全国保育士会 平成29年度食育推進研修会
2017年08月02日(水)
日時 平成29年8月2日(水)13:00~16:30
3日(木) 9:30~15:50
会場 全日通霞が関ビル 8階大会議室[定員162名]
東京都千代田区霞が関3-3-3 全日通霞が関ビル
*定員超過のため会場変更
参加対象 食育に携わる方(保育士、栄養士、調理師、看護師等)
各都道府県・指定都市組織食育推進委員
各食育組織正副会長・リーダー等
定員 162名
主催 社会福祉法人全国社会福祉協議会・全国保育士会/全国保育協議会
実施主体 全国保育士会(食育推進委員会運営委員会)
参考に
保育士会ホームページの開催報告
www.z-hoikushikai.com/kensyukai/kensyukai.php?id=35
全社協アクションレポート 9ページ
www.shakyo.or.jp/news/2017/actionreport_170831.pdf
プログラム
第1日目:8月2日(水)
13:10~14:40(90分)
講義Ⅰ
「改定保育所保育指針」および、「改訂幼保連携型認定こども園教育・保育要領」を読み解く
平成30年度に、改定保育所保育指針、改訂幼保連携型認定こども園教育・保育要領が施行の予定であり、平成28年度末に告示、平成29年度を周知期間としています。
保育実践の礎となる改定指針および改訂教育・保育要領の内容を把握することは、保育士のみならず、栄養士や調理員すべての保育関係者にとって、不可欠です。指針と要領を読み解き、改定全体のポイントを確認・整理します。
講師 大方 美香 氏(大阪総合保育大学 学部長・教授/大阪総合保育大学 大学院 教授)
14:55~16:25(90分)
講義Ⅱ
口腔機能の発達に応じた食事提供、保育の展開について
口腔機能は、“食べる”以外にも、“話す”、“息をする”など、生きるうえで重要な役割を担っており、月齢によって段階的に獲得されます。
専門的な知見から、子どもの成長と、口腔や嚥下機能の発達の関連 等について、あらためて知識を深めるとともに、一人ひとりの発達に合った食事の提供について考えます。
講師 小島 登 氏(小島歯科医院 名誉院長/石川県保険医協会副会長)
レジュメ
講演後、多くの質問を頂き関心の高さを伺わせた。
参加者職種
管理栄養士、栄養士 55名
主任保育士、保育士 45名
園長・所長・副園長 30名
調理師・調理員 23名
その他 8名
(事務職員・行政職員・空欄)
計 161名
アンケート
大変参考になった 108人 81.2%
どちらかといえば参考になった 25人 18.8%
あまり参考にならなかった 0人 0.0%
参考にならなかった 0人 0.0%
無回答 0人 0.0%
合計 133人 100%
自由意見
・歯が内側に入る。べろが当たる。噛ませることで歯が立ってくる。口の中が整っていく。 食事の大切さ、食材の硬さなど、工夫しながら進めていきたいです。
唾液が歯を守ってくれるので、唾液分泌の多い食後に歯間ブラシやフロスを使い唾液の通り道を作る。また、聞かせていただいた話を伝えたいと思います。
・機能の問題だけではなく食べる練習(発達を促す方法)が必要と思いました。
・歯科医の立場からお話しいただき、具体的な訓練方法を教えて頂けて大変参考になりました。もう少し、お話しの根拠となるデータを示していただけるとありがたかったです。
・成長の仕組み(あご、舌の動きなど)にそって、食事を一人一人見ていく大切さ。専門性を持って保育していきたいと思いました。
・口の中の経験・体験がとても重要・大切だということを、分かりやすく教えていただいたので参考になった。
・医学的な難しいと思われる内容も、とても分かりやすく説明していただきました。
・歯医者さんの専門の方からの話で、楽しく聞くことができた。
・口腔機能の講話を聞くことがはじめてでしたが、とても分かりやすかったですし、具体的で良かったです。
・口呼吸の子どもの増加が気になっていたところ、離乳食の食べ方に起因することが分かり、良かったです。
・子どもの歯の様子(すき間)、と舌の動きの関係が結びついたことが解り、子どもの咀嚼の大切さを再度伝えていきたいと思いました。
・歯科医の講習は初めてだったが、すごく分かりやすく、舌の重要性を初めて知った。
・具体的なエピソードがとても分かりやすかったので、保護者に話する際の参考にさせていただきます。
・発達の視点がよく採り入れられていました。
・いつもしていることが、こういう理由があって・・・など、様々なことが大変参考になりました。
・ピンマイクでお話ししていただいたほうが分かりやすかったのではないかと感じた。
