のぼるくんの世界

のぼる君の歯科知識

エッセイ

エッセイ

医師や歯科医師の働き方改革

2022年07月19日(火)

 2021年3月に「世界経済フォーラム」が、政治・経済・教育・健康の4項目で国内の男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」を発表した。日本は156カ国中120位であり、先進国では最下位、多くの新興国・途上国より低かった。政治分野で女性の進出が遅れていることが、日本の総合順位が低い最大の理由である。
 ジェンダー・ギャップ指数2021
www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2021/202105/202105_05.html
 妊娠・出産は「生物学的性差」に基づいている。ただし育児は女性だけではなく、男性にもできる。社会には今なお「育児はママの仕事」という意識が根強く残っている。「男性でもできるのに、女性しかできないとされていること」、逆に「女性もできるのに、男性しかできないとされていること」、このような思いこみや決めつけが「ジェンダー・ギャップ」を生む。 続きを読む

健康保険証の廃止の問題点

2023年09月08日(金)

 現行の法律では、「マイナンバー」は強制、「マイナンバーカード」は任意となっている。
 「マイナンバー」は、国民の情報を一元的に管理することができない仕組みとし、特定の機関に個人情報が集約されないよう、それぞれの行政機関が個人情報を分散して管理している。また、役所での業務や、電子申告する時に国税庁とやりとりするといった、限られた場所でしか使われない。その暗証番号も英数字混合の6~16桁。しかも、政府が全力を挙げてがっちりガードしているので、もし情報漏れが起きたら、政府が全責任を負う。 続きを読む

「3歳児の不正咬合」が増えている

2023年10月17日(火)

 歯並びの叢生は、約50年前まではあまり見られなかったが、診療室で約30年前より永久歯に見られるようになり、約10年前より乳歯にも見られるようになってきた。3歳児健診でも、下顎の乳前歯で叢生が見られるようになった。
 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 歯科口腔保健の推進に関する専門委員会の報告書によると、歯科口腔保健の推進に関する基本的事項19項目の中で、唯一悪化しているのは「3歳児の不正咬合」であった。この原因は、添い乳と食姿勢や食べ方、鼻閉などによる口腔機能発達の仕方にあると推測され、それらを学ぶ機会が重要である。そして、これを、2024年度から実施予定の次期「健康日本21(第3次)」の重要課題とし、国及び地方公共団体の施策等に反映させるべきである。 続きを読む

歯科医院とインボイス

2023年07月26日(水)

 国が今年10月から始める「適格請求書保存方式(インボイス制度)」では、免税事業者が発行する請求書は消費税の仕入税額控除の要件を満たさなくなる。但し、2026年9月までの3年間は免税事業者からの仕入れにつき仕入税額相当額の80%を控除可能、2029年9月までの3年間は50%控除可能とする経過措置があり、2029年10月からは控除不可となる。
 歯科医院で問題となるのは歯科技工所との関係だろう。他にも金属回収業者等がある。保険治療中心の「免税事業者」又は自費診療等が5千万円以下の「簡易課税事業者」の歯科医院は適格請求書=インボイスの収集は不要で、歯科技工所が免税事業者でも問題はない。多くの歯科医院はこれに該当する。 続きを読む

定年、引退、退職後

2023年03月18日(土)

 人生80年
第1時代 育てられた25年
第2時代 働き、社会貢献した40年
第3時代 自分を大切にする15年 
 定年、引退、退職後には、4つの選択肢がある。仕事、趣味、ボランテイア、そして「何もしない」。
 しばらくゆっくりしたい、色んなことを自由に楽しみたいと思う。それでも、何か定まった時間、月日や曜日、季節があり、それと一つにこだわらず、いくつかあった方が良い。 続きを読む

歯科医師、仕事に就いて35年

2010年08月28日(土)

 自分におごることなく、自分の仕事に自信を持つ。卑屈になることなく、謙虚であり続けたい。異種の情報源に積極的に接するようにして感性を磨き、常に学ぶ心を持つ。「皆のために何が」を考え、自分ができることを探す。声が掛かる間は、無理せずマイペースに、自分の信ずる仕事を一生懸命に成し遂げたい。 続きを読む

口腔衛生管理体制加算の評価を廃止

2021年05月18日(火)

 歯科医師又は歯科衛生士による介護職員への助言・指導を評価した施設が算定できる口腔衛生管理体制加算は、平成21年に新設されて以来、施設入所者全員の口腔ケアの強化に貢献してきた。歯科医師または歯科衛生士が介護施設へ毎月赴き介護職員と顔を合わせて、入所者の口腔ケアや口から食べる支援に関してきめ細やかに議論し、その継続によって連携・コミュニケーションを深めてきた。研修会を開催し、それぞれの共通理解を育み、疑問点を解決してきた。
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聴覚障害者支援「全市町に設置を」

2022年04月30日(土)

 4歳の男の子が急患で来院する。号泣していてよく分からないが、どこか歯が痛いらしい。付き添ってきた両親に話を聞こうとしたら、二人とも聴覚障害者だった。筆談で経過や様子を把握することになり、診断、治療、痛みからの解放にはかなりの時間を要した。手話通訳者が同行してくれたら良いのになあと思う。また、こんな話も聞く。「救急車で筆談を求められた。大量出血で意識がもうろうとしてできなかった。でも、手話通訳者が駆けつけてくれて、手話で会話ができて安心した」。 続きを読む

NaClO 次亜塩素酸ナトリウム

2017年12月22日(金)

 次亜塩素酸ナトリウムの化学式を、大学生の頃「NaOCl」と習ったが、一般的には「NaClO」と表記していることに気が付いた。どうやら、歯科の世界ではNaOCl、一般的にはNaClOが使われているようだ。原子の並び順は、Na-O-Clとなっているが、化学の世界では、オキソ酸は中心元素を先に、酸素を後に書く決まりになっている。一般的な表記を受け入れ、これからも広い世界に目を向けて行きたいと思う。

外国人技工士の就労は「省令に追記が必要」

2019年01月21日(月)

kojima-dental-office.net/20181213-4559
 歯科技工士数は近年減少傾向にあり、特に若年者では著しい。歯科技工士学校の廃止や若い歯科技工士の離職率の高さが追い打ちをかけ、歯科技工士の高齢化が一段と進み、将来が危惧されている。国や厚生労働省は、長期展望に立った歯科技工士育成に力を注ぐべきである。一つの解決策に外国人歯科技工士の就労がある。しかし、留学生が日本の歯科技工士養成施設で学び国家試験に合格しても、外国人に対する歯科技工士の在留資格がないため、日本で歯科技工士として勤務できない。 続きを読む

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