新型コロナと介護現場 リレートーク
2021年11月14日(日)
医師とコ・メディカルのためのシンポジウム
と き 2021年11月14日(日)10:00~12:30
ところ オンライン講演(Zoomウェビナー) または 石川県保険医協会会議室
対 象 どなたでも
参加費 無料 シンポジウム チラシ
参加の申込方法 申込フォームからお申し込みいただくか、FAX申込書に必要事項をご記入いただいてお送りください。なお、会議室参加の定員は若干名です。定員に達しましたら、会議室での参加は締め切りますのでご容赦ください。
申込者指名
所属先(医療機関・施設名)
申込人数
主催 石川県保険医協会
〒9 2 0 – 0 9 0 2 金沢市尾張町2 – 8 – 2 3 太陽生命金沢ビル8階
TEL 0 7 6 – 2 2 2 – 5 3 7 3 FAX(076-231-5156)
Eメール:ishikawa-hok@doc-net.or.jp
会い、触れ、語り合うことは介護に不可欠です。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により、それらがはばかれる事情になりました。感染対策を行いながら必要な介護をどう提供するか、職員へのプレッシャー、外部との交流の減少など、悩みはつきないと思います。 人と直接会うことがはばかられる時だからこそ、現場の実態が外から見えなくなっているのではないかと考え、まずは情報交換する場を持つところから始めたいと思い、このシンポジウムを企画しました。様々な介護事業所の皆さんから、コロナ禍において困ったこと、工夫、必要な支援などについてご報告いただきます。介護・医療関係者の方をはじめ、興味のある方はどなたでもご参加いただけます。
2021年介護報酬改定のポイント(歯科に係わる居宅療養管理指導)
kojima-dental-office.net/20210521-5558
パネリスト
[訪問介護] 鍋谷 晴子 氏(にじいろケアプラス)
[訪問看護] 石川 美香 氏((公財)金沢健康福祉財団訪問看護ステーション)
[訪問リハ] 大森 俊之 氏(城北クリニック)
[通所リハ] 小池 笑子 氏(城北クリニック)
[通所介護] 田中 栄一 氏(ほやね城北)
[小規模多機能型居宅介護] 野村 鈴恵 氏(ほやね城北)
[看護小規模多機能型居宅介護] 上口 幹 氏(こすもすの家)
[特別養護老人ホーム] 山下 明美 氏(やすらぎホーム)
[グループホーム] 町出 須美子 氏(コープいしかわ グループホーム戸板)
[有料老人ホーム] 島 由紀子 氏(有料老人ホーム サンシャイン神宮寺)
メモ
1.石川県保険医協会の取り組み
・介護事業所アンケート 通所系介護事業所
施設・居住系介護事業所
kojima-dental-office.net/20200820-5282
kojima-dental-office.net/20201022-5336#more-5336
・介護現場の声を集約し、石川県に対して代弁した
2.それぞれの形態の事業所から報告
①訪問系
a.訪問介護
・休校によるスタッフの子ども対応
・コロナ禍で必要なサービスが、家族との業務分担により明らかに
・在宅ワークの家族支援の必要性
・事業所判断ではなくある程度決めてほしい
・ヘルパーさんへのワクチン接種が遅かった(メンタル的にきつかった)
・利用者さん宅でのマスク着用や換気(冷・暖房時)の理解が難しかった
b.訪問看護
・公用車のアルコール消毒
・入浴介助の対策再考 15分以上は換気など
・感染予防リーフレットを利用者さんに配布
・どんな場合にどうするかを明確にしたチャートをスタッフが常に携帯する
それぞれの場合のガウン姿を写真でわかりやすく
c.訪問リハ
・緊急事態宣言中は施設系への訪問中止が多かった
・訪問リハが2ヶ月ほど長期に利用中止になると、
利用者さんの身体機能や生活動作等が低下
②通所系
d.通所リハ
・緊急事態宣言中は有料老人ホームからの利用がなくなった
・電話による安否確認が介護報酬に不公平感があった
e.通所介護
・緊急事態宣言中は利用自粛要請
・電話での安否確認を継続したが、利用料に不公平感があるので算定しなかった
③小規模多機能型居宅介護、看護
f.小規模多機能型居宅介護
・陽性者が確認できたときの初動
・濃厚接触者の洗い出し
g.看護小規模多機能型居宅介護
・目標を立て本人の意思を尊重
④施設系
h.特別養護老人ホーム
・外からのボランティアがしていた仕事をスタッフで分担した
