金沢市第2ブロック認定こども園
2025年06月20日(金)
口腔機能と食事について
口腔機能の発達に応じた食事提供と保育の展開について
講 師 ママとこどものはいしゃさん 小島歯科医院 名誉院長 小島登
日 時:2025年6月20日(金)18時~20時
場 所:金沢市ものづくり会館
対象者:11か園の70名くらい(保育士、栄養士、調理師、看護師など)
主 催:金沢市第2ブロック認定こども園
4月の初めに職員研修の一環としての講演依頼がブログの問い合わせに寄せられた。講演内容の希望、日程、参加者の職種・人数、会場等を世話人の先生とやりとりしたり、会場の下見にご一緒したり、事前質問も多数寄せられたりと非常に積極的だった。 講演会当日、会場には、暑い日にもかかわらず70名近くの保育士さんや栄養士、調理担当者、看護師さんたちが参加され、熱心に聴講されていた。帰る時の見送りの人数の多さにびっくりした。お花も頂き家に飾った。アンケートの感想や意見を読むと、こちらから提供した内容に、それぞれの職種が現場の経験の中に深くくぐらせ、頭の中で整理し,プロ達の知恵として記載されていた。よくぞここまで理解してくれたと感銘を受けた。これからも様々な悩み、迷い、苦慮している事例を共有していきたいと思った。
参考までに
口の健全な育成について
kojima-dental-office.net/category/ikusei
乳幼児期の相談事例
kojima-dental-office.net/category/faq/baby
レジュメ 金沢市第2ブロック認定こども園
歯科医師から保育者へのメッセージ 2025
アンケート
1 職種
・保育士 49人 ・看護師 1人 ・管理栄養士、栄養士 13人
・調理師、調理員 3人 ・施設長 1人
2 今回の研修会の内容について
・大変良かった 39人 ・良かった 24人 ・普通 2人
・あまり良くなかった 1人 ・良くなかった 0人 ・無回答 1人
3 今回の研修会の時間について
・適当な時間だった49人 ・もう少し時間が欲しかった 5人
・もう少し短くても良かった 11人 ・無回答 2人
4 ご感想やご意見
【保育士】
・“上唇を育てるという意識”が大事。どのような発達があって、それがどのように育つのかを知ることの大切さを改めて感じた。それぞれの機能を知ること、どう育てたいのかを意識することが、子ども達の口の中の育成に必要。これは保育の中でも運動面や心の面など、私たちが子供と向き合う時に大切にしていることと同じであると感じた。余談ですが、先生の旅の話も聞きたいと思いました。合間に写真をはさんでくださりホッと一息つけました。
・保育士の指導ではなく支援が乳幼児期から大切だということを学ぶことができました。アイコンタクトの重要性や、スプーン介助の時に食べさせるのではなく食べる働きを引き出す支援の大切さが分かりました。手づかみ食べは、目・口・手との連係プレイになるので、発達の上でも重要であり、引き続き大事にしていきたいです。口腔機能の発達や適切な支援について詳しく学べて良かったです。保護者の方にもこういう機会があれば、さらに子ども達にとってよりよい食の発達に繋がると思いました。
・研修の学びはたくさんあり、今後自分たちの園で話し合いたいことがいっぱいあった研修会でした。今まで漠然とやっていたことなどに、しっかりとした理由があること、口腔機能の発達には歯のことだけではなく、早寝早起きなどとも関係があることなど。
・保育現場で気になっている口呼吸や滑舌について、口腔機能の発達の面から詳しく教えて頂けてとてもありがたかったです。トレーニングや「パンダノタカラモノ」の発話練習などこれから日々実践して行けそうな情報もたくさんあり、すごくタメになりました。少々難しい用語もあったので口腔写真をもう少し拝見できるとありがたかったです。
・今回の話を聞いて、食事について悩んでいた子のどうしてこうなってしまうのだろうという疑問に少し納得することができたと思えました。保護者の方とお話しする機会があった際に、今回の話を参考に話をしていき支援できたらとも思いました。
