のぼるくんの世界

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本の世界

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41歳からの哲学

2009年05月08日(金)

41歳からの哲学池田晶子 著
新潮社
2004年7月15日発行
1200円
 タイトルに「哲学」が付いた本は、難しいという思いが強く避けたくなるが、この本の考えてみようと思わせるわかりやすさが、そのイメージを一新させた。
ヒトが他の動物と異なるところは、死についても考えることである。
観念を観念と見抜き、現実と向き合えるまで考えてみたい。
考えることに手遅れはない。
たまには考えてみよう。
 2007年2月23日、46才の若さでこの世を去った池田晶子さん。ご冥福を祈る。 続きを読む

情熱でたどるスペイン史

2019年02月17日(日)

情熱でたどるスペイン史 なぜ、ヨーロッパの「異郷」なのか?
池上俊一著
岩波ジュニア新書
2019年1月22日発行
960円
 スペイン、ポルトガルの旅
kojima-dental-office.net/blog/20190227-11172#more-11172

スペインの気候風土による「アフリカ性」と「情熱」
 フランスの作家アレクサンドル・デュマの言葉として(ナポレオンの発言とする説もある)「アフリカはピレネーから始まる」がある。言い換えれば、スペインはヨーロッパではない、アフリカの一部。中世以前には、北方ヨーロッパよりもアフリカとの通交が容易だった。ジブラルタル海峡を越えて、つぎつぎ諸民族がやってきて、国を建て住み着いては、また引き上げた。異民族のるつぼとして、民族共存と文化交流の場になり得たのは、スペインの「アフリカ性」がもたらしている。
 荒涼たるむき出しの原野、そして乾燥、暑熱と酷寒の厳しい自然が支配する生活は、極端から極端へと移る心性を醸し出している。厳しい自然環境は、スペイン人特有の「情熱」の源泉になったように思われる。情熱が燃え上がるには、様々な歴史的できごとの刺激が必要だった。 続きを読む

なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?

2009年04月24日(金)

吉田典生著
日本実業出版社
2005年12月10日発行
1400円
 新人スタッフや移動に伴う新しいメンバーがようやく仕事になれてくる頃、上に立つ人は彼らが気になり出す頃です。頭の良さを示すIQより、自分を律して人と良い関係を築く人間力を示すEQを大切にしましょう。そして、部下に不満を感じたり、部下が暇そうに見えたら、また、自分でやったほうが速い、自分が一番仕事をしていると思ったら、ぜひ読んでみてください。様々なヒントが隠されています。 続きを読む

ファクトフルネス

2022年03月19日(土)

10の思いこみを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
ハンス・ロスリング著
オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
上杉周作、関美和 訳
日経BP社
1800円
2019年1月15日発行
 心配すべき5つのグローバルなリスク。感染症の世界的流行、金融危機、世界大戦、地球温暖化、そして極度の貧困。6番目の見えないリスクもある。予想外の何かが起きる可能性もある。
 感染症の世界的流行
 第一次世界大戦中に広がったスペイン風邪で、5000万人が命を落とした。世界の平均寿命は33歳から23歳へと10年も縮まった。
 第三次世界大戦
 プライドの高い国家が、市場での支配力が弱まった時に他国を攻撃する可能性はある。
 『ファクトフルネス』チンパンジークイズ
factquiz.chibicode.com/
 先ずは、世界の事実に関するクイズ12問に挑戦してみよう。どの質問もA・B・Cの3択です。チンパンジーなら、だいたい4問正解する。 続きを読む

99.9%は仮説

2008年08月24日(日)

 思いこみで判断しないための考え方
著者 竹内薫
光文社新書
700円
2006年2月発行

「最近どうも頭が固くなってきたなぁ」と思う人や思いこみ、常識、先入観、固定概念に縛られて身動きとれなくなっている人、「なんでこんな話が通じないんだ」とイライラしている人は、この本を読んでみてください。きっと、ものの考え方から世界の見え方まで、全てがガラリと音を立てて変わるはずです。仮説思考は、あなたの人生を豊かにするでしょう。最後まで気になる「残り0.1%はなに?」の秘密はどこに隠されているのでしょうか。 続きを読む

