小島歯科医院 名誉院長ブログ

7.4.13.

2025年04月13日(日)


【1】高額療養費制度 負担上限額 ことし8月の引き上げ見送りへ 政府
【2】金利上昇による国債利払い費の急増が社会保障予算を圧迫
【3】平均寿命の地域格差30年で拡大 47都道府県間、最大2・9年に
【4】「パンデミック条約」条文案を大筋合意
【5】ネクスト・パンデミック “かぜ”患者数の定点調査始まる
【6】リンパて何? 体のたたかう下水道
【7】なぜ日本人は食事のときに食器を持ち上げるのか
【8】世界初!120年以上未解決だった難解パズルの証明に成功
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【1】高額療養費制度 負担上限額 ことし8月の引き上げ見送りへ 政府
 (NHK2025年3月7日)
www3.nhk.or.jp/news/html/20250307/k10014742201000.html
 医療費が高額になった患者の自己負担を抑える高額療養費制度の見直しについて、政府は物価や賃金の上昇を踏まえ、ことし8月の負担上限額の引き上げは予定どおり行う一方、来年8月以降の制度のあり方は改めて検討し、ことし秋までに決定するとしていました。
 しかし立憲民主党などの野党やがん患者らが引き上げの凍結を強く求めていることに加え、与党の参議院側を中心に国民の理解が十分に得られていないとしてさらなる見直しを求める意見が出ていたことから政府内で対応を協議してきました。
 その結果、ことし8月の引き上げを見送り、制度のあり方を再検討する方針を固めました。具体的な対応は、来年8月以降の制度のあり方とあわせて検討し、ことし秋までに結論を出したいとしています。
 一方、政府・与党内では、引き上げの見送りに伴う新年度予算案の取り扱いについても慎重に調整が進められています。
【2】金利上昇による国債利払い費の急増が社会保障予算を圧迫
“日本国債” の知られざる現場、財務省国債企画課に密着!
 (NHKスペシャル初回放送日:2025年4月13日)
nhk.shigeyuki.net/?p=3006
www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/paJnovBDza/bp/pWqP977NLd/
未完のバトン 第1回 密着 “国債発行チーム”
 様々な公共サービスを支える「国債」。去年、日銀が金利の引き上げや国債買い入れの減額方針を示し、歴史的な岐路に立っている。番組では国債の発行・立案を担う財務省国債企画課に密着。官僚たちは国内の機関投資家の動向を探るほか、中東に飛び、海外勢にも投資を呼びかけている。一方で財務省には「経済・財政の運営が間違っている」という不満も向けられている。国債をめぐる知られざる現場からこの国の未来を見つめていく。
 【利払い費という新たな重荷】
 長く続いた低金利時代が終わり、金利が再び上昇する時代を迎えた今、最も深刻な課題のひとつとして浮上しているのが「利払い費の急増」です。これまでの異次元緩和によって、政府は比較的低い金利で大量の国債を発行することができていましたが、今後はその“つけ”として多額の利息を支払っていく必要があります。
 主計局の片山課長は、財務省内でこの問題に対応しています。試算によると、2028年度には国債の利払い費が現在の1.5倍、約16兆円に達する見込みだとされており、これは国家予算の中でも極めて大きな割合を占めることになります。
 教育や福祉、社会保障など国民生活に直結する政策分野の予算が圧迫されるおそれがある。利払い費が自動的に増えることで、将来に向けた投資や新たな政策立案の余地が狭まってしまう。結果として、「必要なことができない国家予算」の構造になるリスクが指摘されている。
 片山課長は、この問題をより深く理解するために、パリで開かれた国際財政会議に参加しました。そこでは、世界銀行やIMF、欧米諸国の財政責任者たちも同じような悩みを抱えており、「利払い費の拡大が政策の選択肢を制限している」という点で世界共通の課題であることが確認されました。
 さらに、民間の投資家や海外のヘッジファンドからも「将来的に日本はどこまで利払いを続けられるのか」という厳しい視線が向けられています。国債を持ち続けるリスク、そして信頼性への懸念が、財政運営そのものに大きなプレッシャーとなってのしかかっています。
 国債は「将来の税収で返す」という前提のもとで発行されていますが、金利の上昇はその返済をより困難にする現実を突きつけています。財務省としては、将来世代に過度な負担を残さないためにも、いかにしてこの利払い費の膨張を抑えながら予算の健全性を保つかという難題に立ち向かっているのです。
 参考に
 EUにおける財政(規律)ルール見直しと日本への示唆
www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4472
【3】平均寿命の地域格差30年で拡大 47都道府県間、最大2・9年に
 (東京新聞2025年3月21日)
www.tokyo-np.co.jp/article/393207
 慶應義塾大学医学部プレスリリース 2025/03/21
www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2025/3/21/28-165640/
  1990~2021年の約30年間で、日本の平均寿命は5・8年延びて85・2歳となった一方、47都道府県で最長と最短の差が拡大したとの分析結果を慶応大などのチームがまとめ、21日付の英医学誌に発表した。90年に2・3年だった差が21年には2・9年に広がった。
 延びが大きかった地域では、医療へのアクセスや生活習慣の改善、健康を支える仕組み作りなどを積極的に進めたとみられる。チームの野村周平慶応大特任教授は「そうした地域の取り組みを共有することで、格差是正につながる可能性がある」としている。
