小島歯科医院 名誉院長ブログ

5.7.4.

2023年07月04日(火)


【1】保険証廃止法案の成立に抗議し、保険証で安心して受診できる国民皆保険の存続を強く求める
【2】都道府県等行政における歯科医療提供体制の検討の進め方について
【3】公的化後の共用試験に関する意見(案)
【4】電力料金等の物価高騰に対する医療機関への財政措置の実施を
【5】「認知症基本法」で何が変わる?
【6】介護保険を取り巻く状況
【7】急増する子どもの発熱患者 夏風邪の一種“ヘルパンギーナ”
【8】新型コロナウイルス感染症 関連
 ①新型コロナ、前週比1.35倍 定点当たり、42都道府県で増加
 ②第3回献血時の検査用検体の残余血液を用いた新型コロナウイルスの抗体保有割合実態調査(結果速報、概要)
【9】GX 関連法成立に抗議する
【10】“キヤノンショック”の衝撃
【11】沖縄科学技術大学院大学(OIST)創立8年で“東大超え”のワケ
【12】「年収の壁」50万円助成案
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【1】保険証廃止法案の成立に抗議し、保険証で安心して受診できる国民皆保険の存続を強く求める   
 保険証廃止抗議声明(石川県保険医協会 2023年6月7日)
 6月2日、参議院本会議において、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(いわゆるマイナンバー法)等の一部を改正する法律案」が可決・成立した。この法案には、医療保険各法における健康保険被保険者証(以下「保険証」)廃止のための条文の見直しも盛り込まれている。我々は地域医療を守る医師・歯科医師の団体として、国民にマイナ保険証への切り替えを強制し、マイナンバーカードの取得を事実上義務付ける本法案の成立に強く抗議する。
 本法案審議中には、マイナンバーカードをめぐる様々な問題が浮き彫りになった。医療・健康情報流出する可能性がある現状は、由々しき事態である。本来であれば、システムの運用を即刻ストップさせ、再発防止のための徹底的な検証が不可欠な現状において、マイナ保険証の利用停止どころか、その活用をさらに推進するような法案を通してしまう「国会」とは、いったい何なのであろうか。厚労大臣からは全国の健保組合等に対して、マイナ保険証の情報紐づけの実態調査依頼がなされ、その結果の取りまとめには数か月かかるとされている。少なくともこの調査結果を受けて更なる法案審議が行われるべきであり、今回の採決強行は、国民主権を有名無実化する「国権の最高機関」の暴走にほかならない。
 参考に オンライン資格確認システムトラブル事例アンケート 中間集計 2023.6.15
オンライン資格確認システムトラブル事例アンケート報道2023 年 6 月 16 日
 ・健康保険証、24年秋に廃止 改正マイナンバー法が成立
 (日本経済新聞2023年6月2日)
www.nikkei.com/article/DGXZQOUA318VW0R30C23A5000000/
 行政のデジタル化を進めるための改正マイナンバー法が2日の参院本会議で可決、成立した。2024年秋に予定する現行の健康保険証の廃止に向けた制度をそろえた。政府はマイナンバーカードと保険証を一体にする「マイナ保険証」の普及をめざす。今の保険証は来年秋以降、1年の猶予期間を経て使えなくなる。
 ・行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/211/f434_053101.pdf
 二 本法に基づくマイナンバーの利用範囲及び情報連携の拡大に伴い、地方公共団体等の事務負担が過大とならないよう配慮すること。
 三 マイナンバーカードの取得が任意であることに鑑み、その取得を強制しないこと。また、マイナンバーカードを取得していない者に対する不当な差別的取扱いは行わないようにすること。
