3歳児の不正咬合が増えている
2022年11月23日(水)
これまで永久歯の叢生はあったが、乳歯ではなかった。3歳児 下顎BからBまでの叢生が、10年ほど前から見られるようになってきた。
厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 歯科口腔保健の推進に関する専門委員会の報告書(2022年10月11日公表)によると、歯科口腔保健の推進に関する基本的事項19項目の中で、唯一悪化しているのは「3歳児の不正咬合」であった。そして、これが、2024年度から実施予定の次期「健康日本21(第3次)」の重要課題となり、国及び地方公共団体の施策等に反映すべきこととなる。
しかし、令和5年3月13日「次期歯科口腔保健の推進に関する基本的事項案」の「歯科口腔保健パーパス」や「歯科口腔保健の推進のためのグランドデザイン」から「3歳児の不正咬合」の文言が消えた。生活スタイルの変化を含む食生活や口腔機能の改善対策の評価をなぜしないのだろうか。
令和5年度内灘町健康づくり推進協議会
kojima-dental-office.net/20231109-7305#more-7305
出典
次期歯科口腔保健の推進に関する基本的事項案について
資料4 歯・口腔の健康づくりプラン推進のための説明資料(案)
www.mhlw.go.jp/content/10901000/001070913.pdf
第51回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 令和5年3月13日
www.mhlw.go.jp/stf/kenzo46_00003.html
歯科口腔保健の推進に関する基本的事項
最終評価報告書(2022年10月11日公表)
厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会
歯科口腔保健の推進に関する専門委員会
www.mhlw.go.jp/content/000999685.pdf
厚生科学審議会 地域保健健康増進栄養部会
www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_127751.html
【概要】
1.最終評価の結果 8ページ、30ページ、48ページ
・歯科疾患の予防、 生活の質の向上に向けた口腔機能の維持・向上、 定期的に歯科検診又は歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健、 歯科口腔保健を推進するために必要な社会環境の整備、それぞれに関する具体的指標19項目の中で、D評価(悪化している)は1項目、「3歳児で不正咬合等が認められる者の割合の減少」。つまり、3歳児の不正咬合が増えている。
・中間評価時から増加しており、直近値は 14.0%で目標値(10%)に達成していない。
・要因の分析に至るまでのデータが得られていないが、生活スタイルの変化を含む食生活の変化が背景にあると推測される。
・口腔機能については、近年診療報酬において口腔機能発達不全症に対する口腔機能管理が評価されるなど、基本的事項の策定以降、近年、特に取組が進んでおり、食育なども含め、その重要性が増している。その評価のあり方の検討も含め、引き続き、その取組を推進していく。
2.次期歯科口腔保健の推進に関する基本的事項に向けての課題 52ページ
・基本的事項は、健康日本 21(第二次)等と計画期間をあわせるために、計画期間を1年間延長し、11 年間としたが、次期基本的事項の計画期間や中間評価及び最終評価の時期についてどのように考えるか。
・3歳児の不正咬合等の割合が改善していない状況を踏まえ、適切な口腔機能獲得に向けた成長発育期からの継続的な対策が求められるが、具体的にどのような評価指標の設定や対策が考えられるか。
参考に
お口の機能を育てましょう
kojima-dental-office.net/category/ikusei/function
口の働きを育てる
kojima-dental-office.net/category/intyoukiroku/kutihataraki
まだ何もしていないのに「痛い」と言う子どもたち
kojima-dental-office.net/20181108-4515
内灘町
kojima-dental-office.net/category/renkei/uchinada
令和4年度内灘町健康づくり推進協議会
kojima-dental-office.net/20221014-6626#more-6626
現代日本人の歯並びが最悪なワケ
kojima-dental-office.net/blog/20221211-15899
乳幼児期の口腔機能の発達に対する支援の必要性
歯並びの叢生は、約50年前まではあまり見られなかったが、約30年前より永久歯に見られるようになり、約10年前より乳歯にも見られるようになってきた。3歳児健診で、以前はいなかった乳歯の叢生が見られるようになった。この原因は食姿勢と食べ方などの機能発達の仕方にあり、学ぶ機会が重要と考えている。「口の働きを育てる」周知活動が必要と考える。
- カテゴリー: お口の機能を育てましょう