脳卒中と歯科との関わり
2015年07月05日(日)
ー歯科シート活用キックオフミーティングー
chouseisan.com/l/post-27313/
講師 やはたメディカルセンター リハビリテーション科 池永康規先生
金沢医療センター 神経内科 坂尻顕一先生
内容 脳卒中治療の急性期から在宅期までの医療連携における歯科の重要性
・ICF(生活機能・障害・健康の国際分類)
・加賀脳卒中地域連携協議会
・脳血管疾患の概要や最近の治療などの知見
日時 平成27年7月5日(日)10時~12時50分
場所 地場産業振興センター新館1階コンベンションホール
主催 石川県歯科医師会
協力 加賀脳卒中地域連携協議会
メモ
A.住み慣れた地域で暮らすために
1.共通概念
SMARTの法則 (スマートの法則)
Specific = 具体的、わかりやすい
Measurable = 計測可能、数字になっている
Agreed upon = 同意して、達成可能な
Realistic = 現実的で結果志向
Timely = 期限が明確、今日やるなど
2.機能障害・能力障害・社会的不利の国際分類(ICIDH)
www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n251/n251_01-01.html
WHOが1980年に刊行した
マイナス面を分類するという考え方
疾患・変調→機能・形態障害→能力障害→社会的不利
3.ICF(生活機能・障害・健康の国際分類)
2001年5月22日に第54回国際保健会議(WHO総会)で採択された。
生活機能というプラス面からみるように視点を転換した
ICFの使い方
身体機能(構造)、活動、参加、環境因子、個人因子の5領域すべてを評価する。
その5領域がどのように(相互に)関わり合っているかを考え解決の糸口を探る
B.加賀脳卒中地域連携協議会
kagastroke.com/%E8%84%B3%E5%8D%92%E4%B8%AD%E3%83%91%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF/
平成20年より脳卒中連携パスを取り入れる活動
加賀医療介護連携シート 最下段に歯科コメント欄
歯科情報提供書(生活期/在宅)
C.脳血管疾患の概要や最近の治療などの知見
1.脳のCTやMR画像において中心溝の位置確認は重要
前方には運動系が、後方には感覚系が位置
中心溝に近いほどその働きは単純であり、
中心溝から離れるにつれ高次の機能へと分化している
2.失語症
生まれつき右利きの人は左脳、左利きの人は右脳の障害で出現する可能性
①運動性失語 「ブローカ失語」とも呼ばれる
左大脳半球の下前頭回後部(ブローカ領野)周辺の損傷に関連深い
発話量が少なく非流暢
努力性でたどたどしい話し方
言葉の聴覚的理解面は比較的良好に保たれている
②感覚性失語 「ウェルニッケ失語」とも呼ばれる
左大脳半球の上側頭回後部(ウェルニッケ領野)周辺の損傷に関連深い
発話は流暢、なめらかな発話の割りに内容には乏しい
言葉の聴覚的理解面が著しく障害される
言い間違い(錯語)が多く、意味不明な新造語もみられる
通常は運動麻痺は合併しない
3.脳卒中
①脳梗塞 75%
・アテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓・ラクナ梗塞
・対応 発症直後2時間以内に病院へ
血栓溶解療法 rt-PAは発症直後4時間30分以内
血管内治療(血栓回収療法、機械的再開通療法)発症6時間以内
・ワルファリン
ビタミンKの豊富な納豆、青汁、クロレラを避ける
②脳出血 17%
・好発部位 被殻40~50%、視床30%
隣接する内包後脚に血腫が及ぶと片麻痺となる可能性が高い
③くも膜下出血 6.8%
軽い頭痛もある
肉親にくも膜下出血の経験者がいる、40歳を超えた女性
- カテゴリー: 歯科に必要な一般医学