・舌の動きが大切だということを学ぶことができました。
・離乳食の進め方に、舌の使い方が大切とは知っていましたが、それ以外にもたくさん学ぶことがあり、勉強になりました。
・まる呑みする子、早食い、口の中にいつまでも食べ物が残っている子・・・に対して、まだ処理できない!ということが知れて、子どもに向き合っていくことがうれしく感じる。0歳の離乳も上唇の機能がうまくやっているのか、の確認もしていきたい。
・「舌」について詳しく話を聞いたのは初めてだったので、しかも、分かりやすく今後の子どもたちの食べ方をしっかり見ていこうと思いました。
・“甘い物は膵臓に負担をかける”という言葉に怖さを覚えた。
・これまでに、このテーマの研修内容に参加したことがなく、資料内容も分かりやすくよかった。
・とても参考になる分かりやすい研修でした。
・口腔機能など知らないことがたくさんあって、とても参考になりました。
・具体的で、食育に関わる取り組みに感動しました。
・口腔機能について、理論を整理できるお話しでした。
・口腔機能については、乳幼児からとても大切なことなので、90分ではなく、120分位かけて、講義を聴きたかったです。次回も期待したいです。
・噛む力が弱いのではなく「舌」がポイント。乳児からの発達がいかに大切なのかというところが参考になった。
・離乳食の進め方、目安がとても参考になりました。噛めない子、飲み込めない子の対応の仕方が分かりました。今後食事の対応に役立てて行きたいと思います。
・現代の子どもの環境等、事例を入れての説明や、改善策などためになりました。
・具体例を交えての講義だったため、再確認できたことや、謝って理解していたことが明確になり、参考になりました。
・まず、私達が歯の発育をしっかり知り、勉強したことを園に持ち帰り、情報を提供し、子ども、保護者と連携し子育てを支援して行くことの大切さを学んだ。
・“目からウロコ”でした。
・歯の生え方について考え、保護者にもそう伝えていきたいと参考になることばかりだった。
・歯科医のお話を聞くことがなかったので初めて知ることも多く、とても興味深いお話しでした。歯の食の関連強さを改めて感じました。
・具体的(医学的)な学びがあり、おもしろかったです。
・知らないことが多く、大変勉強になりました栄養面だけではない、口腔の研修もいいですね。
・細かな説明が聞けて大変よかったです。
・口腔機能の発達について詳しく知ることができ、保育に活かせると思った。
・専門的なお話が聞けてよかった。
・離乳食の食べ方の重要さを再確認しました。口腔機能と感覚統合の繋がりについて勉強になりました。参考にしていきたいです。
・噛む能力は舌の訓練によって身につく。
・小島先生の「口腔機能・・・」は本当に知らないことや、間違って覚えていたこともあり、大変勉強になった。
・「食べる」ということは、見て観察していくことという言葉が、心に残りました。栄養士として、子どもたちの成長に「食」を通して、関わっていくことの重要さを感じました。
・専門的な視点や意見を参考にし、今後の保育(子どもとの関わり)や保護者支援に取り入れたい。
・いろいろ知れたことで、保育にも影響すると思います。好き嫌いがあると勝手に決めつけず処理できないと考えを変えることで、子どもにも保育する側にもよくなります。
・全職員で先生の話を聞きたいと思いました。具体事例が勉強になりました。
・歯医者さんの立場からのゴックン期、カミカミ期など始めて聞きました。
・専門の先生にお話が聞けて、また子どもの発達のことをよく分かっている方で、とても「へー。」というところが多く有意義な時間でした。質問にもていねいに応えていただき参考になりました。
・医学的な分野からの科学的知識をまとまった形でご教授いただけたのがとても勉強になりました。すぐに業務に活かせると思いました。
・舌の動きでそんなにも違うのかと始めて聞いてとても参考になりました。保育園でもおろしていきたいと思いました。
・咀嚼の発達や舌の動きについて学ぶことができました。食が進みにくい子どもに対し、今回教わったことを頭に入れ、関わっていきたいと思いました。
第2日目:8月3日(木)
9:30~11:00(90分)
講義Ⅲ
「施設(職員)が一体となって取り組む食育について考える」
平成30年改定(改訂)施行[予定]となる、改定保育所保育指針および、幼保連携型認定こども園教育・保育要領では、「子ども(園児)と調理員等との関わりや、調理室など食に関わる保育環境に配慮すること」と言及しています。
保育士、調理員、栄養士のみならず、多様な関わりのもとでの食育の実践について理解を深めるとともに、施設内の全職種が連携して一体的に、食育をすすめることの意義とポイントを確認します。