 五 マイナンバーカード及び資格確認書が申請に基づいて交付されることを踏まえ、健康保険証の廃止に伴い、保険料を払っていても、資格確認書の申請漏れ等により無保険者扱いとされたり、現物給付による保険診療を受けることができない者が生じないよう、保険者が資格確認書を速やかに交付するなど、全ての被保険者が確実に保険診療を受けることができるための措置を講ずること。また、資格確認書に関する事務の円滑な執行に必要な措置を講ずるとともに、その発行に関し追加的な費用負担が可能な限り生じないよう必要な支援を行うこと。
 八 医療・介護・福祉施設等の事業者に対して、利用者・入所者等のマイナンバーカードの代理申請や管理などを事実上強制するような施策は厳に行わないこと。
 十三 オンライン資格確認等システムの医療機関等における整備に際しては、地域医療の確保に支障が生じないよう必要な措置を講ずること。また、電子証明書の有効期限切れに伴って医療機関等での利用に支障が生じないよう、対応について速やかに検討を行い、必要な措置を講ずること。
 ・マイナンバー総点検、医療保険や税・所得など29項目に拡大
 (読売新聞2023/06/21)
www.yomiuri.co.jp/economy/20230621-OYT1T50225/
 政府は21日、「マイナンバー情報総点検本部」(本部長・河野デジタル相)の初会合を開いた。これまでに問題が見つかった事項のデータだけでなく、マイナンバーカードの専用サイト「マイナポータル」で情報を閲覧できる税・所得や雇用保険など29項目すべてに点検範囲を拡大すると決めた。
 29項目(まだ紐付けに空きあり、これからどんな物が追加されるか)
myna.go.jp/html/person_info_list.html
【2】都道府県等行政における歯科医療提供体制の検討の進め方について
 (資料1-1)
www.mhlw.go.jp/content/10804000/001102337.pdf
 第8回 歯科医療提供体制等に関する検討会 令和5年5月31日
www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33287.html
 歯科医療提供体制等に関する検討会
www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_127375_00006.html
 ○地域ごとの歯科医療資源及び住民ニーズを見える化したうえで、PDCA サイクルに基づいた取組を進めるため、都道府県庁内で歯科医療提供体制を、どの部局において、どのように推進していくのか整理することが重要である。
 ○医療の取組は都道府県が主体で、介護の取組は市町村が主体で取り組んでいる。医療と介護の連携、認知症、障害者施策等について都道府県と各市町村間で取組を共有し、連携する等行政機関同士のチャンネルを構築することが重要である。
○各都道府県において、当該地域の歯科医療資源の実情を踏まえ、地域特性に応じた歯科医療提供体制を検討する必要がある。
○なお、その際には PDCA サイクルを意識した取組が進められることが重要である。
・歯科医療の社会資源をはじめとした現状分析や課題把握
・P(計画) 現状を踏まえた目標の設定
・D(実施) 設定した目標を達成するための取組の企画・立案
・C(評価) 目標の到達度の確認と事業の見直し
・A(改善) 再計画立案
○目標を設定する前に、歯科保健医療提供体制の理想とする姿(目指す姿)を策定し、関係者間で共有することが大切である。目指す姿を実現するために、PDCA サイクルに基づき、具体的な目標を設定し、実現に向けた方策を実行することが重要である。
○目標を設定する際には、地域の歯科保健医療資源等も把握したうえで実現可能性の高い内容とするため、行動主体(専門職、保険者、患者等)や期間・期限を明確にすることも重要である。その際には、事業の継続性や効率性を高める観点から、既存事業や関連事業を整理したり、課題及び目標の優先順位を設定したりすることも重要である。
 【歯科専門職の人材確保・育成等】
 ○第8次医療計画等に関する意見のとりまとめにおいて、在宅療養患者に対する口腔の管理の重要性について記載されている。近年、口腔と全身との関係について広く指摘されており、口腔の管理の重要性が高まっていること等から、在宅歯科医療において、歯科医師だけはなく、歯科衛生士の口腔の管理へのより一層の関わりが期待されている。
