小島歯科医院 名誉院長ブログ

乳幼児とジュース

2024年05月15日(水)


  生後3~4ヶ月には果汁を飲ませない方がよい。生後6ヶ月頃頃になって果物を食べさせたい時は、ジュースではなく果物を潰して、繊維質を含んだ果肉ごと与える。
 アメリカ小児学会は、1歳までの乳児にジュースを与えることを勧めていない。幼児期の砂糖、ジュース、甘いものは膵臓に負担をかける。膵臓は4歳頃完成し、インスリンを作れるようになり、血中の糖質量をコントロールできるようになる。
 膵臓は消化酵素を作る要
・2歳 糖質の消化酵素を大人の70%
・3歳 脂肪とタンパク質の消化酵素が大人並みに
・4歳 糖質の消化酵素が大人並みに
 そして、繊維質が取り除かれているジュースは、果物そのものよりずっと急激に糖分が吸収されてしまうので、健康によくないことが分かってきた。「繊維が少ない食材」は美味しい。リンゴ4個は食べられないが、「ジュース」にすれば平らげられる。ジュースにすると、リンゴの繊維質のほとんどを搾りかすとして取り除かれる。だからジュースなどの糖分の多い飲み物を飲むと、ついついカロリーを摂りすぎてしまう。人間が果物の食べ過ぎで太らない理由は、食物繊維にある。食物から繊維を取り除くのは、食欲のブレーキを切ってしまうようなもの。
 ジュースの摂取量が多い子どもたちは、牛乳や肉、パン、野菜の摂取量が少なく、鉄や亜鉛、ビタミンDが不足する傾向にある。鉄不足は貧血を引き起こし、神経系の発達にも影響する。亜鉛も免疫システムや傷の治りに関係する。
 また、むし歯は感染症であり、ミュータンス菌の感染の窓と言われる、生後19ヶ月~31ヶ月(約1歳半~3歳)に細心の注意をすることが予防の第1歩となる。母親からの「子育て感染」が約70%であり、2歳児の感染有無がむし歯保有率を左右する。
 参考に
 ・科学的に正しい子育て
kojima-dental-office.net/blog/20200810-14294#more-14294
   3.母乳育児の「神話」を真に受けない
    ③乳幼児とジュース
 ・乳幼児期に必要な口腔機能の発達と食との関連(1)
kojima-dental-office.net/20150510-1156
   3.膵臓は消化酵素を作る要
 ・食欲人 原題は『Eat Like the Animals』
kojima-dental-office.net/blog/20240105-18821
    A.超加工食品
     c.超加工食品がなぜ、どのような問題を引き起こすのか?
      ①「繊維が少ない食材」はおいしい

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