まれる。「変化」が「新しい変化」を呼び込む。進化の素晴らしいところは最終的にどこに行き着くか全く分からないこと。大きな変化は客の目にも留まる。そして客がたくさん集まれば店員のやりがいも高まり、さらに利益もサービスも向上していく。

 

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