のぼるくんの世界

のぼる君の歯科知識

エッセイ

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技工士の待遇改善を

2009年06月18日(木)

就業歯科技工士年齢構成 歯科技工士数は近年減少傾向にあり、特に若年者では著しい。技工士の高齢化(平均年齢47歳 日技平成15年実態調査報告)が進み、平成18年の年齢構成をみると、40歳以上が60%以上を占めている。また、歯科技工士学校・養成所は、平成18 年現在、全国で60 校であるが、ここ4,5年の間に12 校・科が廃止されている。さらに、数箇所の廃止が予定、予想されている。そして、平成16年保健・衛生行政業務報告によると、平成16年の25歳以下の就業歯科技工士は2493名であり、この間の歯科技工士学校卒業生10565名と比較すると75%以上が離職しているという実態がある。石川県歯科技工士専門学校の平成20年2月の調査では、卒業7年後も技工士を続けている人は28.1%であった。 続きを読む

STロックが発売中止

2021年03月25日(木)

www.dentsplysirona.com/ja-jp/news-article.html/content/newsroom/ja/corporate-news/2020/news-discon-ort-lab-rst-products-20-1001.html
 噛み合わせが逆(反対咬合)の場合に使用されてきたリンガルアーチ(舌側弧線)に欠かせないSTロックが発売中止となった。上顎前歯を前方拡大する臨床に大きな影響を及ぼすことになる。歯学部や技工士の教育現場でも対応が迫られている。教育要綱にリンガルアーチは入っている。
 STロックは三金工業で販売していたが、吸収合併したデンツプライシロナに引き継がれていた。しかし、慣れ親しんだ素晴らしい製品とともに販売中止となった。効率だけが価値判断基準となり、医療に携わる者としての誇りを忘れているのではないか。「利潤と道徳を調和させる」経営哲学に立ち返ってもらいたい。 続きを読む

毎年5日間の有給取得が義務化

2018年11月08日(木)

 我が国の年次有給休暇の取得率は、欧米諸国ではほぼ完全取得されている状況と比較して、近年5割を下回る水準で低迷している。働き方改革関連法が順次施行されるのに伴い、今年4月1日、年次有給休暇の取得義務化が始まる。現行法では労働者の申し出による取得のみだったが、5日分については本人の希望を踏まえ、事前に時季を指定して与えられる。違反した企業は30万円以下の罰金の対象になる。義務化で大幅改善が期待される一方、人手不足に悩む医療業界や介護業界は対応に追われそうだ。どちらも、ぎりぎりの人員でやりくりしている。スタッフにも職場への配慮やためらいなどがある。 続きを読む

石川県 歯と口腔の健康づくり推進条例

2014年09月10日(水)

www.pref.ishikawa.lg.jp/gikai/kaikaku/hajourei.html
すべての住民が生涯にわたって格差なく口腔機能を維持するために
 
これまで、健康診査などでにおいて、成人・労働者を中心に医科・歯科の間に大きな差があった。基盤となる地域保健法に、保健所の行う事業として「歯科保健(歯科衛生)に関する事項」が法律本文に明記され、健康増進法にも基本方針の内容として「歯の健康の保持」が規定されているにもかかわらず、個別法において歯科に関する検査項目の規定がないために、成人・労働者を中心に歯科健診はほとんど行われていない。 続きを読む

マイナンバーの利用範囲拡大を阻止

2015年10月07日(水)

  改正マイナンバー法が9月3日の衆院本会議で、自民、公明、民主などの賛成多数で可決、成立した。そして、10月から各世帯に個人番号の通知が始まった。
 2013年5月に成立したマイナンバー法では、来年1月から税金、社会保障、災害関連の3分野を中心とした行政手続きで番号を活用すると定めていた。そして、附則第6条では、施行後3年を目途に国民の理解を得つつ利用範囲を見直すものと規定していた。また医療情報については、マイナンバー法の審議段階からその機微性が重視され、マイナンバーの利用範囲から除外されていた。 続きを読む

周術期における口腔機能管理を推進するのであれば

2021年06月30日(水)

 歯周疾患のため定期的に通院している患者さんが、医科大からの依頼により周術期管理もすることになった。周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)(手術前)280点を算定すると、それまで算定していた歯科疾患管理料100点と長期管理加算(か強診)120点、歯周病安定期治療(Ⅱ)(か強診)830点も算定できなくなる。次月には周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)(手術後)190点の算定となり、さらに減点となる。また、依頼されている入院前日や退院後に診療室で行う周術期等専門的口腔衛生処置92点も算定できないことになっている。 続きを読む

歯科口腔保健推進法が成立

2011年09月21日(水)

  歯科疾患の予防等によって口腔の健康を総合的に推進する事を目的とした「歯科口腔保健の推進に関する法律」が8月2日の衆院本会議において全会一致で可決、成立した。これを受け、厚労省は同月26日に医政局歯科保健課の下に歯科口腔保健推進室を設置した。 続きを読む

憲法の精神を活かせ 社会保障制度改革国民会議

2012年09月18日(火)

 8月10日、民主・自民・公明の三党合意により、消費税増税法案とともに、社会保障制度改革法案が参議院において可決・成立してしまった。これによって、社会保障の給付内容充実ではなく、その制度持続が目的となり、そのための詳細を社会保障制度改革国民会議が検討することになった。 続きを読む

口腔機能発達不全症の訓練と治療を保険診療で

2020年03月04日(水)

 近年、「4歳になってもクチャクチャ食べ(クチャクチャと音をたてながら食べる)が治らない」などの相談が、保護者から歯科医師へ増えてきた。問診すると、授乳時に赤ちゃんの体を起こさず横に寝かせたまま授乳していた、離乳食を与える際に口唇を閉じさせることを意識していなかった、幼児期初期にコップではなくストローで飲ませていた、手づかみ食べをさせていなかった等のケースが目立つ。 続きを読む

国家の重要問題は多様なメンバーで審議すべし

2017年09月02日(土)

 財務省主導で行なわれてきた予算編成などを政治主導型に移行するため、2001年1月、政府は、内閣府に「経済財政諮問会議」という組織を誕生させ、国家予算や規模、医療費など経済全般に関わる政策決定機関とした。年末に決定されていた予算編成方針を、6月ごろに同会議が「骨太の方針」という予算編成の基本的な考え方を提示し、それに基づいて、「予算編成の基本方針」を閣議が決定するようになった。メンバーは、内閣官房長官、日銀総裁、経済財政担当相と関係閣僚、それに経済学者と財界人2名ずつ、計4名の民間人である。例えば、医療費抑制について話し合う経済諮問会議に医師は一人もいないという恐るべきことになっている。 続きを読む

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