講師 堤 ちはる 氏(相模女子大学 栄養科学部 健康栄養学科 教授)
11:00~12:00(60分)
実践事例報告
「施設が一体となって取り組んでいる食育実践」
事例1 周南市立第二保育園(山口県)
事例2 社会福祉法人白鷹会 愛真こども園(山形県)
13:30~15:20(110分)
グループワーク
テーマ「施設が一体となって食育に取り組むために」
メモ
大きな会場に変更したが再び定員超え。キャンセル待ち、それでもなお申し込みがありお断りしたとか。168名の参加、超満員、熱気があふれていた。
時間の合間に
ディズニー・アート展と代々木ナル
kojima-dental-office.net/blog/20170804-7622
講義Ⅰ
1.保育をめぐる近年の背景
①0~2歳児の需要が著しく増えてきた
②福祉から一般的になってきた
③少子化で手厚くなるはずが、虐待や育児放棄等が目に付くようになり、どうして良いか(食べるという当たり前)分からない母親も増えてきた
2.保育所保育指針の改定
① 7章立てから5章建てに再編した
②第1章 総則に養護に関する基本的事項や保育の計画が入った
・センサーつきの蛇口で育つ→園の蛇口の前で黙っている
何やっているのではなく、何で出ないのだろうねと考える
家のものと形が違うねと気づく
上のところを回す、試してみよう
教えてと言葉にしてみよう
・総合的な「見方や考え方」の育成
生活の中にある5領域 健康、環境、表現、言葉、人間関係
③今回のメイン、第2章 保育の内容
・乳児(1歳未満)と1歳以上3歳未満の事項が盛り込まれた
数年に及ぶたっぷりな時間がもたらす様々な育ち(歌や遊びたけではない)
身近な人と気持ちが通じ合う、身近な物と関わり感性が育つ
・意味が分からない、説明できない
体験が少なくなっている→生きる力が育ちにくい
ハイハイしないですぐに立つ→腹筋の育ちが悪く消化器系が弱い
なぜしゃべらない→夫婦の話し声を聞かずに育つ
どのくらいをスプーンで食べる→実際にやってみる
④第3章 健康及び安全
・災害の備えが入る
マニュアルだけではなく、日々の生活とつなげていく
水→飲み物、トイレ→恐い水もある 津波や洪水
⑤保護者に対する支援から子育て支援に変わった
・園に通っている子どもだけではなく、地域としての役割
(小規模保育や家庭的保育)
・乳児から小学生までつながってきた
⑥第5章 職員の資質向上に研修の実施体制等が入った
3.大人社会の変化が子どもの生活に変化をもたらす
①変わってきていることに気づく→いい悪いではない
・電話からスマホやアイパットに変わり話す機会が減る
指の動きが違う
・食器が洗って片づけるから使い捨てへ
・食洗機を使うようになり食器が丸から四角
・外食するがよその家で食べることが少なくなった
・味噌汁を煮干しや鰹節からつくるからお湯を注ぐだけ
・お店での買い物からカードやネットになる→やりとりが無くなる
・バリアフリーになり段差を経験しなくなった
②親子関係にも配慮
・園では食べているとの連絡手帳
一生懸命作った私のは食べない
・言葉を大切にする
4.家庭の文化を尊重する
・多様性、尺度の違い
・応答する保育
講義Ⅲ
1.乳幼児の食生活
・食欲を満たす楽しい時間→心を育む
・長期的な視点
2.子どもの食事で困っていること
・約8割が困っている→食支援が必要
・食事の時間が空腹で迎えられるようにする プラス ひとつひとつの対応
・咀嚼能力に合わせた食形態
保育園で行っている配慮をどれだけ家庭に伝えているか
料理の苦手な人にほど成功体験を
具体的、詳細な調理法までアドバイス
指でつぶせるくらいの硬さ→親指と薬指(人差し指では強すぎる)
薄切り肉は繊維が強い→しゃぶしゃぶ用赤身もも肉
3.手づかみ食べ
・理由をしっかり伝える
食育の第一歩
能動的 始めて自分の意志で食欲を満たす
前歯でかじる→咀嚼のスイッチ
4.避けたい7つの「こ食」
孤食 一人で食べる→栄養や嗜好が偏る
コミュニケーション能力、思いやりの心
マナー
個食 食卓を囲んでもそれぞれが違うものを食べる
→抽象的な概念を具体的に事象で体験
子食 子どもだけで食べる
固食 同じ物ばかり食べる
濃食 濃い味付けの物ばかりを食べる
粉食 パンや麺類ばかりを食べる
小食 食事量を制限する
5.食育の実践
目に見えない物を想像させて「いただきます」→いのち、食べ物を大切に
その家の当たり前の基準→具体例を示して一般的な基準(量、頻度、時間)へ
6.アレルギー
最新の正しい知識を
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