小島歯科医院 名誉院長ブログ

口腔内スキャナーを導入

2022年09月15日(木)


 口腔内スキャナーは、IOS(Intraoral Scanner)とも呼ばれている。口腔内スキャナーの先端部を口の中に挿入して歯列を撮影し、デジタルデータに変換する。
 虫歯、欠損歯、歯石、色素沈着などを即座に確認でき、口腔内の健康状態をよりよく理解できる。
 口腔内スキャナーは光学印象もできる。光学印象とは、従来の粘土(シリコン印象材など)での歯の型取りとは異なり、お口の中をカメラでスキャンして3Dデータをデジタルで取得する型採りのこと。
 Aoralscan 3
www.shining3ddental.com/ja/solution/aoralscan-3-ja/
 SHINING3Dは、2004年に設立。3Dデジタイジングと積層造形技術の先駆者として研究開発に専念し300件以上の特許と100件以上の著作権を保有。本社は、中国杭州にある。

 光学印象のメリット
・口腔内スキャナーを使用することは、従来の歯の型採りよりも多くのメリットがある。 今まで型採りが苦手だった人にも抵抗が少なく、快適な印象採得を可能にする。
・従来の粘土での型取りよりも光学印象のほうが精度が高くなる場合がある
・嘔吐反射のある患者さんにも不快感が少なくやさしい型採りが可能
・従来の型採りよりも、印象採得にかかる時間を短縮できる
・先端のチップを取り外し滅菌したものに交換することで万全な感染予防対策が可能
・スキャン画像をすぐに確認することが可能で、患者さんにも見ていただける
・光学印象は石膏などの医療廃棄物が不要になるので環境にやさしい
・口腔内のデータをQRコードに置き換えることが可能で、患者さんがそのQRコードを読み取ることにより、いつでもご自身の口腔内のデータを確認することができる。

参考に
 デジタルデンティストリーの到達点と展望
 講師:北道敏行氏( 兵庫県・姫路市きたみち歯科医院院長)
kojima-dental-office.net/20211028-5998#more-5998
2.IOS(口腔内スキャナー)の選択
 ①歯科医院のスタイルから考える
  ・自院完結型であれば高価格帯を選ぶ
  ・技工所にアウトソーシングするのであれば低価格帯
 ②性能はほとんど同じ
  ・フルアーチになると、精度に差が出る
  ・臼歯部は直線的で誤差はないが、前歯部は湾曲があり誤差が出やすい
  ・歯肉縁下を撮るときは高価格帯
 ③定量的可視光誘起蛍光法 トリオス4
  ・歯牙(小臼歯及び大臼歯)表面や咬合面にブルーライトを当てると、
    う蝕の程度を分類表示。緑の蛍光を発する。
    う蝕病原菌の代謝物、ポルフォリンは赤色の蛍光を発する。
 ④ソフトウェア開発
3.IOS(口腔内スキャナー)での撮り方
 ①重ね合わせる枚数が少ないほど誤差が少なく精度がよくなる
  ・三角計測法の機種では、
   「影」ができないように様々な角度から連続的に撮影する必要がある。
    撮影枚数が多くなり重ね合わせを繰り返すので誤差が出やすい。
  ・共焦点法の機種では、
    ピントの合ったものだけを結像していくので誤差が出にくい。
    術者の熟練度に結果が左右される。
    撮影のコツは対象歯との距離を一定にカメラをゆっくり動かす。
 ②目的別撮影経路  
  ・一般的には、頬粘膜など可動領域の影響を受けやすい部位を後にする
    口蓋側→咬合面→頬側
  ・修復物を優先の時は、咬合面→頬側→口蓋側
    隣接面歯頸部では、スキャン用のオレンジ色のウェッジや歯肉収斂粘土を使用
  ・開口量が少ないときは、撮影しやすい5番くらいまでをスキャンして、
    後で奥の方に移り前の方と重ねる
4.アナログとデジタルとの比較
  ・IOS(口腔内スキャナー)による印象精度・再現性は従来法と同等かそれ以上
  ・作業工程が極端に少なくなり、誤差がほとんどなくなる
  ・製作に必要なコストも削減される
  ・作業時間も短縮される

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