 チームは国の人口動態統計などのデータを分析。平均寿命は全都道府県で延びたが、小数第2位を四捨五入した90年の平均寿命が最長の沖縄(80・6歳)と最短の大阪(78・2歳)の差が2・3年だったのに対し、21年では最長の滋賀(86・3歳)と最短の青森(83・4歳)の間に2・9年の差があった。石川は85.6歳。
 健康上の問題がなく生活できる「健康寿命」と平均寿命との差も、90年に9・9年だったのが、21年には11・3年に拡大した。
 【発表のポイント 】
 認知症(アルツハイマー病など)が主要死因の第1位に浮上:疾病負荷(DALYs(注4):早期死亡や障害によって失われた健康的な生活年数)も2015年から2021年にかけて人口あたり約2割増加し、予防・ケア体制の整備が急務。
 主要疾病の死亡率低下が鈍化:脳卒中や虚血性心疾患を含む主要疾病の年齢調整死亡率の減少ペースが鈍化。全死因の年齢調整死亡率(注5)の年率換算変化率(注6)は、1990〜2005年の-2.0%から2015〜2021年には-1.1%へと縮小。
 糖尿病の状況が悪化、肥満のリスクも高まる:2015年以降、年齢調整した糖尿病に起因するDALYsは年率2.2%増加。高血糖や過体重・肥満の問題も深刻化しており、対策の強化が求められる。
 パンデミック初期(2021年)のCOVID-19による死亡率は低水準だが、精神疾患は悪化:COVID-19 による年齢調整死亡率は人口10万人あたり3.0人と、世界全体(94.0人)の約31分の1の低水準。一方、2019〜2021年のパンデミック前後で精神疾患によるDALYsは悪化し、特に若年層(10〜54 歳)において増加が顕著だった。この年代では、女性が15.6%、男性が9.0%の増加を示し、特に若年女性への影響が大きかった。
 参考に
 障害調整生存年数(DALY)についての概要と批判
www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n327/n327013.html
【4】「パンデミック条約」条文案を大筋合意
 (NHK2025年4月12日)
www3.nhk.or.jp/news/html/20250412/k10014777681000.html
 新型コロナウイルスの感染拡大の教訓を踏まえ、世界の感染対策の強化を目指した国際条約、「パンデミック条約」は12日、採択に向けた条文案が大筋で合意されました。WHOは、来月予定されている年次総会で、正式な採択を目指しています。
 「パンデミック条約」は、新型コロナウイルスの感染拡大の教訓を踏まえ、世界の感染対策を強化することを目指した国際条約で、3年前から協議が行われてきました。今月7日からは、スイスにあるWHOの本部で最終協議が行われ、12日、採択に向けた条文案が大筋で合意されました。条文案には、各国が、パンデミックを予防するための包括的な計画を策定することや途上国でのワクチンや治療薬の生産能力を強化することなどが盛りこまれています。また、ワクチンや治療薬の開発を加速させるため、病原体の情報を各国間で共有する、新たな枠組みを立ち上げるとしています。この枠組みでは、病原体の情報をもとにワクチンなどの開発を行った製薬会社は、パンデミックが起きた際の公平な配分につなげるため、製品の生産量の最低10%をWHOに無償で提供することになっていて、今後詳細が協議される予定です。
 ただ、条文案の一部の表現をめぐり、まだ折り合いが付いておらず、各国は来週も会合を設けた上で、WHOは、来月予定されている年次総会で、正式に採択することを目指しています。一方で、製薬大国、アメリカのトランプ政権は、協議からすでに離脱していて、条約への参加は不透明になっています。
 協議のあとNHKなどの取材に応じたWHOのテドロス事務局長は「新型コロナの教訓をもとに同じ過ちを繰り返さないため、私たちはこの条約を必要としている。次の世代にとっても大切だ」と述べ、パンデミック条約の意義を強調しました。また、条約の協議からも離脱しているアメリカについては、「感染を予防して早期に発見し、情報を共有することをともにやって初めて感染から守られる。アメリカにはそのことを理解し条約に戻ってきてほしい」と述べました。
【5】ネクスト・パンデミック “かぜ”患者数の定点調査始まる
 (NHK2025年4月7日)
www3.nhk.or.jp/news/html/20250407/k10014769991000.html
 せきや、のどの痛みなどのいわゆる“かぜ”の症状がある患者数の定点調査が7日から始まります。原因となる菌やウイルスを特定して適切な治療につなげることや“かぜ”の患者の動向を幅広く把握することで、未知の感染症の発生を探知することが期待されています。
 国立健康危機管理研究機構は7日から全国およそ3000か所の医療機関でせきやのどの痛み、鼻づまりなど“かぜ”の症状がある患者を「急性呼吸器感染症」として定点調査を始めます。
 これまで呼吸器の感染症はインフルエンザや新型コロナなど病原体ごとに報告されていましたが、これに加えて▼検査を受けていなかったり▼検査が陰性だったりした“かぜ”の患者の数も報告の対象となります。
 また、定点のうち一部の医療機関は検体を地方衛生研究所などに送り病原体を分析して特定することでより適切な治療につなげることができると期待されています。
 また、世界的な流行となった新型コロナは当初、原因不明の呼吸器感染症として報告されたことを踏まえ、厚生労働省は“かぜ”の患者の動向を幅広く把握することで未知の感染症の発生を探知し、速やかな対策に結び付けたいとしています。
【6】リンパて何? 体のたたかう下水道
 (NHKチコちゃんに叱られる2025.4.4.)
