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第7回 食育講演会

2011年04月03日(日)


口腔から始めるこころの育成
講 師   犬井 正 氏
(柏崎市 犬井歯科クリニック院長、柏崎市二田小学校 学校歯科医)
とき : 2011年 4月 3日(日) 午前 10 時~12時
ところ: 金沢都ホテル 5階 加賀の間(定員100人)
対象 : 歯科医師、医師、会員医療機関のスタッフ、食育関連職種の方など
参加費: 無 料    第7回食育講演会チラシ
主催 : 石川県保険医協会(食育プロジェクト)

メモ
食育 Food education
1.DVD かむことの効用は「ひとがすき」
ndhsnews.blog97.fc2.com/blog-entry-25.html
 ひ 肥満予防
 と 糖尿病予防
 が 癌抑制
 す ストレス解消
 き 記憶力アップ
ためしてガッテン「歯は姿勢・バランスにも影響」
ameblo.jp/oral-occlusion/entry-10822745471.html

2.「ひとがすき」のライフステージ
  めばえ→準備期→確立期→維持期→むすび
 ①めばえ
  胎生6か月頃「快」「不快」の情緒が育つ
 ②準備期
  適度なストレスが五感を育てる
  母乳のもどかしさが扁桃体と海馬を鍛え、ストレスに強い子に育てる
 ③確立期
  よく噛んで食べるとその時には口呼吸できないから鼻呼吸を育て腹式呼吸になる
  ボタン相撲の上位者には、朝自分で起きられたり、和食の子が多い
  指導ではなく支援
  孤食、個食にキレる子が多い(家族団らんがノビる子を育てる)
 ④維持期
  噛むことにより食事誘導性熱代謝が増え、肥満を防ぐ
   代謝は、筋肉量で決まる
   基礎代謝(60~70%)、生活活動代謝、食事誘導性熱代謝(10%)
 ⑤むすび

3.学校検診に追加した機能検査
  ①かみかみセンサーによる咀嚼回数
  ②咀嚼判定ガムによる混ざり具合
  ③健口くん ハンディによる「パタカ」の5秒間発音回数  
  ④口輪筋の力を測定
    発音回数大会やボタン相撲で楽しく育つ口の働き

4.学童の下顎前歯舌側に見られる歯石は口呼吸が関与か

5.歯牙萌出順位が最近変わってきた
  6番の萌出が1番より遅くなった
  咬合の不安定や過蓋咬合が目立つ

石川保険医新聞  報告者 副会長 平田 米里(野々市町…歯科)
 東日本大震災の混乱も落ち着かない四月三日、七回目を迎えた食育講演会は、予定通り開催された。
 新潟県は、小中学校におけるフッ素洗口が有名であるが、全国で初めて「歯科保健推進条例」を定めたことでも知られている。最近では、食育に関するさまざまな活動を展開していることでも注目を集めている。新潟県と新潟県歯科医師会の製作によるパンフレット『よくかんでおいしく食べよう!』に、その一端を垣間見ることができる。今回は、その新潟県で食育啓蒙活動の中心的人物として活躍されている犬井先生を講師としてお招きした(新潟県柏崎市で開業されている講師は、自身も過去に二度の大震災を経験されているとのことで、胸には黒色の喪章を付けての講演となった)。
 講演は、新潟県歯会作製のDVD『かむことの効用はひとがすき』の上映から始まった。歯科から国民にどんな内容を発信すべきか、コンパクトに編集されている優れものであった。ちなみに「ひとがすき」は、(ひ)肥満防止、(と)糖尿病予防、(が)癌予防、(す)ストレス発散、(き)記憶力アップの頭文字である。また、「ひとがすき」のライフステージを、めばえ、準備期、確立期、維持期、結びの五ステージとして捉え、さまざまなアプローチが試みられているとの紹介があった。
 しかし、最大の目玉は、講師が学校歯科医を担当する二田小学校におけるユニークな取り組みであろう。単に大人の都合で押し付ける取り組みでは、子どもたちが受け入れてくれないため、いろいろな工夫を凝らしていると語った取り組みの数々は、聴衆にとって目からうろこであった。以下、いくつか紹介する。近年、口輪筋の未発達による富士山型上口唇が問題視され、その改善推進策としてボタンを使った口輪筋の筋トレが推奨されている。しかし、単純に生徒に筋トレを進めても、実効性が低い。そこでボタン相撲を校内競技大会として催したところ、大きな成果と反響があった。実際に体育館が震えるばかりの歓声の中で行われる様は、圧巻であった。
 また、5秒間で発語された「ぱ音、た音、か音」を測定できる「健康くん」なる機器を開発し、それを用いた校内大会。一定時間の中で、どんな食事では、どれだけの回数を噛むことになるのかを測定できる「かみかみセンサー」なる装置を使った学校給食現場での調査。まさにどれもこれもアイデア満載の取り組みと言えよう。氏の取り組みはそれに止まらず、次にはそれらを歯科検診項目にまで取り込んで、口腔機能を評価しようとする。総じて、単に病因論を語るだけに終わらず、どうすれば改善につなげられるかを追求する姿勢に、多くの参加者は元気をもらったようで、講演後には、DVDや資料の追加注文が殺到した。元気をいただいた犬井氏に感謝、感謝である。

