昭和大学歯科リハビリテーション科を見学
2006年10月27日(金)
近藤政子、長門佐、小島の3人は、27日(金)に朝の飛行機で東京へ向かい、昭和大学歯科病院 歯科リハビリテーション科を訪問した。向井教授と医局員やスタッフの協力と患者さんや介助者のご理解のもと実際の治療を見学することができた。
診療室には歯科用ユニット3台と相談コーナーがあり、それぞれの場所でドクター二人が障害を持つ患者さんを担当し、約1時間の予約をとり、マンツウマンで食べる機能、食形態、食べさせ方、道具の確認をしていた。また、付き添ってきたお母さんや施設で昼食べさせている人は、食事前の準備体操、口腔リハビリの後に、手作りのお弁当を食べさせながら、食べる動きを引き出すような食事介助や舌先から喉の奥への食べ物の移動を学んでいた。
改めて「舌の口腔外への突出を防ぐこと、取り込むときと飲み込むときの口唇閉鎖」の大切さを再確認した。また、スタッフの暖かさと深い愛情が感じられ、医療人として「経済優先ではなく安心、安全の医療」がここにあると感じた。これからの食育プロジェクトを進めていく上で、平日の診療を1日休診にしても余りある有意義な一日であった。
昭和大学見学報告
近藤 政子
小島先生のご報告にもありましたように、昭和大学の向井先生・弘中先生を始め、諸先生方のご好意で見学が実現出来ましたことを感謝しております。又、障害者のご家族のご好意でビデオ・写真撮影も許されたことを有り難く思っております。これも昭和大学のリハビリテーション科の諸先生方と患者様の深い信頼関係が有ったからこそと、指導の在り方の基本を諭された思いです。
八名程見学させていただきましたが、一~二ヶ月に一回、一年間通院し、指導を受ける中で食機能が見違えるように良くなり、食物を上手に取り込めるようになったとの成果も伺いました。先生方が指導そのものだけでなく父兄の方の心までを温かく包んでおられる様子に、的確な指導と精神的なフォローとの両面の必要性を痛感致しました。又、今後、口腔機能訓練・指導方法を統計立って学ばねばならないことを改めて自覚した次第です。
今回は障害者の方々への指導を見せていただきましたが、一般のお子様の中で野菜や硬い物が咬めない、いつまでも飲み込まないなどの問題が生じている場合は機能的な面も少々有るものの、食生活環境・習慣・家族環境などの問題が複雑に係わっており、多角的な面からの観察・分析・指導が必要とされ、機能訓練も場合によっては専門的知識が必要となります。今回見学したことにより、保険医協会食育プロジェクトとしては、異常になってしまった子の指導・訓練に取り掛かる前に、まずは子供達が正常な口腔機能を具えられるようにアドバイス出来る資料の作成から始めた方が良いように思いましたし、その方向で既に準備を進めつつあり、現在のプロジェクトの方向は間違っていないことを再確認致しました
たどたどしい歩みですが、会員の皆様方のアドバイスも受けながら、子供達の健康な心と身体の成長の為のより良い食育を探り、子供達・ご父兄・歯科医・関係者の皆様にお役に立てるよう心して参りたいと思っております。
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