低体重児と口腔の関係
2009年10月17日(土)
質問
低体重児と口腔の関係は、機能的なことや歯列形態のことで何かありますか?
回答
噛む能力は生まれつき備わっているわけではなく、訓練によって身に付くものでです。ほんの少し心がけるだけで、口腔の機能や形態は、発達、成長していきます。低体重児で生まれても、咀嚼発達のレベルに応じた離乳食のかたさを順序正しく進めれば問題ありません。そして、もう一つ大切なことは楽しい食卓です。
管理栄養士からの意見です
低体重児で生まれても、口腔の機能や形態の発達、成長に関しては、問題ないと考えます。低体重児の、成人後の生活習慣病のリスクについては、いろいろな研究からだんだんと明らかになってきていると思いますが、これは、低体重児自身の問題というよりは、低体重児にならないように、その母の生活習慣や体重管理などをどうしたらよいか、という観点で考えることが重要なところだと思います。また、低体重児で生まれると、すでに生活習慣病になってしまうことを背負ったような印象を受けますが、将来リスクが高いだけで健康的な生活習慣を身につければ他の児と変わらないと思います。そして、食事の進め方は、「低体重児なので」という特別な扱いはせず、母子手帳の成長曲線グラフを見ながら、個々にあった食事量が大切です。
言語聴覚士からのアドバイスです
低出生体重の方ですが、哺乳がうまくできて体重が順調に増加していらっしゃるならば、特に問題がないと思います。舌を上顎に押し付けポンプのようにおっぱいを飲みますが、これがうまくできていらっしゃる証拠ですものね。この乳児嚥下は約2ヵ月で変化の時を迎えます。徐々に喉頭の位置が下がって余力として、赤ちゃんらしい発声が聞かれるようになります。生後2ヵ月間は、命を成熟させるために発声より呼吸と嚥下を確保しているのですね。徐々に舌が左右に動いたり、前に出したりと、いろいろ動きが出てきます。この動きがいろんな音を作る元になります。体重増加と、笑い声、おはなしの変化がチェックポイント!
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