虚血性心疾患を学ぶ
2009年06月20日(土)
虚血性心疾患の診断には、心臓カテーテル検査がゴールドスタンダードだったが、64列MSCTへ移行している。感度、特異度ともにCTがカテーテルを上回り、リスクも費用も少ない。心臓の動きが止まる一瞬を撮影し、解析し、狭くなった血管の立体像が明らかになる。血管壁層やプラーク(アテローム内容物、石灰化状態)の性状評価もでき、治療法選択の一助になる。
また、X線モニター、手の感覚、回転音を頼りに、血管内に20万回転のダイヤモンドバーを操作して、石灰化物を削るテクニックは神業。
歯科に必要な一般医学の講演会
シリーズ4回目
「虚血性心疾患の診断と治療Up-to-date
-歯科医の注意すべき点-」
講師:名村 正伸氏(金沢循環器病院 院長)
と き:2009年6月20日(土)18時~21時
ところ:ホテル金沢 4階 風月
金沢市堀川新町1-1 TEL 076-223-1111
対 象: 会員医療機関の歯科医師、医師、スタッフ(定員50人)
参加費: 無料(会員医療機関からの参加の場合)
※非会員医療機関の場合5万円ですが、当日までにご入会いただければ無料となります。
主 催:石川県保険医協会
メモ
1.動脈硬化の成因と病態
①動脈硬化の種類
細動脈硬化、中膜(メンケベルク)硬化、アテローム性動脈硬化
②一般的なものはアテローム性動脈硬化
大動脈、脳動脈、冠動脈など比較的太い動脈に起こる
アテローム(おかゆ状で脂肪性の沈着物)
プラーク(アテロームが内膜に発生し隆起したもの)
デンタルプラークとはまったく違うもの
プラークによって血管が狭窄、血栓による閉塞をきたし各種臓器に障害
2.虚血性心疾患の疫学
①死亡率 5人/10万人
先進国では最も少ない
②発症率(年間1000人あたりの)
心筋梗塞 脳梗塞
日本 2人 11人
アメリカ 7人 3人
③歯周病と虚血性心疾患の関係
歯科医師からだけでなく、医師からの報告もある
3.虚血性心疾患の診断
①負荷心電図
②負荷心筋血流イメージング
30年前の直径3mmから1mmになり、
アプローチも大腿動脈から上肢へ
③負荷心エコー図
④64列MSCT
CTで異常なければ100%異常なし
スクリーニングや検診に最適
4.虚血性心疾患の治療
①薬物療法、バイパス手術、カテーテル手術
②PCI(経皮的冠動脈形成術)=カテーテルが増えている
バルーン、アテローム切除、ステント留置
③薬剤溶出性ステント 平滑筋細胞の増殖を抑え、再狭窄を防ぐ
5.虚血性心疾患患者の歯科治療にあたっての注意点
①抗凝固剤、抗血小板薬
②再狭窄、心内膜炎のリスク
③ペースメーカー植え込み患者
<案内文>
日常の診療で狭心症や心筋梗塞等の心疾患を持った患者さんの歯科治療をする機会が増えています。心疾患を持った患者さんに対し、特にワーファリンや坑血小板薬服用時の外科処置で注意を払う場合も多く、現場で頭を悩ませることも多いのではないでしょうか?しかしながら、歯科医師が心疾患に対して理解が深いとは言い難いのが現実と思われます。今回、北陸の循環器専門病院としての中核をなす金沢循環器病院・院長の名村正伸先生をお招きし、虚血性心疾患の最新の診断・治療について、また治療に際し歯科医が注意すべき点を、循環器専門医の観点から講演をいただくことになりました。日頃勉強する機会が少ない虚血性心疾患について学ぶ絶好の機会です。多くの先生方のご参加をお待ちしています。
※事前に質問をお受けいたいます。
<抄録>講師 名村正伸
生活の欧米化そして社会の高齢化に伴い、狭心症や心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患は日本でも急速に増加していることは、皆さんもよくご承知のことと思います。今回は循環器疾患の中でもとりわけ日常的に多く見られるこの虚血性心疾患について、最近の診断・治療の変化や歯科医として注意すべき点など詳細に以下のごとく解説したいと思います。
1. 動脈硬化の成因と病態
2. 虚血性心疾患の疫学
3. 虚血性心疾患の診断
4. 虚血性心疾患の治療
5. 虚血性心疾患患者の歯科治療にあたっての注意点
○● 申込方法●○
次のいずれかの方法でお申込みください。
・下記の必要事項を記入の上、Fax送信
・必要事項を明記した電子メールを下のアドレス宛てに送信
・電話による申込み
①保険医協会の会員の有無
( ) 保険医協会の会員医療機関である(他県の保険医協会の会員も含む)
( ) 保険医協会の会員医療機関ではない
( ) この機会に、保険医協会に入会する
②医療機関名
③参加者名 ( 歯科医師・医師・スタッフ)
④住所
⑤電話番号
⑥講演会名と講演日
■石川県保険医協会■
金沢市尾張町2-8-23太陽生命金沢ビル8階
TEL 076-222-5373
FAX 076-231-5156
Email iskw_ono@doc-net.or.jp
歯科に必要な医科一般医学の講演会シリーズ
① 抗凝固剤服用中の観血処置・医科疾患について<終了>
講 師:宮田勝氏(県立中央病院歯科口腔外科診療部長)
と き:4月4日(土)18時~21時
ところ:金沢都ホテル 5階 加賀の東
② 免疫のふしぎ<終了>
講 師:東みゆき氏(東京医科歯科大学大学院教授)
と き:4月26日(日)9時半~12時半
ところ:ホテル金沢、4階 風月の間
③ この10年で大きく変わった癌治療~手術から化学療法、緩和ケアまで~
癌の患者さんについて、歯科の先生に知っていただきたいこと
講 師:斉藤典才・保険医協会理事(城北病院外科部長)
と き:5月23日(土)18時~21時
ところ:ホテル金沢、4階 エメラルド
④ 虚血性心疾患の診断と治療Up-to-date
講 師:名村正伸氏(金沢循環器病院院長)
と き:6月20日(土)18時~21時
ところ:ホテル金沢、4階 エメラルド
⑤ 感染症(院内感染や予防、インフルエンザ感染症など)
講 師:松島実氏(城北病院内科医長)
と き:7月25日(土)18時半~21時半
★注意:会場の関係で、開始時間・終了時間が通常より30分ずれ込みます。
ところ:金沢都ホテル、5階 兼六の間
⑥ 血液免疫凝固(白血病や貧血、免疫について)
講 師:小谷岳春氏(NTT西日本病院内科医長)
と き:9月5日(土)18時から21時(予定)
ところ:金沢都ホテル、5階 加賀の西
⑦ 精神科疾患領域
講 師:奥田宏氏(ひろメンタルクリニック院長)
と き:9月27日(日)9時半~12時半
ところ:ホテル金沢、4階 エメラルド
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