3歳児の反対咬合
2015年06月01日(月)
乳歯列期に「被蓋を改善して経過観察」する事を両親に理解してもらい、協力を得て治療を進めることにした。始めは印象も採ることはできなかったが、次第に歯科医院の雰囲気にも慣れ、両親やスタッフの努力の甲斐あって、4ヶ月後には模型を作ることができた。ムーシールドにも慣れ朝まで装着できるようになり、コミュニケーションや意思の疎通が取れるようになった。そして、咬合面に光重合型アイオノマーを添加することにより、左右のバランスが取れるようになり、1年後に正常被蓋になっていった。
今後、食べる機能の注意(食事時の姿勢や食形態など)と口腔やその周囲の働き(発音、舌体操など)の訓練を続けながら、永久歯交換期まで歯列や咬合の正常な成長発育を見ていきたいと思う。
参考に
ムーシールド講演会 1
kojima-dental-office.net/20090215-2556
症例
患者 3歳6ヶ月女児
初診 平成21年5月29日
主訴 歯並びを治したい(受け口)
現症 下顎が右へ偏位する交叉咬合
家族歴 兄が下顎前突
初診時6歳
経過
5/29 2日前、兄の矯正治療の相談時に一緒に診て欲しいとの依頼があり、
今からでも治療できることと、だいたいの計画をお話しする。
6/9 口腔内を観察、写真
6/16 ムーシールドを夜寝る時に装着し始める
6/23 4~5時間装着しているが、2時頃には外れている
7/22 半数の日で朝まで外れなくなった
8/25 日中1時間装着して口を閉じることと
上顎前歯で下口唇を噛むことを練習をする
9/29 朝まで外れなくなった
口腔内の印象が採れ、模型が作ることができた
10/27 噛めばずれるが、正中を合わせることができるようになる
平成22年
1/18 正中が合うように光重合型アイオノマーを用いて右下Dの咬合を高くする
3/8 同じように右下DEの咬合を高くする
5/10 被蓋が正常になる。上顎のA切端は交叉咬合だったため咬耗している
これ以降3ヶ月に1回の検診
ムーシールド入れていない時期もある
平成24年
12/3 1番は正常咬合、Cは反対咬合
平成26年
1/20 1と2番も正常咬合
平成27年
6/1 3番も正常咬合