糖尿病薬物療法の考え方
2015年06月11日(木)
第38回なんでも学術!なんでも回答?よろず勉強会
講 師 西村 泰行 氏(金沢赤十字病院・内科)
と き 2015年6月11日(木)午後7時15分~午後8時45分
ところ 近江町交流プラザ 4階「研修室1」
対 象 保険医協会会員(参加は無料です)
メモ
1.金沢市民は甘い物好き
2.金沢市の糖尿病対策
①健康診断の推進
②特定保健指導 慢性腎臓病 予防対策事業
国保が対象(社保のデータを市が把握できない)
HbA1c 6.5%以上の方を予防訪問 受診を勧める
40歳代が受診していない
③専門医と安定期を担う医療機関との紹介・連携基準マニュアル
日本糖尿病療養指導士(CDEJ)
糖尿病療養指導士(LCDE)
歯科医師、眼科医との密接な連携
3.糖尿病の診断
①空腹時血糖値が正常であれば大丈夫か
空腹時血糖値のみで診断されたのは18%
空腹時とブドウ糖負荷後の血糖値で診断されたのは37%
ブドウ糖負荷後の血糖値で診断されたのは45%
*ブドウ糖負荷試験が必須
4.薬物療法
①治療目標
下がれば下がるほどよい時代からそれぞれの人に合わせたコントロール値へ
治療目標がHbA1c 8.0%未満もあり
②スタンス
2型糖尿病は薬物治療しないことで直ちに健康障害を来すことはほとんどない
数年以上後の合併症発生減少や死亡減少を期待して使用する
長期間使用継続するので、効果よりも安全性が重要
③第一選択はメトホルミン
体重増加がない
単剤で低血糖がない
細小血管障害・大血管障害合併症予防のエビデンスがある
血糖改善効果が強い
(SU薬>ピグアナイド薬>チアゾリジン薬>DPP-4阻害剤)
価格が安い
発がん発生が少ない可能性がある
増量すると効果も増す
副作用は消化器症状(主に下痢)
減量すると副作用が減じて、継続可能となる場合もある
腎機能低下している高齢者などにはDPP-4阻害剤(トラゼンタ)
④DPP-4阻害剤
体重増加が少ない
単剤で低血糖がない
下痢などが少ない
合併症予防のエビデンスがまだない
価格が高い
血糖降下作用はメトホルミンよりも弱い
第二選択として使われる
5.糖尿病治療
①予備軍(境界型)を早期に対応
尿検査などで早期に見つける
無理のない食事療法や運動療法などで糖尿病へ移行させない
②糖尿病をよく知ること
「なぜか」を説明すること
どうすればよいか、ともに考えること
可能な目標を患者と共に定める
患者の生活の中で実行可能な方法を編み出す
申込み 6月8日まで 詳しくは
※講師の先生への質問がある場合は、6月4日まで)に参加申込書に必要事項をご記入いただき、FAXでお申し込みください。
主催 石川県保険医協会/学術・保険部
電話;076(222)5373 / FAX;076(231)5156
~ 新企画● 現場実践シリーズ② ~
ご好評いただいているよろず勉強会で新たにスタートした、「現場実践シリーズ」。「情報が多くてよくわからない…」「実際はどうなの?」という、多くの先生方が聞きたい”そこのトコロ”を知ることのできる、保険医協会ならではの企画です。
シリーズ第2回は、金沢赤十字病院・内科の西村泰行先生に、「糖尿病薬物療法の考え方」についてお話いただきます。臨床家による臨床家のための、明日の診療から役立つ勉強会です。多くの先生方のご参加をお待ちしております。(学術・保険部)
- カテゴリー: 歯科に必要な一般医学