歯性上顎洞炎の治療
2015年01月23日(金)
原因歯の確認
上顎洞炎の症状を繰り返しているが、上顎臼歯部の歯に臨床症状が見られない症例が紹介されてきた。その上デンタルやパノラマX線写真においても判読困難であった歯性上顎洞炎原因歯をCTにて確認でき治療した。
参考に 歯性上顎洞炎とは
むし歯、歯周炎からの炎症が上顎洞に入り上顎洞炎を起こすことがある。これを歯性上顎洞炎という。第一大臼歯(きゅうし)が最も原因になりやすく、次いで第二小臼歯、第二大臼歯の順。その歯を軽く叩くと痛みや違和感がある場合に疑われる。また鼻のなかには膿性の鼻汁が認められる。さらにX線検査で上顎洞に陰影があれば、ほぼ間違いない。上顎洞炎と原因歯の治療を行う。
症例
患者 38歳女性
初診 2015年1月15日
主訴 歯性上顎洞炎の治療
左上6番の再根治依頼(病院口腔外科より)
現病歴 左上6番の急性症状と上顎洞炎を繰り返している
現症 後鼻漏がある
左上6・7番に打診痛などの臨床的な炎症症状が見られない
診査 パノラマX線にて左上顎洞底にお椀形の不透過像が見られる
デンタルX線写真にて原因歯が特定できない
CT画像にて左上6番の根尖部にわずかな透過像は見られるが
7番の根尖病巣による左上顎洞炎と診断する
3D画像にて近心第4根により引き起こされていることも確認する
治療計画 左上7番の感染根管治療
左上6番は経過観察し必要があれば根管治療する
経過 近心第4根より排膿あり
根管貼薬後にビタペックスで仮根充して上顎洞の病巣を2~3ヶ月経過観察
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