 ○就業歯科衛生士の 95%は歯科診療所や病院で働いていることから、歯科衛生士の働き方は歯科診療所の開設者・管理者である歯科医師に依るところが大きい。
 ○歯科衛生士の求人については、希望する勤務日数・時間数・従事内容も様々であることを踏まえることが重要である。特に、仕事と家庭の両立等の観点から、柔軟な勤務時間による求人が推進されることが期待される。
【3】公的化後の共用試験に関する意見(案)
 (資料1)
www.mhlw.go.jp/content/10803000/001078323.pdf
 令和5年度第1回医道審議会歯科医師分科会歯学生共用試験部会 令和5年5月19日
www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32889.html
 ○ 国及び共用試験実施機関においては、今後、本意見を踏まえ、共用試験の公的化に向けて取り組むことが求められるが、その際、評価者・模擬患者や試験室の確保など公的化後の共用試験実施に伴う大学の負担の軽減に努めることが必要である。
○ また、診療参加型実習を充実したものにし、卒前・卒後のシームレスな歯科医師養成を実現する上で、患者や国民の理解・協力は必要不可欠である。このため、国においては、共用試験により診療参加方臨床実習に参加する歯学生の知識及び技能が保証されていること、歯学生の歯科医業が法的に位置づけられていること等について、患者や国民に周知することが必要である。
○ なお、共用試験については、公的化される令和6年度以降も、その実施状況や客観的な根拠、大学その他の関係者の意見等を踏まえた不断の改善及びこれに伴う大学の負担を軽減するための方策の検討が必要である。本部会としては、引き続き、そのための取組を行うこととしたい
 参考に
 参考資料4 共用試験の公的化に係る論点について
www.mhlw.go.jp/content/10803000/001077686.pdf
 ① 合格基準の設定について
 ② OSCE の課題数及び種類について
 ③ OSCE の評価体制について
 ④ OSCE の模擬患者について
 ⑤ 受験機会の確保について
 ⑥ 不正行為への対応について
【4】電力料金等の物価高騰に対する医療機関への財政措置の実施を
 (全国保険医団体連合会2023 年5月 31 日)
hodanren.doc-net.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/230531_yosei_Infl.pdf
 諸物価の高騰が、医療機関にも大きな影響を及ぼしています。
当会が3月から4月にかけて実施した調査では、昨年同時期と比べ 95%近くの医療機関が、電力料金が「上がった」と回答。そのうち 71%は、値上がり幅「1割以上」となっています。
 この間、多くの自治体では、国の地方創生臨時交付金を活用した医療機関への支援金、助成金が措置されましたが、自治体によって対象となる医療機関や支給額に開きがあり、地域格差が生まれています。
 このたびの急激な諸物価高騰への対応として、一時的、限定的な補助には限界がある上、医療機関が継続して十分な医療提供をしていくためには、公定価格である診療報酬での手当など抜本的な財政措置が緊急に必要です。
 医療機関経営と地域医療を守るため、下記の実現を強く要望するものです。
            記
一、臨時改定を含めた診療報酬の大幅引き上げ等、全国すべての医療機関を対象にした国による財政措置を実施すること
一、地方創生臨時交付金を増額し、すべての医療機関が十分な補助を簡易な手続きで受けられるよう、条件を整備すること
 参考に
医療機関等への支援に関する新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」等の活用について
 (厚生労働省事務連絡令和5年3月29日)
ajhc.or.jp/siryo/20230329sien.pdf
【5】「認知症基本法」で何が変わる?
