2016年歯科新点数検討会
2016年03月24日(木)
24日(木)午後7時から都ホテルにて、歯科診療報酬 2016年改定内容を100分間ぶっ続けでテキストを用いて解説しました。会場には100数十名の参加がありました。今回の改正は多岐にわたり難解なところが多くありました。
2014年歯科新点数検討会
kojima-dental-office.net/20140327-1667
2012年歯科新点数検討会
kojima-dental-office.net/20120322-1658
2010年歯科新点数検討会
kojima-dental-office.net/20100325-1644
まとめ
1.基本診療料
①歯周疾患等で明らかに同一の疾病の診療が継続している場合は再診として取り扱う
②初再診時における歯科外来診療環境体制加算の評価の見直し
初診時 25点(-1) 再診時 5点(+1)
2.医学管理料
①歯科疾患管理料 100点(-10点)
・計画の作成とその説明
*今までは計画書の作成だったが、「書」が削除された
・文書提供は別途10点加算
加算なので別日はダメ
②エナメル質初期う蝕管理加算(新) 月1回 260点
[算定要件]
・施設基準 かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の届出
歯科訪問診療とSPTの実績
外来環と支援診と同じ研修
・対象患者 エナメル質に限局した粗造な白濁等の脱灰病変
・必須項目 口腔内カラー写真の撮影(デジタルで保存可)
フッ化物歯面塗布処置
・カルテ記載 説明した内容の要点
[包括範囲] 算定できないもの
・フッ化物歯面塗布処置
・機械的歯面清掃処置
・口腔内写真検査
・歯科疾患管理料のフッ化物洗口に関する加算
[届出有無による相違点]
・未届けの場合は3ヶ月に1回の「フッ化物歯面塗布120点」
③歯科衛生実地指導料
・訪衛指を算定していた患者でも月が変われば算定できるようになった
・「プラークチャート」→「プラークチャート等」
④歯科治療総合医療管理料(Ⅱ)(新) 1日につき45点
・血圧、脈拍、経皮的酸素飽和度をイベント毎にモニタリング
*歯科治療総合医療管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)の区別
・(Ⅰ)は月単位140点、(Ⅱ)は日単位45点
・(Ⅰ)は文書による診療情報の提供が必要だったが、(Ⅱ)は無くてもよい
・対象疾患が(Ⅰ)は15疾患、(Ⅱ)は5疾患
・施設基準は同じ
3.在宅医療
①必ず届出を出す(2017年3月31日までに)
・訪問診療を1件でもしているまたは将来するかもしれない診療所
・支援診(すでに届出を出しているところも)
・在宅専門
*未届けの場合は訪問診療をしても初再診料相当となる
*病院歯科は届出不要
②歯科疾患在宅療養管理料
・継続して訪問する場合は、管理に必要に事項をカルテに記載するか
計画書の写しを添付する
③20分要件の緩和
・「著しく歯科治療が困難であるもの」に準じる状態
・要介護3以上に準じる状態
④処置及び手術の加算が再編
・50/100→30/100,50/100,70/100
⑤歯科標榜のある保険医療機関であっても、周術期口腔機能管理を行う患者に限って
訪問診療料と関連する診療料が算定できるようになった
4.検査
①混合歯列期歯周病検査40点→80点(+40)
・混合歯列期で歯周基本検査を行う場合は永久歯の歯数に応じた点数
・乳歯列期は必ずP混検
②平行測定検査は削除
代わりにブリッジ支台歯形成加算 1歯につき20点
③歯冠補綴時色調採得検査(1枚につき)10点
・印象採得時に算定
・隣在歯が天然歯でないと算定できない(対合歯も可)
・技工指示書に添付
5.処置
①咬合調整
・義歯修理でもレスト作製時に算定可能になる
②残根削合
・義歯関連でなくても可
③う蝕薬物塗布処置
・乳幼児が外れ成人も可能になる
④加圧根管充填処置
・妊娠中のため同意が得られない場合は、エックス線撮影による確認が無くてもよい
*その理由をカルテ記載、またレセプトに妊婦であることを記載
⑤歯周病安定期治療(Ⅱ) (新)
[施設基準]かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所
[要件] 開始時はP精検実施と管理計画書の作成
算定の都度に口腔内カラー写真
[包括範囲]歯周病安定期治療(Ⅰ)+歯周病検査、口腔内写真検査
*SPTⅠの算定月は、日を異にしても歯清を算定できなくなった
⑥暫間固定
・簡単なものと複雑なものが明確になった
・エナメルボンドシステムによる暫間固定の除去は算定できなくなった
⑦除去
・ブリッジの切断は算定できなくなった→
厚労省に確認したところ、ダミー1か所毎に除去料を算定
・4/5冠、3/4冠が困難なものになった
⑧フッ化物歯面塗布処置(1口腔につき)3ヶ月に1回
・エナメル質初期う蝕に罹患している患者の場合(新)120点
*病変部の口腔内カラー写真
6.手術
①難抜歯470点が削除 →難抜歯加算210点
・乳歯の難抜歯も算定可
7.歯冠修復及び欠損補綴
①補綴時診断料
・1口腔につき→1装置につき
・補診算定後3ヶ月以内の増歯時に再度補診を算定できない
②レジン前装金属冠のブリッジ支台の第一小臼歯への保険導入
③金属アレルギー患者の対応
・医科からの診療情報提供が必要
・臼歯に硬質レジンジャケット冠、大臼歯にCAD/CAM冠
・補管の対象外
④充形
・Hys処置後にやむを得ず充填した場合は充形で算定
・シーラント後はKPで算定
⑤テンポラリーとリテイナー
・歯冠形成を算定した日 → 処置開始日から算定できるようになった
⑥印象
・各個トレーで筋形成を行いラバー印象材で機能印象した場合も特殊印象で算定
⑦新義歯の作製
・装着からではなく、印象から印象まで6ヶ月経過すればできるようになった
⑧保持装置