・給食を食べる時に「よく噛んでね」と子どもに伝えても、飲み込んでしまったり、空腹で食べるスピードがとても早い子がいて、どのように伝えたらちゃんと噛んで食べてくれるのだろうと考えることが多かったのですが、食べる働きのどこに問題があるのかをしっかりと見ることが大切だと思いました。噛むということを伝えるには、手を頬に当てさせ咬筋がよく動くのを確かめたり、「ご飯粒残ってないかな?」と舌を回して動かすエクササイズをして舌の力をつけたり等、言葉だけではなく動作も伝えていくことが大切だと知り、保育の中で活用していきたいと思いました。
・ミルクや授乳をアイコンタクトであげることが、口の機能を育てることに重要だという話を聞いて驚きました。口の機能は遅れても育てられるということなので、今の子ども達にできることを実践していきたいと思いました。
・口腔機能の獲得する上で、アイコンタクト(スキンシップと話しかけ)が繋がっているとは思わなかった。手づかみ食べが大切であることを改めて感じ、子ども達に伝えていきたい。また飲み込めない、食べきれないものに対して、子の未熟な部分があると知り、見方が変わりました。今日、とても学びある話が聞けて嬉しかったです。
・口腔機能の獲得にアイコンタクト(スキンシップと話しかけ)が一番大事なこと、それが育まれないとその先に進めないという話を聞き驚いた。アイコンタクト→上唇→舌という発達の順番を母親だけではなく、保育者も意識して心がけていきたいと思いました。その他にも自分が知らないこと、こんなことも関係しているのかという新しい発見を、これからの知識として取り入れていきたいと思いました。保育の視点として、“こすり取る”のを待つという介助は、意識していても難しいですが、乳児期にとっては大切なものだと気づくことができ活かしていきたいと思いました。
・口腔機能の獲得にとって一番大切なことは、アイコンタクト(スキンシップと話しかけ)である、という話があったが、本当にそうだなと思う。おさえるべきことをおさえていないと、次には進めない、何事も段階がある。具体的に“吹く”力をつけるためにの遊び《ピロピロ・ラッパ・風船》を知ることができたので、保護者(悩んでいる人がいたら分かりやすく)へ発信してみることもいいなと思う。園では大きな食材は難しいが、家庭では噛める(噛む)食材を意識して食べてもらうことも良いなと思った。
・口腔機能の獲得に大人と子どものアイコンタクトが重要で、これにより子ども自身、情報が入りやすい体と心に育っていくことが一番印象に残りました。
・今受け持っている自分のクラスでもポカン口の子がいるので、“なぜ”と思っていましたが、上唇が育っていないということや食事をする上でも大きく関わっていることを知ることができました。“上唇を育てる”という意識をもって支援していきたいと思いました。また、手づかみ食べは、目・口・手の連係プレーだと聞き、それをすることで子どもは、1口量を覚え、詰まってしまわないように学習する等、いろんなことを学んでいるのだと思いました。
・上唇を育てる育てるという大切さを改めて知ることができた。受け持っている子ども達の食事介助の姿勢を意識したい。我が子にも気にかけることができると思うので、とてもいい話が聞けた。
・保育の視点だけではなく、子供の発達を促す視点からのお話が興味深かったです。次回は保護者にお話しする視点からも聞いてみたいです。
・先生のお話を聞きながら「あ~あの子かな?」と思い当たることもあり、その子がしっかり噛めるようになるよう、どう進めたら良いのか流れを確認することができて、とてもありがたい時間でした。私事で言うなら、まさに孫が離乳食を始め、お母さんがいろいろ悩んでいるようなので、今日の話を一緒に共有し進めていきたいと思います。
・今までの乳児研修や離乳食の話とはまた違った情報を聞くことができて勉強になった。自分の子育て中(乳児・幼児期)に知っていたかったと思うことがたくさんあり、保護者にも直接聞いてほしい内容だと思いました。保育者として少しでも伝えられる知識を身につけたいと思います。
・乳児保育の経験が浅く、下唇がスイッチ、上唇が1回量という口の動きに注目したことがなかったので、新たな学びを得ることができました。偏食の子が多いように感じていましたが、好き嫌いではなく、まだ食べられる状態ではないという捉え方で良いと教えて頂き、私もそのように意識して食事の様子を見ていきたいと思いました。発音もはっきりしない子にもよく出会うので、「パンダノタカラモノ」の発音練習を取り入れていきたいと思います。
・食事(離乳食)の介助に、口腔機能発達の把握が必要なことや、それによって発語にも影響することを改めて理解する良い機会になったと思います。
