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子どもの食育、口腔機能発達不全症について

2021年06月13日(日)


img051ida1926.or.jp/ida/20210613/
講師  日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック
口腔リハビリテーション科 科長 田村文誉先生
researchmap.jp/read0053157
dent-hosp.ndu.ac.jp/nduhosp/index.html
日時  令和3年6月13日(日)13:00~14:30
実施方法 youtubeライブ配信(6月30日まで)
www.youtube.com/watch?v=puMPwCX8SVw
対象  県民公開講座
主催  石川県歯科医師会

メモ
食べる機能を育てる
A.食べる機能には発達の原則
 1.本能(自然に身につくもの)ではなく、獲得するもの、学習が必要
   ①哺乳 
    口を開けたまま舌を前後に動かして波打って飲む
     舌が前方にあり、口唇より前に出ることもある
   →②固形物を食べる(大人の食べ方へ大変革)
    口を閉じて、喉頭を持ち上げ、気道を喉頭蓋で塞ぎ、食道を開き飲み込む
  *乳児は喉の位置が高いところにあり、離乳期には低い位置に下がる
    誤嚥しやすくなる、出せる音の数が多い
 2.食べる機能の発達には最適期がある
    1~2歳
 3.機能の発達する順番
   口を閉じる→舌で押しつぶす→奥歯ですりつぶす
 4.次の動きの用意(レジデンス)ができてから
   急ぎすぎない
 5.発達は直線的ではない
   進んだり、止まったり後戻りしたり
 6.個人差がある →比べない
     情緒、性格、心の発達、身体の発達、歯の生え方、
     食欲、育っている環境、与えられている食べ物

B.食べる機能を育てるには
  7.原則を知っておく
    ①発達の原則順番を知っておく
    ②身体発達とのバランス
     *乳児期にの指しゃぶりは口への刺激を与え口腔機能を育てる
     *哺乳反射が消えると離乳食を開始する
    ③食べる意欲 楽しく食べる
    ④それぞれの時期の特徴
      ・授乳期は口唇を添えるだけで力は入っていない
      ・離乳初期に口輪筋の発達
      ・閉じた口の中で舌が上下に動く→左右対称の動き
      ・左右非対称→ 舌が左右に動いているが、奥歯は噛んでいない
          繊維の強い食べ物は丸呑みする
        *ストローで飲ませると、舌を巻き込みチュクチュク飲む
         哺乳反射に発達が戻りやすい
         コップのみの練習
         下唇を安定させ、上唇を水面に触れる
        *手づかみ食べ  一口量を覚える
       *食べる動作を診る
        *1歳未満では蜂蜜は禁止
        *食べることが好きになれば乳汁を飲みたがらなくなる
  8.親子支援
    ・生活を診る、困りごとへのアドバイス
    ・体重の増えず成長曲線から外れている場合は専門医へ
    ・味覚  味蕾の数や位置が変わる
    ・生え替わりの時期は、今まで食べていたものが食べられないものもでる
    ・誤飲 食べ物以外のものを飲み込む
     誤嚥 慢性的に気道に食べ物が入る
     窒息 1回の飲み込みで気道を塞ぐ
    ・早産 食べる機能に負担がかかりやすい
    ・呼吸障害やアスペルガー等の発達不全症では食の困難、辛さを抱える

 オンライン赤本勉強会2020(令和2年4月) B.口腔機能発達不全症
kojima-dental-office.net/20200716-5202#more-5202
 小児口腔機能管理加算(平成30年4月)
kojima-dental-office.net/20180721-4227
 昭和大学歯科リハビリテーション科を見学
kojima-dental-office.net/20061027-1463#more-1463
 食育講演会
kojima-dental-office.net/category/lecture/syokuiku
 口の働きを育てる
kojima-dental-office.net/category/intyoukiroku/kutihataraki

講演要旨
 平成30年4月、「口腔機能発達不全症」が新病名として保健収載され、令和2年度の診療報酬改定でその一部が改訂され、対象範囲が哺乳期からの乳児に広がりました。口腔機能発達不全症とは、「食べる機能」、「話す機能」、「その他の機能」が十分に発達していないか、正常(定型的)に機能獲得ができておらず、明らかな摂食機能障害の原因疾患がなく、口腔機能の定型発達において環境因子に専門的関与が必要な状態、と定義されています。そしてその概念として、「小児期の口腔機能は常に、機能の発達・獲得(ハビリテーション)の過程にあり、各成長のステージにおいて正常な状態も変化し、機能の発達が遅れていたり誤った機能の獲得があればその修正回復を早い段階で行うことが重要である。器質的な異常や疾病によるものではなく、器質的に異常はないが機能の獲得が遅れている状態を見極め、正しい成長に導くための評価基準を考える。」と示されています。
 明らかな原因疾患のある小児の食べる機能の問題に対しては「摂食機能療法」を行い、一方、いわゆる定型発達児における口腔機能の問題に対しては、この「口腔機能発達不全症」の病名で管理・指導を行っていくことになります。
 子どもの食の問題は様々であり、経過を見守っていれば自然に解決する場合もあれば、特別に介入が必要になる場合もあります。子どもの口腔機能発達には、保護者の思いや家庭環境が子どもたちの食べる行為に関連していることも多く、親子関係を含めた保護者への配慮が求められます。そのためには歯科医療の中だけではなく、必要に応じて多職種、他分野とのれんけいを図り、「生活を診る支援」として取り組むことが大切になります。
 *ハビリテーションとは、先天性障害や幼少時からの障害を対象として持っている機能を生かしてさらに発達させる治療のことです。それに対し、リハビリテーションとは元の状態に回復させる治療のことを言います。

講師紹介
田村文誉
平成元年  昭和大学歯学部卒業
  同年  昭和大学歯学部第三補綴学教室入局
  3年    同    口腔衛生学教室入局
 16年  日本歯科大学 講師
 19年    同    准教授
 24年    同    口腔リハビリテーション科 科長
   日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック勤務
 25年    同    教授

 

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