6.11.12.
2024年11月12日(火)
【1】歯科領域の抗菌薬適正使用における現状と課題
【2】石破茂首相、マイナ保険証一本化「スケジュール通り」
【3】立憲 紙の保険証“廃止延期”法案を提出 政府は来月廃止の方針
【4】オンライン資格確認の利用状況 8月
【5】マイナポで介護事業所と情報を共有
【6】コロナ死者、年間3万2千人 5類移行後、インフルの15倍
【7】ノーベル平和賞、日本被団協に
【8】高齢社会対策大綱
【9】歯科の構成割合が7.0から6.9%へ 令和4(2022)年度
【10】秋に生じる体の不調「秋バテ」とは-症状や対策・解消法を解説
【11】公取委の再調査で淘汰が始まる「クレカ業界」の生き残り作戦
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【1】歯科領域の抗菌薬適正使用における現状と課題
資料3 抗微生物薬適正使用の手引きの改訂について(案)
www.mhlw.go.jp/content/10906000/001317267.pdf
第9回厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会
(令和6年10月16日)
www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44135.html
【現状】
・全国抗菌薬使用量調査によると、医科領域における内服抗菌薬は 90% 以上であり、歯科領域では 99% が内服抗菌薬である。さらに、歯科領域においてはペニシリン以外の βラクタム系抗菌薬が半数を占め、その中でも第3世代セファロスポリンが大部分を占めている。
・本邦においても JAID/JSC 感染症治療ガイドや歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドラインに抗菌薬の使用方法が記載されているものの、使用量調査より、必ずしもガイドラインに準じた処方になっていない状況があると推測される。
【課題】
・歯科領域の抗菌薬処方は、多くが歯科診療所で行われていると推測され診療所内での処方が完結するケースがある。このような状況を踏まえると本質的に製薬企業等との利益相反 (COI) の考慮が必要であり、国から適正使用の情報を発信することが必要である。
・以上を加味して、薬剤耐性(AMR)対策アクションプランにおける戦略4.1を基に、歯性感染症に対する治療薬や術後感染予防抗菌薬適正使用等の歯科領域の適正使用に向けた包括的な手引きを作成してはどうか。
【事務局案】
・手引き第四版では、本体(外来編、入院編、歯科領域編)・別冊・補遺の3編構成とし、外来編・入院編の 内容の整理および更新 を行うとともに、新たに歯科領域編 を書き下ろしてはどうか。「歯科領域編」では歯科診療に関わる医療従事者を対象に抗菌薬適正使用について解説する予定である。
・「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2023-2027」においては、戦略4.1における取組として手引きの改定、内容の充実及び臨床現場での活用の推進を掲げており、今回、歯科領域における抗菌薬の適正使用に関する内容を追加することを目的として、AMR小委員会 抗微生物薬適正使用 (AMS) に関する作業部会を開催する(11月中旬開催予定)。
【2】石破茂首相、マイナ保険証一本化「スケジュール通り」
(東京新聞2024年10月7日)
www.tokyo-np.co.jp/article/358949
立憲民主党の吉田晴美衆院議員が衆院本会議の代表質問(2024.10.7.)で「総理、廃止時期は見直すということでよろしいですか」と迫った。吉田氏は、石破首相の「併用も選択肢として当然」という発言も引用し、「この併用とは、12月2日からの1年間を指すのではなく、それ以降もずっと併用できるという理解でよろしいでしょうか」と追及した。
石破氏は「現行の健康保険証の新規発行終了につきましては、法に定められたスケジュールにより進めていきますが、マイナー保険証が利用できない方も確実に保険診療が受けられますように、資格確認書の活用も図ってまいります」と答弁した。
参考に
①「マイナ保険証トラブル調査」等の集計結果 記者発表プレスリリース2024.10.17.