i.グループホーム
・ステージ毎に家族との面会方法を工夫
j.有料老人ホーム
・コロナ禍で入居相談が減った
城北クリニック 大川義弘先生報告
シンポジウム「新型コロナと介護現場 リレートーク」
2021年11月14日(日)の10:00~12:30まで、オンライン講演(Zoomウェビナー)と石川県保険医協会会議室で行われました。参加者は○名でした。
冒頭、三宅会長の挨拶があり、その後主催者よりこのシンポジウムの開催趣旨が述べられました。地域医療を実践するためにも、地域で安心して住み続けられることを支える地域ケアが必要であること、今回のコロナ禍で地域ケアを支える様々な介護サービスにどういう影響があって、どう工夫して乗り越えてきたか、また解決すべき課題は何かを、10人のパネリストから述べてもらい課題を整理し今後の改善運動に繋げようというものでした。参加者は別表に示していますが、訪問系サービス、通所系サービス、多機能型居宅介護、居住系施設からもれなく参加していただきました。
訪問介護の「にじいろケアプラス」の鍋谷晴子さんから報告があり、通所系サービスの利用中止で自宅での入浴介助などで業務が増えたこと、逆に訪問を断られ家族が介護でストレスフルになったり、サ高住利用のかたを2ヶ月ぶりに訪問すると暗い部屋でぼんやりしている事例などが報告されました。
訪問看護は「(公財)金沢健康福祉財団訪問看護ステーション」の石川美香さんから、患者さんが新型コロナに感染し、担当の看護師も感染した事例が報告されました。訪問看護の入浴介助では患者さんはマスクしない、看護師はフェイスシールドをしない、密閉空間であることが要因としてあげられ、その後は十分な対応をしていること、最新の感染対策の情報をキャッチしていることが報告されました。
訪問リハは「城北クリニック」の大森俊之さんから、70名中7名が中止になったこと、中止の影響を防ぐため、自主トレ・運動パンフ、家族・ケアマネへの連絡などを行ったこと、2ヶ月後にリハを再開したときに歩行レベルの低下がみられた例が報告されました。
通所リハは「城北クリニック」の小池笑子さんから、有老老人ホームの方針で全員が通所リハ利用が中止になったこと、利用手控えで認知機能や運動機能低下を来した例が報告されました。
通所介護は「ほやね城北」の田中栄一さんから、利用が自粛により大きく減少したこと、上位2区分での介護報酬算定が出来ることへの対応が、介護保険利用と日常生活支援事業の利用者間での差を生むので実施できなかったことが報告された。
小規模多機能型居宅介護「ほやね城北」の野村鈴恵さんから、施設長が医療職の看護師であることから、医療と介護の現場との違いがあることと、ワクチン接種が介護職は優先でないことの改善を求められました。
看護小規模多機能型居宅介護「こすもすの家」の上口幹さんから、最後は在宅でと言う要求に応えられるサービスとして利用がむしろ増えたこと、コロナ禍でなんどか飛行機のフライトが中止になりながら故郷の北海道まで行けたがんの末期の方が紹介されました。
特別養護老人ホーム「やすらぎホーム」の山下明美さんから、ボランティア活動の停止(2019年度で延べ2846人あった)、家族の面会制限で認知症の悪化などが報告されました。ホームでの看取りでは面会制限をはずし(対策をとりながら)対応したとのことでした。
グループホームは「コープいしかわ グループホーム戸板」の町出須美子さんからは、面会制限、外出制限、手洗い・マスク・換気などの紹介があり、制限がある中で家族との面会を少しでもできるようにガラス越しの面会の場面が紹介されました。
有料老人ホームは「有料老人ホーム サンシャイン神宮寺」の島由紀子さんからは、入居者さんへの感染対策としてマスク・手洗い・換気・対面にならない工夫・外出控え・買い物は注文制度・訪問理美容の中止・配布物は一日取り置きにするなどの対策が紹介されました。コロナ禍で入居相談が減ったとのことでした。
報告の中から見えてきたのは、1.医療と介護の連携の重要性(感染対策に助言を求めたり気軽に相談できる体制) 2.介護事業所は小規模の所も多く、行政からの通達などの徹底が不十分になり得る3.自前で手探りで感染対策をしているがそれが妥当かどうかの評価が必要 4.介護報酬算定の問題点 5.感染対策は常にアップデートしていくことなどです。保険医協会としてもこのシンポジウムで明らかになった課題を解決できるように活動を継続していく気持ちが高まりました。
- カテゴリー: 歯科訪問診療