のぼるくんの世界

のぼる君の歯科知識

人は仕事で磨かれる

2008年12月13日(土)


人は仕事で磨かれる丹羽宇一郎著
文藝春秋
1300円
2005年2月25日発行

 伊藤忠を甦らせた熱き経営トップの決断と人生から学ぶところは多い。武士道の精神、恥を知ること、五つの倫理、九つの徳目、五常など日本の文化に誇りを持ちたい。また、独断と決断とは。承認と決定はどう違う。権限とは何を指すのか。改めて考えさせられた。「クリーン、オネスト、ビューティフル」心に残る。

1.絶えず考えながら本を読む
 世の中は「知の衰退」の時代になってきたと私は感じている。物事を掘り下げて考える力や本質をとらえる力と想像力が枯渇してきている。本を読まなくなったことが大きな要因の一つではないかと思っている。

2.最後は私が責任を持つ
 「他人のために尽くす。悪いときは矢面に立ち、良いときには後ろに下がる」それを苦痛と思わず、美徳として自然に行える人間、これがエリートです。役職が上がるにしたがって、他人の人生の責任を負う量が増える。

3.「声なきは会社に対する反逆だ」
 「これはおかしい」と思うことがあれば、きちんとそれを言える土壌を作りたい。日本人というのはブランコが揺れすぎる傾向があると私は思う。つねに自分の倫理観と照らし合わせて、自分の力で考え、発言していくという覚悟を持たなくてはならない。社会のためにならない事業は確固とした信念を持って「やめろ」と言う強さを持つ。そして、日本が大きな価値観として持たなければならないのは、世界の平和に貢献することです。また、北欧のように社会保障や福祉を充実させて、中間層に優しい社会をつくれば、それが今後の産業の発展につながると思う。

4.自覚と責任を持った人材を育てる
 自分が正しいと思うことは堂々と主張すればいい。しかし、他人の批判ばかりで、そこに謙虚さがなければ、指導者から適切なアドバイスはもらえない。そして、せっかくの実力を生かし切れずに終わってしまう。
 ビジネス社会で評価の軸は、周りから必要とされているかどうかだ。人間の能力はほとんど差がない。しかし、能力が開花するまでの時間の差は、天性の部分としてある。つねにエンジンを全開にして、その時にやれることを全部やる。先延ばしはよくない。スペシャリストこそ優秀なゼネラリストになれると思う。スランプは一生懸命に勉強や仕事をしている人がなるもので、勉強していない人はならない。

5.人は、仕事によって磨かれる
 仕事で悩み、苦しむからこそ人間的に立派になる。与えられたことを喜ぶべきです。給料だけでは量れない「見えざる報酬」、つまり自分の成長があります。また、一流の人と接することは非常に大事だと思う。

6.メディアのいうことを信用するな
 報道は嘘ではない。だけど、ほんの一部の特別なできごとであっても、珍しいからこそメディアは大々的に報道する。それを鵜呑みにしてはダメだ。現地に行って実際を見る。

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