news.yahoo.co.jp/byline/mamoruichikawa/20230623-00354678
 6月14日、「認知症基本法」(共生社会の実現を推進するための認知症基本法)が参議院で可決、成立。1年以内に施行される。国としての理念を示したうえで、「国民の理解の増進」「バリアフリー化の推進」「認知症の予防」などを基本的施策として定めている。
 「認知症を予防する」ことではなく、「認知症に関する正しい知識及び認知症の人に関する正しい理解を深める」こと。基本法や国の基本計画を指針として、わが街の課題やニーズについて当事者を交えて良く議論し、方向性を決めていく。
 参考に
 共生社会の実現を推進するための認知症基本法案
www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/211/meisai/m211090211024.htm
議案要旨
(厚生労働委員会)
共生社会の実現を推進するための認知症基本法案(衆第二四号)(衆議院提出)要旨
 本法律案は、我が国における急速な高齢化の進展に伴い認知症の人が増加している現状等に鑑み、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、所要の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
一、この法律は、認知症施策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにし、及び認知症施策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、認知症施策の基本となる事項を定めること等により、認知症施策を総合的かつ計画的に推進し、もって共生社会の実現を推進することを目的とする。
二、この法律において「認知症」とは、アルツハイマー病その他の神経変性疾患、脳血管疾患その他の疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態として政令で定める状態をいう。
三、認知症施策は、全ての認知症の人が、基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活及び社会生活を営むことができるようにすること等の事項を基本理念として行われなければならない。
四、国及び地方公共団体は、三の基本理念にのっとり、認知症施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
五、国民は、共生社会の実現を推進するために必要な認知症に関する正しい知識及び認知症の人に関する正しい理解を深めるとともに、共生社会の実現に寄与するよう努めなければならない。
六、政府は、認知症施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置等を講じなければならない。
七、政府は、認知症施策推進基本計画を策定しなければならない。当該基本計画に定める施策については、原則として、当該施策の具体的な目標及びその達成の時期を定めるものとする。
八、都道府県は、都道府県認知症施策推進計画を策定するよう努めなければならない。市町村(特別区を含む。)は、市町村認知症施策推進計画を策定するよう努めなければならない。
九、認知症施策を推進するため、内閣に、内閣総理大臣を本部長とする認知症施策推進本部を置く。
十、認知症施策推進本部に、認知症の人及び家族等のうちから、内閣総理大臣が任命する委員で組織する認知症施策推進関係者会議を置く。認知症施策推進本部は、認知症施策推進基本計画の案を作成しようとするとき等には、あらかじめ、認知症施策推進関係者会議の意見を聴かなければならない。
十一、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
【6】介護保険を取り巻く状況
 (資料1 介護分野の最近の動向)
www.mhlw.go.jp/content/12300000/001099975.pdf
 第217回社会保障審議会介護給付費分科会 令和5年5月24日
www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33174.html
 社会保障審議会(介護給付費分科会)
www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126698.html
 ○介護保険制度は、制度創設以来22年を経過し、65歳以上被保険者数が約1.7倍に増加するなかで、サービス利用者数は約3.5倍に増加。高齢者の介護に無くてはならないものとして定着・発展している。
 ○要介護(要支援)の認定者数は、令和2年度末現在682万人で、この21年間で約2.7倍に。このうち軽度の認定者数の増が大きい。
 ○介護保険の保険給付費・地域支援事業費と65歳以上が支払う保険料は、年々増加
 ○要介護認定率は、年齢が上がるにつれ上昇。特に、85歳以上で上昇。
○85歳以上の人口は、2015年から2025年までの10年間、75歳以上人口を上回る勢いで増加し、2035年頃まで一貫して増加。
 ○第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
   ・2023年度には約233万人(+約22万人(5.5万人/年))
   ・2025年度には約243万人(+約32万人(5.3万人/年))
   ・2040年度には約280万人(+約69万人(3.3万人/年))
  となった。 ※( )内は2019年度(211万人)比
【7】急増する子どもの発熱患者 夏風邪の一種“ヘルパンギーナ”
 ワクチン無し、主な感染経路は飛沫・接触
(メーテレ名古屋テレビ2023年6月29日)
www.nagoyatv.com/news/?id=019502
 ヘルパンギーナとは 国立感染症研究所
www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/515-herpangina.html
 夏風邪にかかる子どもが増えています。中でも、ヘルパンギーナは東海3県ともに流行していて、愛知県では過去最多に迫るペースで患者が増え、三重県では7年ぶりに流行警報も出されました。 
 ヘルパンギーナは、2~3日の潜伏期間をおいて、喉に強い炎症を起こし、喉に水疱や赤い斑点が見られる病気。38℃以上の高熱、2~3日で下がる。
 国立感染症研究所が発表した6月12日から18日の患者報告によると、定点医療機関で確認された1医療機関あたりの感染者数は愛知県が4.51人、岐阜県が2.17人、三重県は7.38人と、いずれも前の週より増えていて三重県では、7年ぶりに警報基準値を上回りました。
 この3年間は皆が徹底的に手洗いやマスクなどの感染対策をしてきて、その間は、夏風邪の流行が見られなかった。ということは、夏風邪に対する免疫を持っていない、子どもたちが増えて、ヘルパンギーナ流行につながったと予測する。
【8】新型コロナウイルス感染症 関連
 ①新型コロナ、前週比1.35倍 定点当たり、42都道府県で増加
 (共同通信社2023.5.26.)