ウイルスは生きている

2020年10月28日(水)

ウイルスは生きている中屋敷均 著
講談社現代新書
840円
2016年3月20日発行
 教科書では「ウイルスは生物ではない」と教えられる。しかし、細菌で起こる病気もウイルスによって起こる病気も、基本的には同じ生物現象にしか思えない。そして、「ウイルスDNA」を、たった1塩基変異させただけで感染しなくなり、「ただの物質」となる。DNAのたった1塩基の違いが、「生き物」と「ただの物質」を分ける。
 我々人間は異なった2つの「生」を生きている。DNA情報からなる生物「ヒト」としての「生」と、脳情報からなる人格を有した「人」としての「生」。例えば、不慮の事故に会う。すぐに精子を取り出し冷凍する。人が亡くなった後でも、細胞としての精子は「生きて」おり、そこから子供が生まれてくる。「ヒト」は生きていても、「人」は亡くなっている。多くの生物は、DNA情報による「生」しか持たない。 続きを読む

世界史は化学でできている

2021年09月15日(水)

絶対に面白い化学入門
左巻建男著
2021年2月16日発行
ダイヤモンド社
1700円
 1億3千年前、果実をつける種子植物が登場した。そこに、サッカロミセス・セレピシエという果実を好む「酵母」が現れた。それは、効率は良くないが果実の果糖やブドウ糖などからエネルギーを得ていた。副産物としてつくられるアルコールには、他の微生物を寄せ付けない効果があった。
 果実を食べる哺乳類は、果実が成熟したかどうかをアルコールの匂いで知ることができる種が有利になった。私たちの祖先は、アルコール好きの性質を持つことで進化してきた。 続きを読む

ジジイの台所

2023年01月29日(日)

沢野ひとし著
集英社
2022年11月30日発行
1600円
 この本は、料理本ではなく、あくまで台所が主役。
 一般的に60歳前後、定年後をジジイと言う。定年後には、4つの選択肢がある。仕事、趣味、ボランテイア、そして「何もしない」。蕎麦は孤独に慣れているが、焼きそばは寂しがり屋。一人で焼きそばを食べている人は、訳ありの人が多い。
 ジジイにとって、台所は唯一の足が地に着いた生活の場であり、心のよりどころになる。上昇志向の場であり、瞑想にふける茶室でもある。時には息抜きの場所、ひとり居酒屋やワインバーであっても良い。夢見られる台所は生きる糧でもある。台所を友達に、職場や書斎と思って生きていこう。家の中で、これほど創造の中枢を担う場があるだろうか。人は台所によって頭を、そして心を育てる。だからジジイは台所に魅せられる。 続きを読む

ネット依存・ゲーム依存がわかる本

2020年01月06日(月)

img182樋口 進 監修
 精神科医。独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長
講談社
1300円
2018年6月5日発行
 スマホが登場する前は、学校や職場には持ち込めず、家庭でも周りの人への配慮があった。そのため、依存への対策がとりやすかった。しかし、スマホになると、連絡手段でもあるため周りの目を気にしなくてもよくなり、移動中や学校・職場の休憩時間などにも遊べるようになった。時間の制限がかけずらくなり、やりすぎを注意しにくくなった。あまり目立たずに楽しめるようになり、依存の危険度は以前よりも上がった。 続きを読む

マンガで悟る 日本の仏教&開祖たち

2006年01月23日(月)

日本の仏教&開祖たち多田一夫+拓人社
双葉社
2005年12月20日発行
1300円

 徳川幕府は、仏教界と庶民を管理するために、すべての人をいずれかのお寺の檀家として登録させる寺請制度(檀家制度)を定めました。これにより仏教界は厳しい修行や布教の必要がなくなりました。医療界も規則や制度に振り回されることなく、人の心を見失わないように、七大宗派開祖の教えに触れてみてください。 続きを読む

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