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精神医学の進歩

2009年09月27日(日)


 不安障害、気分障害、依存症、総合失調症、認知症、パーソナリティ障害などの疾患名から、大まかな特徴と治療・対応の整理ができた。また、発達障害や引きこもりが治療対象となる疾患ではなく、家族への支援対象となる状態像であることが理解できた。いずれにしても大切なことは、親身になって対応することである。そして、薬物療法に使われる抗不安薬と抗うつ剤の違いは、前者の作用には即時性があり、依存性があるのに対して、後者は効果が現れるのに10日ぐらい時間がかかることである。
参考までに
「心の時代」だからこそ 知っておきたい心療内科のことを
kojima-dental-office.net/19990828-2142

歯科に必要な一般医学の講演会-
基礎知識と最前線 -シリーズ 第⑦回
「精神疾患・障害と精神科的治療対応の現状」
講 師 奥田 宏  氏 (ひろメンタルクリニック 院長)
と き 2009年 9月27日 (日)9時半~12時半
ところ ホテル金沢 4階 エメラルド
対  象  : 会員医療機関の 歯科医師、医師、スタッフ (定員 50人)
主 催 :石川県保険医協会

現代日本で多いと考えられている順に
1.不安障害
 自分の世界が壊れることに対する身体的な表現がいろいろあり、また起きるのではないかという不安が続く。動機、ふるえ、発汗などのパニック発作がおきても30分程度で治まる。歯科治療中に何かのきっかけで発作が起きた場合は、抗不安薬を飲んでもらい、落ち着くのを待つ。

2.気分障害
 躁鬱状態ことで、治療は気分安定剤による薬物療法が基本。病状を不安定にする可能性があるため抗うつ剤を使わないのが原則。エネルギーが切れた状態を鬱の状態と理解して抗うつ剤を増量して悪循環を起こしていることが多い。診断がしっかりすると、病状がとたんに良くなり、薬がかなり減るというケースがある。

3.発達障害
 精神遅滞、アスペルガー障害を含む自閉症スペクトラム、ADHD、LDがある。

アスペルガー障害を含む自閉症スペクトラム
 *対人関係相互反応における障害
 *コミュニケーションの質的な障害
  (自閉症は言葉が未発達、アスペルガーは言葉が出る)
 *行動、興味、活動の限定された反復的で常同的な様式
  (こだわりが多い、知っているものはとことん知っている)
ADHD(Attention Deficit/Hyperaction Disorder)
 *不注意型 綿密に注意することができない、日常的に忘れ物をする
 *多動性・衝動性型 落ち着きがない、しゃべりすぎる、待つことができない

LD(Larning Disorder)
 読み、書き、そろばんの領域に不得意さがある。

4.依存症
 否認の病気のため、本人のことを心配しているという気持ちを伝えることが大切。治癒することがないため、禁酒ではなく断酒への支援をする。

5.総合失調症
 分裂病といわれていた。思春期から20歳代に発症することが多い脳の病気であり、親の育て方の問題ではない。薬物療法が有効であり、療養の基本は病気を受け入れ、うまく付き合うこと。

6.引きこもり
 病気ではなく、6ヶ月以上社会参加をしていない状態像である。親の立ち直りを援助することが先決。

7.認知症
 症状の成り立ちを理解して、ADLの介助と問題行動に至らないような環境を作ってあげることが大切。
 
8.パーソナリティ障害
 柔軟性のない著しく偏った内的体験や行動の持続的様式。

<案内文>
 歯科診療室に訪れる患者さんの既往歴を問診したり、現在服用している内服薬を調べると、精神科領域の問題を抱えている人が多いのに驚かされます。うつ病、パニック障害、睡眠障害、多動性障害、自閉症等を抱えている患者さんが歯科治療のため来院することは決して珍しくありません。と同時に、精神科領域の疾患は内科や外科的疾患に較べて把握や理解がしづらい面があり、対応に苦慮することが多いのも事実です。
 また、患者さんからの申告がなくても、精神科的な疾患が存在しそうだと感じることもありますが、そのことに関して患者さんに聞けない状況がおおく、不安を感じながら接しているのが現状です。そうした際に精神科的疾患を把握するポイント、ある疾患が予測できた場合どう対応すればよいか、患者さんに示唆したり適切な医療機関に紹介することは適当なのか等の疑問もあります。
 精神疾患・障害とはなにか、
精神医学における分類と診断について、典型的な精神科疾病などを、治療方法などを含め講義していただき、それを通して精神疾患・障害の理解を深めるきっかけになればと考えています。

  <抄録>
一個人外来診療所開業医から見た現在の日本での精神科医療の対象者の動向とそれらの人々への対応を概説します。
 一昔前は、分裂病、躁鬱病、神経症、てんかん、痴呆と分類も単純でした。今では、うつ病を含む気分障害と神経症と呼ばれていた不安障害が同時に存在しているケース、分裂病は統合失調症と名称が変更されましたが、それと誤診されていた発達障害や多重人格が見つかり、治療やケアが変更されたりということがあります。痴呆は認知症と改称され、4タイプがあるとされています。
 このように精神医学の進歩とともに精神障害の実態が単純ではないことがわかってきたものも多く、その他にも診断基準の問題、そして引きこもりといわれる社会的な問題も多くなり、精神医療も試練の時代を迎えていると言えるでしょう。
 講演では、現代日本で多いと考えられている順で不安障害、気分障害、発達障害、依存症、統合失調症、引きこもり、老年性・器質性精神障害、パーソナリティ障害、そして歯科心身症と私のわかる範囲で解説をしていく予定です。当日はレジュメに従い、各疾患の特徴、治療対応、問題点につき簡単に述べたいと思います。

― 経 歴 ―
             昭和57年3月金沢大学医学部卒業
            昭和62年4月石川県立高松病院赴任
            平成11年4月谷野呉山(たにのござん)病院赴任
            平成13年4月ひろメンタルクリニック院長

●参加申し込みは、保険医協会事務局まで。
電話:076-222-5373/FAX:076-231-5156
Email: iskw_ono@doc-net.or.jp

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