nordot.app/1034754019648766178
 厚生労働省は26日、全国約5千の定点医療機関から15~21日の1週間に報告された新型コロナの感染者数は計1万7489人で、1医療機関当たりの平均は3.56人だったと発表した。前週比で1.35倍となり、42都道府県で増加した。
 都道府県別で定点当たりの感染者数が多かったのは、沖縄10.80人、石川6.38人、岩手6.32人。少なかったのは島根1.55人、徳島1.62人、高知1.70人など。青森、富山、島根、広島、徳島は前週から減った。全国で新たに入院した患者数は3215人で、前週比1.29倍だった。
 厚労省は、定点医療機関の報告を集計して週1回公表しており、今回が2回目。
 参考に
 石川県 新型コロナウイルス感染症の患者発生状況
www.pref.ishikawa.lg.jp/kansen/coronakennai.html
 ②第3回献血時の検査用検体の残余血液を用いた新型コロナウイルスの抗体保有割合実態調査(結果速報、概要)
 (資料2-2 抗体保有割合実態調査結果)
www.mhlw.go.jp/content/10900000/001108939.pdf
 第122回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和5年6月16日)
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00424.html
 ○令和4年度は、夏の感染拡大(いわゆる第7波)、秋の感染拡大(いわゆる第8波)等を踏まえ、計2回(令和4年11月及び令和5年2月)実施した。献血時の検査用検体の残余血液を用いた新型コロナウイルスの抗体保有割合実態調査において、日本全体の結果は、第1回が28.6%(※1)、第2回が42.0%(※1)であった。
 ○国民の抗体保有割合は、今後の感染動向の予測や対策等を検討する際に極めて有用なデータであり、新型コロナウイルス感染症にかかる感染症法上の位置づけ変更後における重層的な流行状況の把握を目的とした、直近の抗体保有状況について、日本赤十字社の協力のもと、第3回目の当該調査を実施した。
 ○この結果、令和5年5月時点の日本全体の抗体保有割合は、42.8%(速報値)であった。
 ③新型コロナ患者の自宅での死亡事例に関する自治体からの報告について
www.mhlw.go.jp/content/001115095.pdf
 令和4年 11 月から令和5年1月までにおける新型コロナウイルス感染症患者が自宅で死亡された事例を踏まえた自治体の対応について(通知)
 (厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部令和 5 年6 月 29 日)
www.mhlw.go.jp/content/001115088.pdf
 (自治体・医療機関向けの情報一覧(事務連絡等)(新型コロナウイルス感染症)2023年)
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
 ・死亡者のうち6割以上が80歳以上の高齢者であり、また重症化リスクの高い基礎疾患を有している方が約8割
 ・死亡直前の診断時の症状の程度については、軽症・無症状が38.3%、中等症が13.4%、重症が13.8%、不明又は死亡後の診断が34.5%
 ・生前に陽性が判明した者は65.2%、死後に陽性が判明した者は31.7%、不明が3.1%
【9】GX 関連法成立に抗議する   
 声明_GX関連法成立に抗議する(石川県保険医協会 2023年6月2日)
 5 月 12 日に GX 推進法案(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案)が、続く 5 月 31 日には GX 脱炭素電源法案(原子力基本法、原子炉等規制法、電気事業法、再処理法、再エネ特措法の改正案の 5 つの一括法案)が参議院本会議で可決・成立した。いずれも「脱炭素」「エネルギーの安定供給」を名目とするが、その本質は東電福島原発事故以降、歴代政権が堅持してきた「可能な限り原発依存度を低減する」との原則を改め、原発推進を掲げたものである。東電福島原発事故の収束の目途も立っておらず、国民的議論もなされぬまま「原発回帰」に政策転換したことに、断固抗議する。
