のぼるくんの世界

のぼる君の歯科知識

歯科医院とインボイス

2023年07月26日(水)


 国が今年10月から始める「適格請求書保存方式(インボイス制度)」では、免税事業者が発行する請求書は消費税の仕入税額控除の要件を満たさなくなる。但し、2026年9月までの3年間は免税事業者からの仕入れにつき仕入税額相当額の80%を控除可能、2029年9月までの3年間は50%控除可能とする経過措置があり、2029年10月からは控除不可となる。
 歯科医院で問題となるのは歯科技工所との関係だろう。他にも金属回収業者等がある。保険治療中心の「免税事業者」又は自費診療等が5千万円以下の「簡易課税事業者」の歯科医院は適格請求書=インボイスの収集は不要で、歯科技工所が免税事業者でも問題はない。多くの歯科医院はこれに該当する。
 一方、5千万円を超える本則課税の歯科医院が仕入税額控除の適用を受けるためには、受理する請求書等は適格請求書発行事業者(課税事業者)が発行する要件を満たしたインボイスであることが求められる。免税事業者はインボイスを発行できないため、免税事業者の歯科技工所が発行する請求書では税額控除を受けられない。そのため、歯科技工所にインボイスを求めるか、経過措置の2026年9月まで納品額の2%、2029年9月までは5%、完全実施の2029年10月からは10%の負担をどうするかの話し合いとなる。

 参考に
・消費税は預かり税。消費税の納税は、「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いた金額を納税するという構造。
・『免税事業者』とは、非課税なのではなく、「課税だが、納税を必要としない事業者」。
・消費税法上、歯科技工所の売上には「社会保険か自費かの区別」はなく、すべての売上は消費税の課税対象。
・歯科技工所はインボイスをどうするか
kojima-dental-office.net/20230719-7144
 ・インボイスと歯科技工所
 (日本歯科技工士会)
www.nichigi.or.jp/shikagikoshi/gikojounei-joho/invoice.
 ・経過処置
www.nichizeiren.or.jp/wp-content/uploads/invoice/invoice15b.pdf

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