高齢者施設等における口腔ケア従事者育成事業の過渡期
2025年08月07日(木)
石川県と石川県歯科医師会が連携して、各保健福祉センターを介して高齢者施設等を訪問し口腔ケア従事者に対して技術指導を実施してきた。
参考に
1.夕陽ヶ丘苑 2013年10月02日
kojima-dental-office.net/20131002-726
2.夕陽ヶ丘苑 2016年12月07日
kojima-dental-office.net/20161207-3242
3.第3次いしかわ歯と口腔の健康づくり推進計画 2024年8月 概要 資料
www.pref.ishikawa.lg.jp/kenkou/documents/1-2_keikakusintyoku.pdf
【石川県における歯科口腔保健医療施策のこれまでの取組】
②口腔機能の維持・向上:
高齢者施設等における口腔ケア従事者育成事業
4.令和6年度石川県歯科医師会歯科保健事業報告
www.pref.ishikawa.lg.jp/kenkou/documents/8_shikaishikai.pdf
高齢者施設等における口腔ケア従事者育成事業
令和6年7月25日(木)14:30~15:30
鹿寿苑(中能登町西馬場エ-56)施設職員7名参加
「高齢者の口腔ケアの基本」 一方、介護報酬改定により施設入所者の口腔ケアは強化されてきた。県内の介護保険施設で、介護報酬における「口腔衛生管理加算」を算定している施設の割合は、年々増加し、2023年10月の実績で18.5%となっている(図22)。そして、2021年の介護報酬改定において、施設の「口腔衛生管理体制加算」が廃止され、運営基準として義務化された(2023年度までは努力義務)。2024年4月からは、完全に義務化され、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、介護職員に対する口腔衛生に係る技術的助言及び指導を年2回以上実施することとなった。2023年12月に行った調査では、すでに取り組んでいる・年度内に開始予定と回答した介護保険施設の割合は65.8%となっている(長寿社会課調べ)。
しかし、グループホームやケアハウス、小規模多機能などの居住系サービスの「口腔衛生管理体制加算(30単位)」は、現在も算定自由(実施割合のデータは見当たらない)となっていて、口腔ケアが本人任せになっている。高齢者施設等における口腔ケア従事者育成事業は、過渡期を迎えているように思う。こうした所にこそ、本来の目的である口腔ケアの強化を図るべきであり、力を注ぐべきではないか。いずれ、施設系サービスと同じく、口腔衛生の管理が基本サービス費に包括され、義務化となるだろう。そのときに慌てずに済むように、連携は図っておくことが必要。
参考に
1.第3次いしかわ歯と口腔の健康づくり推進計画 2024年8月 40ページより
www.pref.ishikawa.lg.jp/kenkou/documents/zenntai.pdf
2.口腔衛生管理体制加算(30単位)
①2009年(平成21年)4月介護報酬改定
「口腔機能維持管理加算」が施設系サービスとして新設された
歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が介護職員に対して口腔ケアに関わる技術的助言・指導を行い、それに基づき施設が入所者の口腔ケア・マネジメントに関わる計画を作成している場合に、施設が月1回算定できる。
②2012年(平成24年)4月介護報酬改定
「口腔機能維持管理体制加算(30単位)」に名称変更
内容に変化なし。入院患者も対象となった。
内灘温泉保養館は、その管理体制の応援を2013年02月1日から開始し、それ以来、毎月助言や指導を続けている。顔を合わせて、入所者の口腔ケアや口から食べる支援に関してきめ細やかに議論し、その継続によって連携・コミュニケーションを深め、それぞれの共通理解を育み、疑問点を解決し、施設入所者全員の口腔ケアの強化に貢献してきた。
口腔機能維持管理体制加算(施設が算定)
kojima-dental-office.net/20130216-720
③2018年(平成30年)4月介護報酬改定
「口腔衛生管理体制加算(30単位)」に名称変更
施設サービスに加え、居住系サービスにも拡大。
つまり、以下のような事業所も含めれるようになった。
【居宅サービス】
・特定施設入居者生活介護
介護付有料老人ホーム,養護老人ホーム,軽費老人ホーム(ケアハウス)
注・介護保険の指定あるもの
【地域密着型サービス】
・認知症対応型共同生活介護
認知症高齢者グループホーム
・地域密着型特定施設入居者生活介護
定員29人以下の小規模で運営される介護付有料老人ホーム等
(介護専用型特定施設)
・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
定員29人以下の小規模で運営される特別養護老人ホーム
④2021年(令和3年)4月介護報酬改定
口腔衛生管理体制加算の評価を廃止し、基本サービス費に包括した。
これまで実施してこなかったところを含むすべての施設を対象とした。
(3年の経過措置期間を設ける)
⑤2024年4月(令和6年)介護報酬改定
・すべての施設は、入所者に対する口腔衛生の管理が
基本サービス費に包括され、義務化となった。
歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士による技術的助言及び指導を
年2回以上行うことになった。
夕陽が丘苑は、義務化になる3ヶ月前より頻繁に顔を出し、口腔ケア委員会が立ち上がった。2024年4月1日に口腔衛生管理体制のための契約を結ぶ。口腔ケア委員が各フロアからの質問をとりまとめたものに対して1時間ぐらいの質疑応答を年2回以上実施。さらに学習会「口腔ケアを考える」を2回開催。
kojima-dental-office.net/20240920-7726#more-7726
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