歯根の内部吸収
2014年09月14日(日)
前歯部歯根の円形吸収像。歯髄組織の一部に破歯細胞が生じ、歯質の歯髄側から象牙質が吸収された状態をいう。原因は歯冠形成時の熱傷による歯髄の壊死が考えられる。吸収が生じた時点では生活歯であるが、時間の経過と共に失活すると考えられる。
初期のうちは無症状であるが、進行すると根管内で側壁が穿孔し、歯周組織と交通するようになる。進行を抑える必要からも、発見後ただちに抜髄法を行うのが望ましい。失活すれば吸収は止まる。
今回、デンタルX線だけでは困難であった、内部吸収より深部の根管処置がCTを活用して可能になった症例を報告する。
症例
患者 51歳女性
初診 2014年6月12日
主訴 右上5,6番補綴物の脱離と左上1番部のアブセス
現症 左上1番部から排膿
診査 パノラマX線にて歯根内部吸収
治療計画 1.右上6番の抜歯と5番の感染根管処置後にブリッジ装着
2.左上1番の感染根管処置後に補綴
経過 1.は略
2.
7/22 左上1番の口蓋側より感染根管処置を開始
25 ポイントを入れて左右のズレを調整できても
内部吸収より深部の根管が見つからない
29 ポイントを入れて
CTにて内部吸収より深部の根管の入り口と方向を矢状面で確認
8/1 内部吸収の浅部と深部で根管方向のズレを浅部の歯質の削合にて補整
内部吸収より深部へ到達
9/1 補綴
- カテゴリー: クリニック情報