のぼるくんの世界

のぼる君の歯科知識

余裕は無駄ではない

2020年06月22日(月)


 国は無駄を省いて医療費を削減し、経済効率・採算を考えた、現状に適合した最適な医療システムを構築しようとしてきた。例えば、全国の病院のベッド数を2025年までに最大で15%減らす目標を2015年に立てた。重症患者を集中治療する高度急性期の病床を13万床、通常の救急医療を担う急性期の病床を40万床、それぞれ3割ほど減らす方針。これに沿って、毎年病院は統廃合されて、病床は減ってきた。しかし、今回の新型コロナウイルスの大流行によって、このシステムが危機管理に対して極めて脆弱であったことが明らかになった。
 経済効率を考えれば無駄かもしれないが、第2波、第3派に備えて重症者、軽症者、無症状者それぞれに対応できる病床やホテルの確保は予め必要である。余裕は無駄ではない。そして、これらの空室維持費用は医療費ではなく、危機管理費用として支出すべきである。また、患者減や減収に陥った医療機関への対応も医療費の引き上げ・患者負担増等による補填ではなく、地域医療の確保・増進のために一般会計の支出とすべきである。

 新型コロナウイルス感染症に備えて
kojima-dental-office.net/20200326-105
 皆のために何が
kojima-dental-office.net/blog/20000125-742#more-742
 日本の企業はバブルの崩壊以来、よりいっそうコスト削減、リストラなど競争に勝つことだけを考え、効率だけが価値判断基準となり、モラルを忘れてきた。「皆のために何が」を考えるべき時期に来ている。
 生物多様性とはなにか
kojima-dental-office.net/blog/20100906-1178
 経済効率の良い一品種のみを栽培していると、一度病中害に襲われると全てが絶滅する。生物多様性が病気や環境の変化に適応する能力を確保する。

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