・1歯欠損に相当する孤立した中間欠損部位に
⑨有床義歯内面適合法
・軟質材料を用いる場合(新設)
下顎総義歯に限る
間接法
8.かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の「研修日」
・届出日より3年以内のものとする。(支援診についても3年以内)
・外来環や支援診の研修の要件を満たしている場合は、年数を問わない。
9.金パラ告示価格
・昨年4月 1190円、昨年10月 1279円
今回は1400円
10.介護請求が2018年4月分から電子請求になります。ただし、紙で請求を続ける場合は届出が2018年3月31日までに必要。
これからの情報
疑義解釈その5 別添2 歯科 平成28年6月30日
www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=365245&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000129200.pdf
疑義解釈その4 別添2 歯科 平成28年6月14日
www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=361603&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000127394.pdf
pdfのアドレスは変わる可能性ありので、その時は「平成28年度診療報酬改定について」
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html
のかなり下の方にある疑義解釈を開いてください
・連結冠の切断は算定可
・エナメル質初期う蝕管理中でも歯周検査時の口腔内写真検査は算定できる
平成28年度歯科診療報酬改定情報(4) 28.3.25.
疑義解釈(その1)
www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=344633&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000119348.pdf
101ページから
◆外来環、歯援診の研修年限については【問6】
◆歯科訪問診療料注13の届出について、病院歯科は届出不要【問15】
◆歯冠補綴時色調採得検査、対合歯のみ天然歯の場合は【問27】
◆乳歯の難抜歯加算は【問34】
訂正通知(2016年3月31日)
www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=344711&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000119419.pdf
施設基準に係わる届出様式 東海北陸厚生局
kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/shisetukijunnotodokede_h28kaitei.html
これまでの情報
平成28年度歯科診療報酬改定情報(3) 28.3.4.
厚労省による平成26年度診療報酬改定説明会(技官会議)
ユーチューブ動画 3月4日(金)14時15分から16時半まで
www.youtube.com/playlist?list=PLMG33RKISnWgc8eYZwu9JQFrt8g8sgcFN
資料は
www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115718.pdf
平成28年度歯科診療報酬改定情報(2) 28.2.10.
www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000111936.html
2月10日、厚労省HPに「答申」を公表。PDF 総-2 別紙1-2歯科診療報酬点数表をご覧ください。
平成28年度歯科診療報酬改定情報(1) 28.1.27.
1/27に厚労省が公表した改正点を要約した。ページ数を参照しながら資料をお読みください。点数の貼り付けは後日。
中央社会保険医療協議会の資料
www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000110251.html
個別改定項目について(その1)
PDF 総-4(PDF:3,604KB)
2016年歯科新点数検討会
開催日時:3月 24日 (木)午後7時から9時半
開催場所:都ホテル
主催 石川県保険医協会
■講 師 石川県保険医協会講師団
■テキスト 『歯科診療報酬 2016年改定の要点と解説』
(月刊保団連臨時増刊号/定価4,000円(予定))
*参加者には、当日、テキストをお渡しします。
*参加されなかった会員には検討会の翌日以降にテキストを発送しますが、是非、検討会へご参加ください。
■参加費 会員数分は無料、会員数を超えた分は1人につき2,000円(テキスト代含む)。
*未入会の医療機関の方は、当日までに入会していただくことを前提とします。
■参加対象 会員、 会員医療機関のスタッフ、 会員の家族
■申込み 必要事項を記入のうえ、FAXまたはEmailでお申し込みください。
■申込締切 3月11日(金)
~2016年4月歯科診療報酬改定の解説~
点数改定告示、関連通知にもとづき、保険医協会・保団連の歯科社保担当者が叡智を集めて作成したオリジナルテキストを用いて、わかりやすく解説します。
石川県保険医協会
TEL:076-222-5373
FAX:076-231-5156
Email:ishikawa-hok@doc-net.or.jp
*3月27日(日)午前10時から 石川県地場産業振興センター 大ホールにて
東海北陸厚生局による集団指導
石川県歯科医師会による点数改正説明会
が開催予定。
- カテゴリー: 保険診療