(石川県保険医協会)
概要
1 「マイナ保険証による医療現場のトラブル調査」
・ 今年5月以降のマイナ保険証トラブル・不具合「あり」との回答は、7割超
・ 主なトラブル内容は、「資格情報が無効と出る」「カードリーダーの接続不良」
「該当の保険者番号がない」「負担割合の齟齬」など
・ トラブル時の対応では、「保険証で確認」が最多(241 件の回答中 156 件)
・ 保険証廃止について、約8割が「保険証は残すべき」と回答
2 「保険証廃止に伴う資格確認書送付等に関する自治体アンケート」
・ マイナ保険証の有効期間や電子証明書の失効期間について、
12 自治体が「把握していない」と回答
・ 資格確認書については、「マイナカードを取得していない、あるいは、
取得していても保険証と紐づけされていない被保険者」に交付する
ことになっているが、
「すべての国保加入者に送付する」との回答も1自治体からあった
3 「能登半島地震被災会員アンケート」
(発災1か月間の資格確認に係る調査項目より)
・ 患者がマイナ保険証による資格確認を希望したが、
「できないことがあった」との回答があったのは、37.5%。
その理由は、「停電等で使用不可」との回答が最多。
自由記述では、「マイナカードを利用する人はほとんどいない」
「資格確認用のパソコンが損傷」などの回答あり
・ マイナ保険証で資格確認できなかった際の対応は、
「保険証による資格確認」が最多
②国会中継録画 代表質問(2024/10/07) 1:56:15
www.youtube.com/watch?v=71YG5t97Q-s
年収130万円の壁に関する質問も
策定された1993年当時の最低賃金の時給は583円であり、8.5時間働けたが、2024年の1055円では4.7時間となり、働く時間を調整するため人手不足解消されないという痛し痒しをどう解消するのか
パートで働く人々は「社会保険制度」に翻弄されている
topics.smt.docomo.ne.jp/article/financialfield/life/financialfield-338650?utm_source=dnews&utm_medium=article&utm_campaign=contentsmatch4
2024年9月までは、社会保険に加入しなくてよい年収は「年収106万円未満」または「年収130万円未満」。会社の規模によって年収のラインが異なっていた。
年収106万円未満に該当するのは、従業員数101人以上の会社に勤めている人。年収130万円未満に該当するのは、従業員数100人以下の会社に勤めている人。
なお、年収106万円というのは、月々の給与が8万8000円以上という要件から来ている金額。正確には「年収105万6000円未満」。そして、年収106万円以下については、さらに細かい要件がある。
・所定労働時間が週20時間以上
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある
・学生でない
これらを1つでも満たさない場合は、年収106万円以上であっても社会保険の対象にはならない。
*2024年10月1日以降、社会保険の適用範囲が拡大された。「年収106万円未満」条件に当てはまる企業が、これまでの従業員数101人以上から51人以上になった。
【3】立憲 紙の保険証“廃止延期”法案を提出 政府は来月廃止の方針
(日テレニュース2024.11.12.)
news.yahoo.co.jp/articles/41f1c713af82a4de24f89812486a5b8c85df8baa
健康保険証について政府はマイナンバーカートを健康保険証として使う「マイナ保険証」に一本化する方針で、12月2日に現行の紙の保険証を原則廃止することを閣議決定しています。
これに対して立憲民主党は「マイナ保険証をめぐる混乱が続く中で紙の保険証の廃止は早すぎる」として、「保険証廃止延期法案」を衆議院に提出しました。紙の保険証の廃止を延期し、しばらくの間は現在の併用状態を継続すべきだとしています。
その上で、先に行われた自民党総裁選挙の期間中に石破首相と林官房長官が「マイナ保険証」と紙の保険証を併用することも検討すると述べていたことを指摘し、「首相と官房長官になったらころっと変わってしまった」と両者の対応を批判しました。
法案提出者のひとりである立憲の柚木衆院議員は与党が過半数を割っている現状を踏まえ、「与党は野党の意見も受け止めてやると仰っている。本当に民意に寄り添うか問われている試金石だ」と指摘しました。
参考に
今の保険証を存続 立民は7日、公約を発表
