はらたいらのジタバタ男の更年期
2008年09月13日(土)
悩める中年男性に大きな福音をもたらす告白書である。「トンネルには必ず出口がある」が心に残った。そして、「その時」がやって来たときにも、快適に乗り切るヒントがつかめると思う。不定愁訴を中心とした臨床症状に悩む男性がかなりの数に見られることが次第に明らかになってきている。つい最近までは、一般の人ばかりでなく、医学界でも”男性に更年期障害などあり得ない”という声が強かった。また、女性には「47歳の私に起こったこと」を読んでいただきたい。
1.ジタバタあがいていた
酒に弱くなった。頭が少しもすっきりせず、だるい。自分のことを「何か変だ」と思い始めた最初のきっかけだった。元気がないわりには、体調そのものはそれほど悪くはなかった。しかし、心がどんどん不健康になっていくようだった。今まで経験したことのない、「暗いトンネル」へと一人ぼっちで足を踏み入れてしまったような、重苦しい気持ちになっていた。仕事に関しては、まだマシだったが、プライベートなことに関しては、まったく根性がきかなくなってしまった。
「今のはらさん、更年期みたいよね」その瞬間、敵の姿が見えた。今まで抱えていた心のモヤモヤが、嘘みたいにスッと楽になるのを感じた。
2.更年期
更年期とは、”人生階段のステップ”、”人生の節目”の意味である。思春期は、子どもから大人への移行期であるように、更年期も、自分の意志とはまったく関係ないドラマティックな変化が、肉体に現れる。誰にでも分け隔てなく、必ず訪れる人生のイベントであり、いつかは抜けるトンネルである。更年期の感じ方は人それぞれであり、人生をがむしゃらにぶっ飛ばしてきた人ほど、ボコッと穴に落ちてしまうらしい。女性にとっても男性にとっても、孤独な苦しみである。
3.原則としてほとんど男女差はない
思春期の頃から毎月の生理などを通じて、あるいは避妊の知識や、妊娠・出産などを通じて、否が応にもホルモンを意識してきた女性と、さしたる関心も持たずに中年期に突入してしまった男との差が一番大きい。
4.「はら流・更年期乗り切り術」
生涯続くわけではないから、なるべく明るく明るく過ごす。
あくまで頭をからっぽにするために散歩する。
仕事量は三分の一程度に抑えている。
臨床経験の豊富な開業医の先生に話を聞いてもらう。
5.峠を越えて
人生始まって以来の苦しみを味わった僕だが、それと同時に、初めて人生何が大切なのかを自問自答する機会を与えられたような気がする。「ちょっと待った!」とブレーキをかける更年期があるおかげで、人は老いを受け入れる準備に取りかかることができる。僕が今楽しみにしているのは、まだ一度も経験したことがない老年期である。甘えられる女房を持つことが、究極の”男の甲斐性”なのではないかと思うようになった。
参考
47歳の私に起こったこと
ゲイル・サンド著 田辺希久子訳
大和書房
2000円
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