・とても面白い研修だった。専門的な知識をたくさん教えてくださりありがとうございました。学んだことが、まだ自分の中で整理されていないので、もう一度資料をよく読んで自分のものにしたいです。保護者にも発信していきたいと思いました。子供の摂食機能は人為的なものだと知り、私の責任の重さを改めて感じました。
・食事の適切な進め方や発達に必要な援助を教えて頂いたので、園に帰って保育者と話し合い実践していきます。ためになることがたくさんで充実した時間でした。
・今担当している子どもに持っていた不安を今後どうしたら良いかということを聞けたので良かったです。子どもの食べている様子をもっとよく見てその子が食べられるようにもっと工夫していこうと思いました。
・ちょうど咀嚼について悩んでいる子がおり、今回の研修を受けさせて頂きどう対応していこうかという目安がついた。すぐに結果の出るものではないので、少しずつ子供の発達状況をみて練習していきたいと思う。
・保育していて気づかないことや、学べないことを知ることができてとても良い機会でした。食事面は大きく成長を感じることができて命に関わることなので、研修内容を参考にしていきたいと思います。また集団での食事を楽しむことにも視点を向ける大切さを改めて感じました。
・唾液量の個人差に驚きました。
・手づかみ食べはとても大切なことなのだと学び、止めずに見守りたいと感じた。
・歯磨きの仕方を教えて頂き勉強になりました。園に戻り伝えたいと思います。口腔機能の発達について今後も勉強していきたいと思いました。
・口腔機能の発達について、わかりやすく説明していただき、理解できた。
・小さい子の口(唇や舌)の動きがどのようになっているのか見るのは難しいが、どれくらい発達しているのか見ること大切だと分かりました。好き嫌いの多い子はたくさんいるが、大人になったら食べる。今はまだ食べる働きがないと理解するという話を聞いて、そんなに頑張って食べさせなくてもいいんだと気が楽になったような気がします。
・今回の研修で改めて口腔機能について学ぶことができました。今まで曖昧に理解していたことを詳しく学ぶことができのが良かったです。今回学んだことをこれからの保育に活かしていきたいと思います。
・食事の支援をする時に今後気をつけたいことなどがたくさんあり勉強になった。明日からの保育の中で実践していけたらいいと思うし、クラスの職員などとも共有できたらと思った。
・唇、舌などの口の働きや発達に合った支援をする必要があると感じました。また、食事の支援方法なども見直したいと思いました。スプーンの使い方や噛むことを伝える工夫をしたいです。
・小さい子ども達にとって食事の大切さについて改めて考えさせられました。赤ちゃんの離乳食の食べさせ方が特に勉強になりました。園に帰って職員と共通理解をし、現場に活かしていきたいと思います。口の機能を頭に入れながら保育の中に取り入れたいと思います。
・子ども達の口や歯に視点を置き、どのような支援必要なのかを考え、その子に合った対応・対策を行っていきたいと思います。今後、親になった時に、今回の研修内容を意識し、一般的な発達に携われるようにしたいと思う。
・詳しい話が聞けてなるほどとなることが多かったです。担当クラスでやはり『食』で困っている姿があったのですが、専門的な視点からの話を園に持ち帰って共有して見ていきたいと感じました。
・自園で大事にしたいと思っていることの具体的な理由が明確になる内容が盛りだくさんでもっと話が聞きたいと思いました。1つ1つ明日から保育に役立てていきたいです。
・子供の成長につなげて行くために私たちが具体的にできること、また保護者に伝えていく必要性を感じた。
・口腔機能が、他の機能と連携していたり、大人との関わりによって促されたりすることを学べて良かったです。単発的な支援ではなく、できるだけ乳児期から時期を逃がさない支援を継続する重要性を感じたので、保育現場で実践するだけでなく、家庭や親への発信が必要だと思った。発達を考慮した援助をすることが大切であり、それが一人一人の差にも対応していくことに繋がるのではと感じた。
・口腔機能の発達についてわかりやすく学ぶ時間でした。食事の介助に役立つ内容でした。
・具体的な内容を知ることができて、とても勉強になりました。改善できることはできるだけ取り組んでいきたいと思います。楽しい時間をありがとうございました。
・口腔機能について学ぶことが少なかったので、新しく知ることができて嬉しかったです。