(NHK2024年10月7日)
www3.nhk.or.jp/news/html/20241007/k10014603431000.html
立憲民主党は7日、衆議院選挙の7つの柱からなる公約を発表。マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の利用率が低迷する中、国民の不安が払拭(ふっしょく)されるまでは今の保険証を存続させるとしています。
【4】オンライン資格確認の利用状況 8月
資料2 マイナ保険証の利用促進等について
www.mhlw.go.jp/content/12401000/001309906.pdf
第183回 社会保障審議会 医療保険部会 9月30日
www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43984.html
令和6年8月のマイナ保険証利用人数(1,263万人)から、当該月に医療機関に受診した人の推計値(6,503万人)を用いて、一月に医療機関を受診した人のうち、マイナ保険証を利用した人の割合(推計値)を算出すると以下のとおり。
医療機関受診者に占めるマイナ保険証利用者の割合 19.4%
医療機関受診者(MNC保有者)に占めるマイナ保険証利用者の割合 26.0%
医療機関受診者(マイナ保険証登録者)に占めるマイナ保険証利用者の割合 32.2%
【5】マイナポで介護事業所と情報を共有
(資料4 介護情報利活用ワーキンググループの検討状況について)
www.mhlw.go.jp/content/12600000/001303781.pdf
第16回 健康・医療・介護情報利活用検討会 令和6年9月12日
www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43130.html
介護情報基盤を通じ、新たに収集されるケアプラン情報、主治医意見書、医療機関・介護事業所間で連携する介護情報については、その他の二次利用される情報と同様に、データの処理や管理の方法について、「医療等情報の二次利用に関するワーキンググループ」において整合性を確保することとする。
【令和6年3月29日に公表した中間とりまとめの内容】
1.介護情報基盤による介護情報の共有の範囲のまとめ
2.同意、個人情報保護の観点から必要な対応について
3.情報セキュリティの担保の観点から必要な対応について
4.情報共有に係る技術的課題について
5.今後の二次利用を見据えた情報共有のあり方について
6.今後の検討課題について
【6】コロナ死者、年間3万2千人 5類移行後、インフルの15倍
(共同通信2024.10.24.)
news.yahoo.co.jp/articles/5591fd4756fe4cba826a72ff4c925d5d98508be8
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類となった2023年5月~24年4月の1年間で、死者数が計3万2576人に上ったことが24日、厚生労働省の人口動態統計で分かった。季節性インフルエンザの約15倍と格段に多く、大部分を高齢者が占める。政府は重症化リスクの低下を理由に新型コロナの類型を引き下げ、日常生活の制約はほぼなくなったが、今も多くの人が脅威にさらされている。
人口動態統計のうち、確定数(23年5~12月)と、確定前の概数(24年1~4月)に計上された新型コロナの死者数を集計。その結果、3万2576人となり、65歳以上が約97%だった。同時期のインフルエンザの死者数は2244人。新型コロナは、ウイルスが次々と変異して高い感染力を持つ上、病原性はあまり低下せず、基礎疾患のある高齢者が感染して亡くなっているとみられる。
【7】ノーベル平和賞、日本被団協に
被爆者証言が「核のタブー」成立に貢献と評価
(BBC NEWS JAPAN 2024年10月11日)
www.bbc.com/japanese/articles/ckgnp02v5r0o
ノルウェー・ノーベル委員会は11日午前11時(日本時間同日午後6時)すぎ、今年の平和賞を、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表した。被爆者の立場から世界に核兵器廃絶を訴えてきた活動を、高く評価した。
ノルウェー・ノーベル委員会のヨルゲン ・ヴァトネ・フリドネス委員長は、広島と長崎の被爆者による草の根運動の日本被団協が「核兵器のない世界実現を目指して努力し、核兵器は二度と使われてはならないのだと目撃者の証言から示したこと」を授賞理由とした。
