第4回食育講演会
2008年06月22日(日)
今ブームの食育をどう考えるか
食育アラカルト:その背景・子育ちと食・石川県の今
講師 沼田 直子 氏(石川県健康福祉部子育て支援課担当課長
(母子保健・家庭福祉担当)医師)
日時 2008年6月22日(日) 午前10時~12時
場所 金沢都ホテル
後援 金沢市、金沢市教育委員会
報告者 金沢市末町
はせ歯科医院
長谷 他家志
6月22日(日)金沢都ホテルにて、第4回食育講演会「今ブームの食育をどう考えるかー食育アラカルト:その背景・子育ちと食・石川県の今―」が沼田直子氏(石川県健康福祉部少子対策監室子育て支援課担当課長 母子保健・家庭福祉担当)を講師に招いて開かれた。
医師、歯科医師、医療・歯科医療関係者、養護教諭、保育士、栄養士、その他関係者を合わせ120名余の参加者があり熱心に聴講されていた。
沼田氏はご自身小学4年生のお子様を持つ子育て真っ最中の方で、お子様の小さな頃の食事風景のヴィデオなどを示しながら、食べるとは何かから話を説き始め県下各地での講演、ワークショップでの光景も交えながら進め、時折会場にいろいろな質問を投げかけ直接答えを求めたり、挙手を求めるなどできるだけ聞く一方でなく全員参加型の講演を進めていた。
今巷には食育という言葉があふれているが、子供が育っていく食育では、子供に何か伝えるという事はマニュアルでない部分で動いている事をまず受け止め何が大切かを考えることが大事との観点で話が進んでいった。子供たちに伝えたい食育は楽しく食べる事であり、より良く食べる事はより良く生きる事につながる。忙しさにあふれる現代では食にも効率化が求められ、それは生きづらさへの警告となっている。手塩にかけるなどの無駄がいきることはどんどん失われ、効率がすべてのように生き方そのものへの問いかけであり、食べることの今日的意味は育むことである。食育では野菜嫌いを無くするなどスキルを求められるが、それよりも心と体が育まれる感性を取り戻すことであり、効率・評価・管理のコントロールの原理ではなく、受容・共存・ゆったりした時間の流れの育む原理が求められる。育てる側は忙しさの中で待つ、プロセスを楽しむことを失い、子供にとっては必要な体験を待てない、結果を求め過ぎることになっている。体感、体験しにくくなっている中で、子供にも生活の場で役割を与え、達成感を育て、「したいぞ力」を養いたい。本来食とは楽しい事であり、共に食べるは気持ちを通じることである。家族が一緒に食べるなどの家族団らんの機会が減る中でも、食でつながる食の原風景を世代を超えて伝えたい。子供が育つ環境を整えるのには、子供が変わるのではなく、大人が変わらなければならない。石川県の食育では体験型を重視し、食を通じて人と人がつながることを大切にしている事が紹介された。
最後に食育プロジェクト今後の方向性の参考にすべきアンケートを参加者に求め散会した。
第4回食育講演会
今ブームの食育をどう考えるか
食育アラカルト:その背景・子育ちと食・石川県の今
講師 沼田 直子 氏(石川県健康福祉部子育て支援課担当課長
(母子保健・家庭福祉担当)医師)
日時 2008年6月22日(日) 午前10時~12時
場所 金沢都ホテル
参加対象 歯科医師、医師、医療・介護・教育・保育・行政関係者など
参加費 無料
後援 金沢市、金沢市教育委員会
歯科医師をはじめとして他業種の皆さんにご参加いただき、好評を得ている食育講演会シリーズも、今回で4回目を迎えました。
これまでは、歯科医師の立場からの「食育」をご紹介する講演会を企画してきましたが、今回はまた別の角度から食育を捉えなおす機会にしたいと思います。
講師は、石川県健康福祉部子育て支援課で母子保健・家庭福祉の担当課長をされている沼田直子先生です。
国民運動として誰もが「食育」という言葉を耳にするようになりましたが、沼田先生は食育が「マニュアル化」されている現状に疑問を呈していらっしゃいます。食の問題まで管理され、マニュアルを提示されるという事態についてどのように考えるのか。いま、なぜ食育がブームになっているのか。これらの背景を考えた上で、石川県の取り組みについて語っていただく予定です。
沼田先生は小児科がご専門の医師で、母子の関係性や虐待の問題、子どもの心の問題にも熱心に取り組んでいらっしゃいます。子育て支援課の担当課長として、小児科医として、幅広い見識から食育のお話をお聞きいただけると思います。