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グルカゴンに着目した これからの糖尿病治療

2017年03月28日(火)


001    群馬大学 生体調節研究所
         代謝シグナル解析分野 教授 北村忠弘先生
金沢糖尿病フォーラム
2017年3月28日午後7時
ホテル日航金沢

講演会メモ
 素晴らしい講演だった。研究に打ち込む熱意、鋭さがひしひしと伝わった。グルカゴン革命。正確な測定ができると、病態も明らかになり、治療も一変する。旧体制にしがみつかず、自分で地道に確かめながら、いろんな意見を受け容れる柔軟性を持たなければならない。

1.グルカゴンとは
www.kawamuranaika.jp/blog/2014/11/2-1-1040949.html
 近年、グルカゴン分泌の調整が糖尿病治療に大きく関与することが再認識され、注目を浴びるようになった。グルカゴンが存在しないときには、インスリンの欠乏のみでは血糖値が上昇しない。グルカゴン分泌が抑制されると血糖値が低下する。その流れを受けて、インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP−1受容体作動薬)が開発される。
 インクレチンは、小腸から分泌されるホルモンで、血糖値が高いときだけ膵臓に働きかけ、インスリンの分泌を促進、グルカゴンの分泌を抑制する。

2.グルカゴン測定
 ・これまでの測定は正確ではなく、ほとんど参考にならない
 ・研究が進まない最大の原因は、正確に測定できなかったから。
 ・サンドイッチELISA法により、ほぼ正確になった
 ・質量分析装置(LC-MS/MS*)による測定は正確だが、
    コストが高く時間もかかり臨床では使えない

3.グルカゴン測定が正確に行えれば
 ・血糖値、インスリン測定、グルカゴン測定により
   病態、治療計画、治療過程が明らかになる
 ・糖尿病の原因としては
   肝臓、筋肉、脂肪組織におけるインスリン抵抗性
   インスリンを分泌するβ細胞障害
   血糖上昇作用を有するグルカゴンを分泌するα細胞障害

4.糖尿病はよくなったのに、肥満となり寿命が短い。
 ・薬の影響(肥満になりやすい薬と影響しない薬)
   インスリンは、血液中の余ったブドウ糖を「中性脂肪」に変換して、
     体内の脂肪細胞に溜め込んでいく
 ・一疾患のみを対象とするのではなく、身体全体の健康を考えなければならない

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