 政府が 2 月に閣議決定した GX 基本方針では、原発の着実な再稼働、次世代革新炉の開発、核燃料サイクルの促進等を掲げており、GX 推進法はその具体化のための経済投資を定めたものである。10 年間で 20 兆円の GX 経済移行債の発行や 150 兆円超の官民投資を促すことで、既に斜陽になっている原子力産業の延命を図るというものだ。
 一方、GX 脱炭素電源法の一つである(改正)原子力基本法は、原子力活用を「国の責務」と言い切り、人材育成、立地地域の振興や原子力産業の基盤維持など、原子力産業への手厚い支援を講じることを定めた。日本の原子力発電量は、福島事故以前にピークを過ぎ、事故後は減少の一途を辿ってきた。このような原子力産業を手厚く保護し国費を投じることは、原発より経済合理性の高い再生エネルギーの技術革新や普及を妨げるばかりか、解決できない核廃棄物を増やし続けることになる。
 さらに、原子炉等規制法および電気事業法の改悪により、原発の運転期間上限に関するルールを原子力規制委員会(規制側)の管轄から切り離し、経済産業省(推進側)の決定で 60 年以上運転できる仕組みに変えた。今後、老朽化原発の再稼働・運転長期化が進むことになろうが、安全面では様々な問題が指摘されている。原発は停止中でも複雑な機材・部品・配管・ケーブル等の経年劣化が進行するのは自明のことであり、運転長期化により故障・事故リスクは当然高まる。また、原子炉圧力容器は中性子照射で脆化するため、劣化評価を行う監視試験片を原子炉圧力容器内に設置している。しかし、40 年以上運転を続けると監視試験片が不足するため、適切な評価データが取得できず、原子炉圧力容器の脆弱性を評価できなくなる。老朽化原発の延命は、このような問題に目を向けようとしていない。
 参考に
 ①「GX推進法案」 衆院で修正部分の採決 賛成多数の同意で成立 2023年5月12日
www3.nhk.or.jp/news/html/20230512/k10014065381000.html
 ②「GX推進法」が成立、原発回帰を明文化したエネルギー政策は本当に脱炭素を加速させるのか 2023.05.16
www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1215252_1534.html
 ③5.2.15. 【5】原発回帰のGX基本方針案、政府がパブコメ開始
kojima-dental-office.net/20230215-6841
 ④“国際的安全基準に合致” 処理水放出でIAEAが報告書
  (NHK2023.7.4.)
www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20230704/6000023996.html
 「処理水の放出は日本政府が決定することであり、この報告書はその方針を推奨するものでも承認するものでもない」
【10】“キヤノンショック”の衝撃
 (NHK2023年6月6日)
www3.nhk.or.jp/news/html/20230606/k10014091231000.html
 ことし3月下旬に開かれたキヤノンの株主総会では、27年以上にわたって経営トップを務める御手洗冨士夫会長兼社長CEO(87)の取締役再任に賛成した株主の割合が50.59%にとどまりました。
 機関投資家である資産運用会社の投票行動を調べると浮かび上がってきたのは、投資家のジェンダーバランスに対する厳しい目でした。例えば国内大手の野村アセットマネジメントや大和アセットマネジメント、それに三井住友DSアセットマネジメントは「女性取締役の不在」などを理由に御手洗氏の再任に反対したと公表しています。これらの会社は去年の株主総会では賛成していましたが、この1年の間に議決権行使基準を見直していました。いずれも女性取締役が1人もいない場合は、経営トップの選任などに反対するという基準に改めていて、この基準に則ってことしは反対票を投じたとしています。さらに株主の判断に影響したとみられるのがアメリカの大手議決権行使助言会社ISS。
 欧米では、一定の割合で女性役員の登用を義務づける「クオータ制」を取り入れる国や州があり、女性役員の比率は、フランスの45.2%をはじめ、イタリアやイギリスなどで40%を超えています。アメリカでは、31.3%となっていて、OECD各国の平均は29.6%です。これに対して日本の女性役員の比率は15.5%にとどまっています。
