ムーシールド講演会 2
2011年03月13日(日)
佐波デンタルフェア 特別講演
ムーシールドの臨床応用
講師 柳澤 宗光先生
日時 2011年3月13日(日) 11:30~13:30
会場 金沢流通会館 4Fセミナー会場
定員 80名
参考に
ムーシールド講演会 1
kojima-dental-office.net/20090215-2556#more-2556
当院の症例
3歳児の反対咬合
kojima-dental-office.net/20150601-2562#more-2562
5歳児の反対咬合
kojima-dental-office.net/20110304-769#more-769
メモ
1.3歳児健診で反対咬合だったら正常咬合にしてから様子を見よう
・日本では3歳児の約4%が反対咬合であるが、欧米ではほとんど見られない。
・永久歯が萌出して治るかもと思っていても、自然治癒するのは6%
・乳歯列で反対咬合が永久歯歯列になって、6%が正常咬合になり、
94%が反対咬合のままである。
・早期に治療を開始して正常な発育曲線に戻す方が短期間に追いつける。
様子を見ているほど正常発育曲線までの距離が増して長期間の治療がかかる。
2.下顎前突の何を治すのか
・強い上口唇圧を弱くする
・弱い下口唇圧を強くし、頤に緊張(皺)を作る
・低位舌を挙上し、嚥下時に舌が口蓋にしっかり付くようにする
・急峻な咬合平面を平坦化する
下顎前突症例では下顎の6番の萌出がかなり早いために、
下顎の6番が高い位置に萌出してしまうので咬合平面が傾斜する
結果として下顎前歯が上顎より前方に位置するようになる。
下顎前突を水平的に前方位に位置すると解釈するのではなく、
垂直的な見方で咬合平面を下げるという発想にする。
3.要注意症例 難しい
・バイトが浅い
・遺伝傾向が強い 父母に著しい下顎前突
・ターミナルプレーンが著しく近心位型
・長顔は難しく、中顔や短顔は比較的治療が優しい
・叢生のある反対咬合は難しい
4.咬合誘導
・成長を利用する
・成長を阻害する因子を除外する
・正しい成長ラインに載せる
・全人格的に捉える
5.注意点
・早期に治療することが将来を保証するものではないが、後の治療を容易にする
・ムーシールドは最初の治療であって、最後の治療ではない
・正常咬合では咬筋優位であり、反対咬合では側頭筋優位
・日中にムーシールドを入れて舌の挙上とオトガイの過緊張を練習する
・上顎前歯がフレアアウトしてきたら、ムーシールドの内面を削合する
・上下の印象 → 咬合採得(前歯で3~5mm)
・3~8ヶ月で改善する
・舌を中に入れる
既製品の形でムーシールドが発売されて6年、「ムーシールド」を用いた臨床ケースは累計4万症例を超えようとしています。少子化の流れはあるものの3級症例は4%台で発現すると考えると今後も多くの患者さんが顕在化してくるものと思われます。幼児からの早期初期治療は自費診療ですが、親御さんの要望に応えることで多くの喜びを生んできました。
今回、開発者の柳澤宗光先生にムーシールド発想の概念、効果と適応症、保護者への説明法など長年にわたる研究成果の集成をご教授いただきます。
- カテゴリー: 食育