フリドネス委員長は、1945年8月の原爆投下以降、「核兵器使用による壊滅的な人道的影響」の世界的認識を高めるための運動を通じて、核兵器の使用は道徳的に受け入れがたいのだという「核のタブー」として知られるようになった規範が成立したと説明。被爆者の証言がこれに大いに貢献したとたたえた。
「核兵器は二度と使ってはならない」という世界的な合意形成に、被爆者が語る個人的な経験やそれをもとにした教育運動が独特の役割を果たし、核兵器の拡散と使用に反対する動きを広めたとも、委員長は述べた。
「被爆者は、語りようがないものを私たちが語ることを、助けてくれる。考えようがないものを考えることも。そして核兵器がもたらす、理解を超えた苦痛と苦悩を理解することも、助けてくれる」と、委員長は強調した。原爆の被害者に言及する際には、「ヒバクシャ」と日本語の単語を使った。
フリドネス委員長はそのうえで、広島と長崎への原爆投下以降、80年近くにわたり戦争で核兵器が使われていないのは「前向きな事実」と評価し、日本被団協による被爆者証言をもとにした「傑出した努力」が、これをもたらした「核のタブーの成立に大いに貢献した」とたたえた。
【8】高齢社会対策大綱
(朝日新聞 令和6年9月13日)
www.nikkei.com/article/DGXZQOUA12B0F0S4A910C2000000/
政府は13日の閣議で高齢社会対策大綱を決定した。75歳以上の後期高齢者のうち、医療費を3割自己負担する「現役並み」所得の対象拡大に向けて「検討を進める」と明記した。働く高齢者の年金額を減らす在職老齢年金の見直しを含めて「働き方に中立的な年金制度の構築」にも触れた。
2018年以来、6年ぶりに改定した。閣議前に開いた高齢社会対策会議で岸田文雄首相は「全世代が超高齢社会を構成する一員として希望が持てる未来を切り開けるよう大綱を指針に各種の施策を実施してほしい」と担当閣僚に指示した。
後期高齢者の窓口負担は原則1割で、一定の所得がある人は2割、「現役並み」の所得がある人は3割としている。現役世代は3割を負担している。「現役並み」の所得とは単身で年収約383万円以上を指し、全体の7%ほどにとどまる。
医療や年金といった高齢者向けの社会保障給付を巡っては、現役世代の負担の伸びを抑制することが課題になっている。政府が23年12月に示した社会保障改革の計画「改革工程」にも同様の方針が盛り込まれ、28年度までに検討すると記載していた。
在職老齢年金を巡っては、高齢者の就労を妨げているとの批判がある。大綱には、働き方に中立的な年金制度の構築を目指す方針を盛った。25年に迎える年金制度改正に向けて議題の一つとなっており、具体策の議論が進む見通しだ。
高齢者の就業促進にも触れた。65〜69歳の就業率の政府目標を新たに設け、29年に57%とした。23年の実績は52%だった。23年に74%だった60〜64歳は29年に79%をめざす。
21年から企業の努力義務となった70歳までの就業機会の確保措置について、29年は40%とする新たな数値目標を設定した。23年は30%ほどだった。
参考に 首相官邸 高齢社会対策会議
www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202409/13kourei.html
総理は、本日の決定を踏まえ、次のように述べました。「年齢によって支える側と支えられる側を区別するのではなく、全ての人が、それぞれの状況に応じて、支える側にも支えられる側にもなれる」
【9】歯科の構成割合が7.0から6.9%へ 令和4(2022)年度
(結果の概要)
www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/22/dl/kekka.pdf
令和4(2022)年度 国民医療費の概況 令和6年10月11日
www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/22/index.html
診療種類別にみると、医科診療医療費は33兆8,255億円(構成割合72.4%)、そのうち入院医療費は17兆3,524億円(同37.2%)、入院外医療費は16兆4,731億円(同35.3%)となっている。また、歯科診療医療費は3兆2,275億円(同6.9%)、薬局調剤医療費は7兆9,903億円(同17.1%)、入院時食事・生活医療費は7,290億円(同1.6%)、訪問看護医療費は4,633億円(同1.0%)、療養費等は4,610億円(同1.0%)となっている。