・分かっていたことでも改めてお話し頂くと学びになり、園に戻り今一度職員で話し合い取り入れたり改めたりしていこうと思った。
・具体的な写真があり、よく分かりました。保護者にも自信を持って伝えることができると感じました。
・とても学びが多く、貴重な時間をありがとうございます。
・食べることの大切さを改めて感じることができました。
・0歳児を担当している保育士として、食事の面において難しい子にどのような援助・配慮をしたら良いか迷っていましたが、とても参考になりました。
・私は今0歳児11ヶ月の担任をしています。今回の研修では、噛む力は備わっているものではなく、食べることによって獲得していくものだと分かり、個人差があるので子供たち一人一人の様子に合わせて離乳食を進めていくことが大切だと分かりました。今後の保育にすぐ取り入れられることばかりだと感じ、今後の保育に活かしていきたいと思いました。
・途中で写真をはさんでくださり、楽しくスライドをみることができました。改めて学んだこと、初めて聞いたことがありとても勉強になりました。好き嫌いは18歳以降に決まるを聞いてびっくりしました。
・漢字が難しくて読めなかったり、言葉が難しくて理解しづらかった。集中して理解しようとしている時に突然外国の写真が出てきて、何か意味があるのだろうかと頭を切り替えてしまうので、ああ意味はないと思い、学びに戻ろうとまた読み直してと集中できなかった。ビールも飲まないので意味が分かりません。余談はない方が良いです。学びに集中したい。
【管理栄養士、栄養士】
・生後2ヶ月頃からの手を口に入れる遊び、ものがつかめるようになる4ヶ月頃から玩具を口の中に入れて遊ぶなど、当たり前のように思っていた日常の遊びが口でものを認識する練習になること、そして、そのことが離乳食を受け入れる訓練にもなるということ、なるほどと思いました。食べることに繋がっているということを学ばせて頂きました。貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました。
・乳児期からの発達には順序があることを理解しました。食材は何でも細かくするのではなく、歯でかじる大切さを改めて理解しました。
・今、リンゴは可燃して食べましょう、丸のままは控えましょうなどある中で、家庭でできることを増やして噛む力を育てることも大切だと感じました。カレーの中にジャガイモをごろっと入れてみるなど、簡単にできることを保護者に伝えてみようと思いました。
・噛めない・噛まない・なかなか飲み込まない子には、口の中の発達に問題点があり、練習することで口の働きが良くなるということが分かりました。また、離乳食は月例で段階を上げていくのではなく、見極めるポイントがあることも詳しく知ることができました。歯並びや虫歯予防に関しては家庭でもしてみようと思いました。
・口腔機能の発達は個人差があり、一人一人を観察し離乳食を進めていくことが大切だと改めて実感しました。
・離乳準備期、ゴックン期、モグモグ期、カミカミ期、離乳完了期の各食形態が分かったので、理解しながら食事を作りたいです。
・舌の動きについて詳しく話が聞けて良かった。舌の鍛え方などを実践してみたい。子供の食事の時に実践してみたい。
・話も分かりやすく、途中、写真をはさむなど楽しみながら学ぶことができた。
・離乳食は大切で個々に合った調理方法、食べさせ方が必要だと思いました。また家庭との連携も必要だと思いました。今回の研修を参考に園でも試みたいと思います。
・発達に応じて食べ進めるペースがあって、その時期にどうすればいいかを明確にすることができて良かったです。うまく進まない子どもは、その状況をしっかり見ていくことが大切であり、その原因にはアイコンタクトや食環境などがあると知りました。
・新しく学んだことが多くて、職場で活用したいと思いました。
【調理師、調理員】
・たくさんのお話と口腔機能発達の知識ができ、とても良い学びでした。
・園では、集団の場なので個人個人に対応するとは難しいが、個々の工夫も必要だと学んだ。
【施設長】
・我が園では給食、0・1・2歳児の保育士、主幹、園長が参加したが、全職員で聞きたいと思った。口腔機能の獲得のためにも愛着が大切ということは驚き、すべての土台になっていることが分かった。個別に食事をみることの大切さを学んだ。
園
- カテゴリー: 口の働きを育てる