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リンパについて弘前大学の下田浩教授が解説。リンパは体内を流れている血液から生まれ、血管が上水道に例えた場合、リンパ管は下水道となる。リンパは老廃物の掃除やウイルスなどの外敵と戦う役割を持つ。いっぽうでリンパはゆっくり流れ、うまく流れないとリンパ管から漏れ出しむくみとなる。むくみの解消法として早寝早起きなど健康的な生活を送るのが良いがもっと手軽にできる解消法として自転車のペダルをこぐような動きをするエアペダルこぎやガムをかむなど紹介した。
【7】なぜ日本人は食事のときに食器を持ち上げるのか
 (NHKチコちゃんに叱られる!2025年4月11日)
nhk.shigeyuki.net/?p=2916
 しっかり噛む工夫
kojima-dental-office.net/20090924-212
 日本では、茶碗や汁椀を手に持って食事をするのが自然なマナーとなっていますが、これは世界的に見ると少し特別な習慣です。番組ではこの疑問に対して、正解は「日本の家が狭かったから」と紹介されました。この理由には、日本の住まいと生活の工夫が深く関係しています。
 昔の日本では、最初に建てられた住居が竪穴式住居でした。この住まいは広さが約12畳ほどで、家族全員が同じ空間で生活を送っていました。やがて時代が進むと、長屋のような狭い住宅が登場し、一般庶民は4畳半や6畳の部屋に家族全員で暮らすのが当たり前になっていきます。
 限られた空間の中で、食事・睡眠・仕事をすべてこなす必要があった。テーブルのような大型家具を置く余裕はなかった。床に直接置く「御膳」や「ちゃぶ台」を使うのが主流になった。そのような環境で使われた御膳は、床に直接置く低い台です。椅子ではなく座って食べる日本のスタイルでは、器を持たないと食べ物を口に運びにくい高さになります。この「食べにくさ」を解決するために、自然と器を持って食べる習慣が根づいていったのです。また、日本の食器にはこの習慣に合わせた工夫がされてきました。茶碗や汁椀は、小ぶりで軽く、手にフィットしやすい形をしています。特に汁椀は漆器が多く、熱が伝わりにくいため持ちやすいという特徴があります。
 人間に毛が生えていないのはなぜ?
 絶滅の人類史 7.人類から体毛がなくなった理由
kojima-dental-office.net/blog/20181110-10692#more-10692
【8】世界初!120年以上未解決だった難解パズルの証明に成功
 (北陸先端科学技術大学院大学2024年12月5日)
www.jaist.ac.jp/whatsnew/press/2025/03/10-1.html
 (朝日新聞2025年3月10日)
www.asahi.com/articles/AST372SHPT37PLBJ007M.html
 裁ち合わせパズルとは、与えられた多角形をなるべく少ないピースに切り分けて並べ替え、別の多角形に変えるパズルです。これは古典的なパズルであり、その中で最も有名なものが、正三角形を4つのピースに切り分けて正方形を作る「デュードニーの裁ち合わせパズル」です(上図)。これは、イギリスの著名なパズル作家であるデュードニーが1902年に発表したものですが、この4ピースよりも少ない解があるかどうかは、120年以上にわたって未解決のままでした。
 北陸先端科学技術大学院大学の上原研究室とマサチューセッツ工科大学のDemaine研究室は数年前からこの難問に挑戦してきました。そして、鎌田助教が新しい証明技法を考案し、ついに「この4ピースの解が最適で、3ピース以下の解が存在しない」ことを世界で初めて証明しました。

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