本の世界
本の世界
2022年02月11日(金)
堀内都喜子 著
ポプラ新書
2020年1月8日発行
860円
フィンランドは福祉国家で最低限の生活が保障されていることと、性別や年齢にこだわらず、機会が平等、公平に能力を評価する国。たとえ失業中でも住むところがあり、教育の機会が平等にあることで、生まれ育った環境にかかわらず、貧困から抜け出すことも可能だし、自分の実力で勝負することができ、研究者や政治家、医師など望む職業に就くことができる。 続きを読む
2011年11月01日(火)
もう一人の創業者・松下むめの物語
高橋誠之助著
ダイヤモンド社
2011年9月8日発行
20年以上にわたり執事として松下家に関する一切の仕事を担った高橋氏が、松下むめのさんの生涯を描いた一冊。経営のあり方、スタッフとの関係に於いて非常に参考になる。 むめのは、小さい頃から、わからないことはわからないと言い、理解が早く、事の本質をすぐつかんだ。また、相手に尽くす生き方を母こまつに教わった。そして、何事も先ずはきっちりとしたけじめが大切だと考え、松下電器を人間として筋の通る会社へと育てた。 続きを読む
2009年03月17日(火)
教育の現場からの指摘は多方面に相通じるものがある。医療界も「どうやって利益を上げるか」ではなく、「皆のために何をすべきか」である。しかし、経営が多難だったり、営利目的の企業が参入することにより、効率能率が判断基準の上位にランクされる危険性が出てきた。
また、本を参考に、スタッフの「働くモチベーション」を鼓吹し、グレーゾーンのミスをカバーできる「共同的に生きる能力」を育てていきたい。そして、「符丁が通じない相手」に理解できるインフォームドコンセントを努力し、これからますます分野を超えた人々と交流を深めていきたい。 続きを読む
2015年12月29日(火)
「意志力の科学」という講座
Kelly McGonigal著
神崎朗子訳
大和書房
1600円
2012年10月31日発行
この本は、「最も優れた科学的な見解」と、これまでに受講した何百人の「実践的なエクササイズ」の叡智とを融合したものになっている。理論がいくら優れていようと事実「データ」に勝るものはない。2章まで読んでのまとめ。10章まで続く。内容が濃くてコメント泣かせ。実に面白い。
多くの人が、意志力(注意力や感情や欲望をコントロールする能力)が、健康や経済的安定や人間関係、そして仕事の成功までも左右すること、意志力を磨けば人生が変わることを実感している。 続きを読む
2009年05月08日(金)
池田晶子 著
新潮社
2004年7月15日発行
1200円
タイトルに「哲学」が付いた本は、難しいという思いが強く避けたくなるが、この本の考えてみようと思わせるわかりやすさが、そのイメージを一新させた。
ヒトが他の動物と異なるところは、死についても考えることである。
観念を観念と見抜き、現実と向き合えるまで考えてみたい。
考えることに手遅れはない。
たまには考えてみよう。
2007年2月23日、46才の若さでこの世を去った池田晶子さん。ご冥福を祈る。 続きを読む
2019年02月17日(日)
なぜ、ヨーロッパの「異郷」なのか?
池上俊一著
岩波ジュニア新書
2019年1月22日発行
960円
スペイン、ポルトガルの旅
kojima-dental-office.net/blog/20190227-11172#more-11172
スペインの気候風土による「アフリカ性」と「情熱」
フランスの作家アレクサンドル・デュマの言葉として(ナポレオンの発言とする説もある)「アフリカはピレネーから始まる」がある。言い換えれば、スペインはヨーロッパではない、アフリカの一部。中世以前には、北方ヨーロッパよりもアフリカとの通交が容易だった。ジブラルタル海峡を越えて、つぎつぎ諸民族がやってきて、国を建て住み着いては、また引き上げた。異民族のるつぼとして、民族共存と文化交流の場になり得たのは、スペインの「アフリカ性」がもたらしている。
荒涼たるむき出しの原野、そして乾燥、暑熱と酷寒の厳しい自然が支配する生活は、極端から極端へと移る心性を醸し出している。厳しい自然環境は、スペイン人特有の「情熱」の源泉になったように思われる。情熱が燃え上がるには、様々な歴史的できごとの刺激が必要だった。 続きを読む
2009年04月24日(金)
吉田典生著
日本実業出版社
2005年12月10日発行
1400円
新人スタッフや移動に伴う新しいメンバーがようやく仕事になれてくる頃、上に立つ人は彼らが気になり出す頃です。頭の良さを示すIQより、自分を律して人と良い関係を築く人間力を示すEQを大切にしましょう。そして、部下に不満を感じたり、部下が暇そうに見えたら、また、自分でやったほうが速い、自分が一番仕事をしていると思ったら、ぜひ読んでみてください。様々なヒントが隠されています。 続きを読む
2022年03月19日(土)
10の思いこみを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
ハンス・ロスリング著
オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
上杉周作、関美和 訳
日経BP社
1800円
2019年1月15日発行
心配すべき5つのグローバルなリスク。感染症の世界的流行、金融危機、世界大戦、地球温暖化、そして極度の貧困。6番目の見えないリスクもある。予想外の何かが起きる可能性もある。
感染症の世界的流行
第一次世界大戦中に広がったスペイン風邪で、5000万人が命を落とした。世界の平均寿命は33歳から23歳へと10年も縮まった。
第三次世界大戦
プライドの高い国家が、市場での支配力が弱まった時に他国を攻撃する可能性はある。
『ファクトフルネス』チンパンジークイズ
factquiz.chibicode.com/
先ずは、世界の事実に関するクイズ12問に挑戦してみよう。どの質問もA・B・Cの3択です。チンパンジーなら、だいたい4問正解する。 続きを読む
2008年08月24日(日)
思いこみで判断しないための考え方
著者 竹内薫
光文社新書
700円
2006年2月発行
「最近どうも頭が固くなってきたなぁ」と思う人や思いこみ、常識、先入観、固定概念に縛られて身動きとれなくなっている人、「なんでこんな話が通じないんだ」とイライラしている人は、この本を読んでみてください。きっと、ものの考え方から世界の見え方まで、全てがガラリと音を立てて変わるはずです。仮説思考は、あなたの人生を豊かにするでしょう。最後まで気になる「残り0.1%はなに?」の秘密はどこに隠されているのでしょうか。 続きを読む
2020年10月28日(水)
中屋敷均 著
講談社現代新書
840円
2016年3月20日発行
教科書では「ウイルスは生物ではない」と教えられる。しかし、細菌で起こる病気もウイルスによって起こる病気も、基本的には同じ生物現象にしか思えない。そして、「ウイルスDNA」を、たった1塩基変異させただけで感染しなくなり、「ただの物質」となる。DNAのたった1塩基の違いが、「生き物」と「ただの物質」を分ける。
我々人間は異なった2つの「生」を生きている。DNA情報からなる生物「ヒト」としての「生」と、脳情報からなる人格を有した「人」としての「生」。例えば、不慮の事故に会う。すぐに精子を取り出し冷凍する。人が亡くなった後でも、細胞としての精子は「生きて」おり、そこから子供が生まれてくる。「ヒト」は生きていても、「人」は亡くなっている。多くの生物は、DNA情報による「生」しか持たない。 続きを読む