 参考に
 「男女格差後進国」の衝撃
kojima-dental-office.net/blog/20220611-15490#more-15490
 稲森和夫、かく語りき
kojima-dental-office.net/blog/20230604-17199
 第一に株主貢献ではなく、従業員の物心両面の幸せを実現し、社会への貢献を果たすことを目的に掲げている。
 医師や歯科医師の働き方改革
kojima-dental-office.net/blog/20220719-15495#more-15495
 月刊保団連 2023年6月号
特集 ジェンダー平等で多様性ある社会へ
hodanren.doc-net.or.jp/publication/gekkan/2023-06/
【11】沖縄科学技術大学院大学(OIST)創立8年で“東大超え”のワケ
 世界中から人材が集まる沖縄・OISTのユニークな研究環境
 (IT media NEWS 2020年03月16日)
www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/13/news134.html
 論文科学誌「Nature」を発行する英Springer Natureが2019年6月に取りまとめた、2018年の自然科学分野の大学における質の高い論文の割合ランキングで、沖縄科学技術大学院大学(OIST:オイスト)が世界9位にランクインした。日本勢では次いで東京大学が40位、京都大学が60位と、OISTがダントツだ。
年間約60人のフルタイムの大学院生を受け入れてい.る。
 出願
admissions.oist.jp/ja/apply-phd
沖縄科学技術大学院大学(OIST)
www.oist.jp/ja
 先駆的な大学院大学である OISTは、科学の新たなフロンティアを開拓するため、分野の垣根を越えた研究を行っている。また、新世代の科学を率いるリーダーを育成し、沖縄にイノベーション拠点を形成する触媒の役割を果たす。
 OISTでは5年一貫博士課程およびリサーチ・インターンシップを提供している。教員と学生の半数以上を外国人とし、公用語は英語とする。
 OISTは学部を設けず、50以上の国から研究者が集まり、異なる分野で働く人々の間の人工的な障壁をなくし、科学分野の垣根を越えて協力することで、新たな発見や課題解決に向けた新しいアプローチを生み出している。
 OISTは、生物学、化学、計算科学、生態学・進化学、工学・応用科学、海洋学、数学、神経科学、物理学に関連する研究専門分野において、世界の学術界における科学と教育のあり方を変革するために、世界最高の頭脳を沖縄に結集させている。
 管轄は文部科学省ではなく、内閣府。
www8.cao.go.jp/okinawa/4/oist-info.html
【12】「年収の壁」50万円助成案
 (中日新聞2023年6月28日)
www.chunichi.co.jp/article/718464
 配偶者に扶養されるパート従業員が、社会保険料負担の発生を避けるため働く時間を抑える「年収の壁」に関する政府の対策案が分かった。保険料を穴埋めする手当を払った企業に対し、従業員1人当たり最大50万円を助成。従業員の負担解消につなげ、労働時間を延長しやすくすることで人手不足緩和を狙う。関係者が28日明らかにした。
 飲食業や観光業を中心に、コロナ禍後も働き手が戻らず、営業に支障が出ている所もある。個人の収入確保とともに、経済を円滑に回す環境整備を進める。
 政府内の調整を経て最終決定し、年内にも対策を開始。時限措置とする。
 参考に
 パートが抱える「年収106万円の壁」従業員1人あたり50万円の助成案に「絶望的な小手先感」「場当たり的」と批判殺到 
 (FLASH2023年6月29日)
news.yahoo.co.jp/articles/1b1a85a45c2e05cfa0e937e612a1671fb145f07e
 年収の壁を一覧でわかりやすく解説
www.freee.co.jp/kb/kb-trend/income-wall/

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