<講演抄録>  講師 犬井 正
○ 「口腔から始めるこころの育成」
 歯科保健推進条例制定に伴い、新潟県歯科医師会では「かむことの効用はひとがすき」という標語を作成し、県民の皆様に口腔と全身の健康の関連についてひろく啓蒙、啓発をしてきた。元々「ひとがすき」は肥満予防・糖尿病予防・がん抑制・ストレス緩和・記憶力アップの頭文字から考えられている生活習慣予防の標語であるが、言葉自体が持つ意味から食育、心の教育など学校歯科保健のなかで活用されることも多くなってきている。学童期に正しい生活習慣病を楽しく学ぶことは大変有効であり、それが心の教育にも繫がる。 一方、食べ物は体を育み、食べ方は心を育むと言われ、孤食・個食が心に与える影響は大きく社会問題になりつつある。しかしメンタルヘルスケアの分野では歯科はほとんど関与していないのが現状であった。そこでこころを育む重要な学童期に発音・咀嚼・口腔周囲筋力を定量化し補正することで歯科がメンタルヘルスケアと関わり、「かむことはひとが好きになる」は単なる語呂合わせでなくエビデンスに基づくものであることを示すものである。
 新しい検査項目は機器さえあれば子供たちが自ら楽しんで行い、自律的健康感を高めることができる。他の児童との比較する絶対評価でなく、個人の経年的変化をみることを目的としているので、ヤル気と根気と楽しむ気持ちがあれば検診結果は必ず良くなり、従来の検診項目が良くなかった児童も評価することができる。
 また逆に従来の検診(虫歯・歯肉・歯並び・顎関節)にまったく問題のない児童が機能検査にいくつか問題がある場合、楽しむことができず猜疑心が強く根気に欠けると予想できる。潜在化しがちなこのような児童を検出するためにも有効であり、生きる力を育むためのメンタルヘルスケアプログラムであると言える。

<講師の紹介>
犬井 正 氏
柏崎市 犬井歯科クリニック院長
柏崎市二田小学校学校歯科医
平成18年4月から新潟県歯科医師会地域保健部員、主として学校歯科保健を担当し児童生徒の歯科保健の推進に努力、活躍されている。また、新潟県歯科医師会が歯科保健推進条例の制定と共に、かむことの効用について広く県民に啓発することを目的として作製したDVD「かむことはひとがすき」の構成、作製に尽力された。本DVDは、当県のみならず他県からも購入依頼が多く、歯科保健の啓発、推進に大きく成果を上げている。また県内の学校歯科医を対象とした研修会等の講師も多数務められている。

 いわゆる「食育」が国民から注目を浴びるようになってから久しくなりました。
 それと並行して、「歯科から発信する食育」も高い評価を受けつつありますが、今後、歯科ばかりでなく、さまざまな保健関係者を巻き込み、ますます発展・期待される分野でもあると確信しています。しかし、関心を持ちそれなりに独学してみても習得度に自信が持てないとか、本からだけの学習では心もとないと感じている人も多いと推測します。
 今回の講師・犬井正先生には、診療の場や学校保健の場で成功した実践応用例をご紹介いただくことで、私たちに新たな活力と展望を見せていただけることと思います。
6月4日の虫歯予防デーに向けて、さまざまな歯科イベントが催される直前に開催するこの講演会は、参加される皆様にとって、必ずや有意義なものとなることと思います。
多くの関係者の参加を歓迎しています。

●申込み方法
 団体名、電話番号、参加者名と職種を下記までご連絡ください。
 石川県保険医協会
 電話: 076 (222) 5373
 Fax: 076 (231) 5156
 Email: ishikawa-hok@doc-net.or.jp
申込締切 3月28日 

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