対前年度増減率をみると、医科診療医療費は4.4%の増加、歯科診療医療費は2.5%の増加、薬局調剤医療費は1.4%の増加となっている。
参考に
国民医療費統計による歯科医療費の推移に関する検討
www.niph.go.jp/soshiki/koku/oralhealth/juq/jyukyu/docu21/docu21_4.pdf
2007 年度の国民医療費は年々増加傾向にあり 2007 年度では 34.1 兆円であり、このうち歯科医療費は 2.5 兆円であった。各診療種類別内訳の推移をみると、他の診療項目の増加傾向に対し、歯科医療費は近年横ばい傾向を示した。
歯科医療費が国民医療費総額に占める割合は、最も高かったのは 1962 年度の 12.4%で、以後、減少し 1975 年には 8.6%まで下がり、その後 1981年度(11.0%)まで増加したが、これをピークに以後減少傾向が続き、薬局調剤の増加により、2007 年度には 7.3%まで低下した。
【10】秋に生じる体の不調「秋バテ」とは-症状や対策・解消法を解説
(健康サイト)
alinamin-kenko.jp/navi/navi_kizi_akibate.html
夏から秋にかけては、日によって気温差があるだけでなく日中と夜間の寒暖差もあり、体への負担がかかりやすくなります。そのため、夏から秋への季節の変わり目に体の不調を感じる人が少なくありません。秋の不調は「秋バテ」とも呼ばれ、さまざまな不定愁訴ふていしゅうそ(はっきりとした原因がわからない体調不良)が生じます。
秋バテの主な原因は、体が気温や気圧の変化に適応しようとして自律神経が乱れることです。秋は寒暖差が大きいだけでなく、台風や低気圧などで気圧も上下しやすく自律神経が乱れやすい季節です。
自律神経には体を活動的にする「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」があり、体内を環境変化から一定に保とうとしています。
体温を調整することも自律神経の働きの一つです。外気温が高いときは、体内から熱を逃がすために血流を活発にし、汗をかいて熱を発散しています。一方、外気温が低いときは血流を減少させ、毛穴を閉じて体内から熱を逃さないようにしたり、熱を産生する方向に働きます。これらは交感神経の働きによるものです。
気温の変化に対応しようと交感神経優位の状態が続くと、エネルギー消費が大きくなるため、疲れやだるさなどの症状が現れます。
【11】公取委の再調査で淘汰が始まる「クレカ業界」の生き残り作戦
(FRIDAY DIGITAL2024.11.8.)
news.yahoo.co.jp/articles/2fa08404ce78615eb68902a18b0c33750103a34a
「割高」とされてきた国内のクレジットカードの手数料。それが、今、大きく変わろうとしている。数年前から、公取委がたびたび俎上に載せてきたことに加え、キャッシュレス業界のシェア争いの影響で、自ら手数料を引き下げる動きが出ている。こうした動きは、加盟店にはメリットをもたらす一方、ユーザーにとってはサービスの改悪につながり、ひいてはカード会社再編の可能性が出てくると、専門家は指摘する。
国内のクレカの手数料は、実際、割高といえる。経済産業省のキャッシュレス推進室が’22年3月に公表した報告書によると、手数料の平均は欧州1%台、米国では2%台が多いが、日本は3%を超えている。手数料引き下げの当面のゴールは、「2%前後」。
公取委は、VISAやマスターカードといった国際ブランドに対して、手数料の開示を促してきた。この手数料は「イシュア手数料」と呼ばれるもので、加盟店が契約しているカード会社(アクワイアラ)が、ユーザーが契約しているカード会社(イシュア)に支払う手数料。クレカが使われたとき、そのカードがブラックリストに該当していないか、利用限度額を超えていないか、といったことを確認するために、国際ブランドの認証システムを利用する。その際、アクワイアラはイシュアに手数料を支払う。
このイシュア手数料は、加盟店がカード会社に支払う手数料の大半を占める。公取委は、これが国内のクレカの手数料が割高となっている主因として問題視し、国際ブランドに開示を求めてきた。海外では公表しているにもかかわらず、長年、国内では公表してこなかった。イシュア手数料の引き下げは、加盟店には大きなメリットをもたらすが、クレカのユーザーにはデメリットになる可能性が高い。イシュア手数料は、ポイント還元などの会員サービスや販促費用の原資そのもの。
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